藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当のこと。

スペインの富豪家、それも85歳の公爵夫人が、61歳の恋人と三度目の結婚をしたという。
ただ大富豪のこと、一筋縄では行かず、3600億の財産をすべて譲渡した後、年下の恋人と思いを遂げたという。
ポワロが出てきそうな話題だが、現実である。

日々、法律問題を取り扱う中にいると、そんな例に次々と遭遇する。
が、

夫人は式を前に地元誌で、「彼を愛している。彼も私を好きだと知り、女性として誇りを感じた」と喜びを爆発させた。

数千億の資産を持ち、46の貴族の称号よりも重いものはあるのだ。
自分たちは「そういうもの」は持ち合わせていないが、ゆえに"そういう気持ちが存在するのだ"ということは非常に勉強になる。

よく我われは「自分はそういう境遇にないから、そんな立場のことは想像できない」というようなことを口にする。

だが、人は気持で生きている。

さらに、人が最も大事にするのは「プライド」つまり「人としての尊厳」なのだろう。

この公爵夫人のような岐路に立って初めて顕在化するものだけれど、自分たちは「究極的には」そんなことを大事にする生き物なのだ、ということを覚えておきたい。
「富より、名誉より、愛」なのだ。

85歳公爵夫人、子供に全資産譲り3度目の結婚
【パリ=三井美奈】スペイン屈指の大富豪で名門貴族、アルバ公爵夫人のカイエターナさん(85)が5日、推定35億ユーロ(約3600億円)の資産をすべて子供に譲り、恋人の公務員アルフォンソ・ディエスさん(61)と南部セビリアの古城で念願の結婚式を挙げた。

夫人はアルバ公爵家の現当主。結婚は3度目で、2人の前夫とは死別した。ディエスさんとは3年前から交際していたが、子供ら6人が「結婚はカネ目当て。歴史的名家にふさわしくない」と大反対。恋の行方を国中が注目する中、夫人は全財産を生前相続することで家族の合意を得た。財産にはゴヤ、ベラスケスの名画などが含まれている。

夫人は式を前に地元誌で、「彼を愛している。彼も私を好きだと知り、女性として誇りを感じた」と喜びを爆発させた。夫人は46の貴族の称号を持ち、ギネスブックで「保有称号数が世界最多」と認定されている。

(2011年10月6日18時39分 読売新聞)