藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

糖化防止のすすめ

以前取り上げた日経プルミエの記事を再掲する。
なぜかというと、ダントツに質問が多いから。
モロに老化と直面する年代。
この十年のショックは大したものである。
厄年とはよく言ったもの。
誰しもが通過する、「痛感の時代」とでも言おうか。(つまらんかった)

但し、この年代からは「糖分の意識」がダイレクトに奏功すると思う。
カロリー計算で、本日は1400kcal…とやっている人がいるが、根本的に運動不足だったり、嗜好に偏りがあったりするとカロリー云々ではカバーできていないことが多い。
糖分過多だが、サプリでメタボを防ごう、というのはちょっと虫のよすぎる話。

甘いものだけは断つ、とか炭水化物は夕食から排除する、などの決意がなければ、永遠に腹まわりの脂肪についてグチを言っていなければならないだろう。

それにしても、もう10年も「基本的に一日一食」の生活が続いているが、血糖値が低いままだとお腹が減らないのは、自分でも不思議なことで、妙に甘いものなどを口にしてしまうと、ちょっと「糖分に酔ったような」妙な感じがしてしまう。
それでもたまに口にする白米などは、つくづくなんと美味しいものか、と認識を新たにするが、普段断食したような状態にいると、とても新鮮な感覚も味わえるのである。

これでお酒を止めたら、相当健康になるのではと夢想するが、そんなになったらギャンブル依存症とかになるかもしれないなぁなどとも思う。
自分はやはりどこかに「開放系」の仕組みがないと我慢できない人間のようだ。
五十代以降はどこに向かうのかと思うと、ちょっとため息が出てしまうけれど。

たるみやシワ、生活習慣病も… 40代を脅かす“糖化”
日経ヘルス プルミエ

■40代以上の男女を悩ませる「たるみ」。その大きな原因が“糖化”という現象にあることが分かってきました。しかも、40歳を過ぎるころから、体内の組織でこの糖化が進行し、それが骨粗しょう症生活習慣病のリスクを高めることも明らかに。最新の研究に基づく、糖化防止法を紹介します。

白米、白いパンといった精白された炭水化物食品をよく食べ、ジュースや焼き菓子が好きという人は要注意。たるみが進む危険性があります。たるみの原因の一つに“糖化”という現象があることが分かってきました。これは、糖がたんぱく質と結合すること。食品の調理や製造過程でもできますが、体内では、急速に血糖値が上がって処理しきれない糖が生じると、組織をつくるたんぱく質に糖が結合して起こります。こうしてできるのが糖化最終生成物(AGEs)。冒頭の食品群は、血糖値を上げやすかったり、AGEsが多いと考えられるものです。
「AGEsは肌のハリのもとであるコラーゲン同士を結合させ、弾力性を低下させます。これがたるみの一因。さらに、コラーゲンとエラスチンの代謝も遅らせます」と、慶應義塾大学医学部教授の井上浩義さん。たるみやシワだけでなく、老いた印象を強める黄ぐすみに対する影響も指摘されています。

女性の体の14〜16%はたんぱく質。肥満していたり、高血糖状態が続くと、たんぱく質が糖と結びつきやすくなり、AGEsが加速度的に増加します。また、AGEsは高たんぱく質、高糖質で高温加熱した食品にも多く含まれるとされます。これらが、たるみや肌老化、生活習慣病の原因に。AGEsをつくる生活習慣やAGEsを多く含む食品を避けるとともに、できてしまったAGEsを排出しやすくする方法を取り入れましょう。

【糖化しやすく、たるみやすい生活をしていませんか?】
□砂糖入りの清涼飲料やスイーツ、お菓子などの甘いもの、白米・白いパンといった炭水化物食品が好き
□野菜や海藻など食物繊維が多い食品をあまり食べない
□運動をほとんどしない
□お風呂はシャワーですますことが多い
□しっかりUVケアをしていない
□糖尿病、もしくは糖尿病予備軍と言われている
チェックが多いほど、体の中で糖化が進んでいる可能性が大!
さらに、一部は病気の原因にも。皮膚のたるみ同様に、コラーゲン線維の糖化で起こる骨粗しょう症だけでなく、「糖尿病や動脈硬化など生活習慣病との関係が明らかになっています。特に、網膜症や腎症など糖尿病合併症の第一原因はAGEsと考えられます」と、AGE牧田クリニック(東京都中央区)院長の牧田善二さん。

