藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

嗜好の変化。

つくづく、ワインは頭で飲む酒類なのだと思う。
これは古物にせよ、評論や小説にせよ、絵画や彫刻、焼き物などに共通する要素である
つまり「一定の知識がないと成立しない世界」