39人の糖尿病患者と52人の健康な人の皮膚コラーゲン内のAGEs(ペントシジン)量を測定。どちらも年齢とともにAGEsは増加。一般に糖尿病患者は肌老化スピードが速いとされるが、皮膚でのAGEs増加が一因と考えられる。(データ:J Clin Invest;91,2463-2469,1993)

大腿(だいたい)骨頸部を骨折した人と骨折していない人の軟骨内コラーゲンのAGEs(ペントシジン)量を比較。骨折した人は若い骨、古い骨ともに非骨折群よりAGEs量が多かった。この結果から、骨折群では骨形成の早期からコラーゲンの糖化が進んでいることが分かった。(データ:Clinical Calcium;19,8,46-53,2009)
AGEsが増えるルートは、食事で取り込む場合と、甘いもののとりすぎなどで体内でつくられる場合の二つ。「食事に含まれて入ってくるAGEsが55〜60%といわれています」と井上さん。AGEsは糖分とたんぱく質を高温加熱してつくられる食品に多く含まれるとされます。代表例がクッキーなどの焼き菓子やフランクフルトのような加熱した肉加工品など。

「体に害を及ぼすAGEsは、体内に一度蓄積したら排泄されにくいのが大きな問題です。特に皮膚のコラーゲン線維のように半分入れ替わるのに約15年もかかる組織だと、長期間とどまり続ける可能性があるんです。40歳を超えると年齢に比例してAGEsが増えるという研究もあるので注意して」と牧田さん。糖尿病の人では糖化が進みやすいことが分かっていますが「たるみやシワも糖化の指標」とのこと。
では、どうしたら糖化を防げるのでしょうか? AGEsを多く含む食品に気をつけるほかに「食後すぐ10分ほど歩くだけでも糖が使われ、食後の血糖値は上がりにくくなります」(牧田さん)。血糖値を上げにくい食事をすることも大切。
ちょっとしたコツで糖化は防げます。以下では、糖化を防ぐサプリメントと入浴法を紹介します。


■できてしまった/入れてしまった悪玉糖化物はサプリで排出
肌や骨に蓄積したら排出しにくいのがAGEs。できるだけ体の中にためないようにしたいものです。そのためには、野菜や昆布、キノコといった食物繊維が多い食材をとって腸からの吸収を妨げることが基本。また、吸収を阻害したり、糖化の邪魔をするサプリの摂取も有効です。
吸収阻害に役立つ成分には、母乳に含まれるラクトフェリンや高純度の炭などがあります。「炭の中には、食事に含まれるAGEsを97%吸着除去する特殊な炭があることを、実験で確認しました。食事に含まれるAGEs量の10%以上は体内に吸収されるようなので、このような成分や食物繊維などで排出を」と、金沢医科大学非常勤講師の樋口正人さん。


健常女性67人が高純度の炭を66mg含有する錠剤を1回3錠づつ1日3回摂取。摂取前と1カ月後の体内AGEs蓄積量を測定したところ、約7割の女性でAGEsの減少が見られた。また、肌の弾力性、保水量、シミの改善も確認した。(データ:金沢医科大学教授の友杉直久さんらによる)

糖尿病患者23人に、1日2回250mgのビタミンB6(ピリドキサミン)を、10人に偽薬を24週間投与。ビタミンB6群ではCMLという種類のAGEsが減少したが、偽薬群では増加した。この結果から、ビタミンB6の摂取によってAGEs減少が期待できることが分かった。(データ:Am J Nephrol;27,605-614,2007より作図)
体内で糖化を防いだり、できてしまったAGEsを処理するのに役立つ成分としては、大豆の渋み成分サポニン、ぶどうの種子などに多いレスベラトロールドクダミローマンカモミールといったハーブ、鶏ササミ肉に多く含まれるアミノ酸の一種カルノシン、豚肉やニンニクなどに多く米国では抗糖化作用の確認も進んでいるビタミンB6(右グラフ)などが。「ビタミン B1も有効なのでB6も含むB群コンプレックスがおすすめです」(牧田さん)。

■お風呂で体をしっかり温めて、たるみを防ぐたんぱく質をつくる
HSPには正常時に体内で新しいたんぱく質の合成を促す作用と、傷害などで異常化したものを修復したり分解する作用がある。HSPが多いとたんぱく質の新陳代謝が促されて、コラーゲンやエラスチンが正常な状態を維持しやすくなり、アンチエイジングと病気予防効果が期待できる

炭酸ガスを含有する大分県の長湯温泉で、糖尿病患者2人が15日間毎日、温泉に入った後に30分間の保温を行ってHSP量と血糖値の変化を計測した。その結果、HSP量がピークのときに血糖値が大きく低下。HSPの増加は血糖値を抑制する可能性があることが分かった(データ:愛知医科大学・伊藤要子さん提供)
熱というストレスが体にかかったときにつくりだされるのがヒートショックプロテインHSP)というたんぱく質です。これが、糖化した皮膚のコラーゲンを排出する一方、新しいコラーゲンを生み出し、新陳代謝のカギになるとして注目されています。

HSPを増やすのは簡単。40〜42℃くらいの温度で入浴する(マイルド加温)だけでいい(下ののHSP入浴法参照)。マイルド加温によってHSPが生じると、新しいコラーゲンの生成が活性化するとともに、酸化ストレスから体を守り老化スピードも遅らせます。また、たるみの一因は筋肉の衰え(筋萎縮)にありますが、マイルド加温はたんぱく質量を増やすことで、筋肉の減少も抑制します」と愛知医科大学医学部准教授の伊藤要子さん。

伊藤さんがすすめる入浴法によるHSPの増加は入浴後1〜2日目にピークを迎えます。「マイルド加温入浴の1〜2日後に体が元気になっていく感じがつかめたら、それがHSP増加のサイン。免疫力アップによる病気予防効果も期待できます。しかも、週に2、3回このような入浴をするだけでいい。この入浴法を活用して、老化や病気をくいとめてほしい」と伊藤さん。
ヒートショックプロテインを増やす入浴法(HSP入浴法)】

1.お風呂の湯温を測る温度計と舌下で測る体温計を用意
2.お風呂を42℃に沸かす
3.お風呂にふたを置き、湯温を下げないように
4.湯船に10分入る※(40℃のときは20分、41℃のときは15分。舌下に入れた体温計が38℃くらいになるのを目安に)
5.入浴後は体を冷やさないようにトレーナーやサウナスーツを着て10〜15分保温
6.入浴前後に300〜500mlの水分を補給
7.週2日この入浴法を行う
8.3〜4カ月後に効果が低下してきたら、1〜2週間中止してから再開
この人たちに聞きました

伊藤要子さん
愛知医科大学医学部泌尿器科准教授。名城大学薬学部薬学科卒、名古屋市立大学医学部で医学博士学位取得。著書に『加湿生活「ヒートショックプロテイン」があなたを健康
にする』(マガジンハウス)ほか。

牧田善二さん
AGE牧田クリニック院長。北海道大学医学部卒。日本糖尿病学会認定医専門医。2003年にクリニックを開設。著書に『糖尿病専門医にまかせなさい』(文藝春秋社)など。

井上浩義さん
慶應義塾大学医学部化学教室教授。九州大学大学院理学研究科博士課程修了。日本抗加齢医学会評議員生活習慣病の予防と治療を目的とした医薬品や機能性食品の開発を行う。

樋口正人さん
金沢医科大学 腎機能治療学 非常勤講師。千葉大学大学院理学研究科修了。中外製薬エリスロポエチン創薬研究に従事。2007年より現職。新しい抗糖化素材の研究開発に取り組む。
(ライター 東海左由留、川崎美津子)
[日経ヘルス プルミエ2011年春号の記事を基に再構成]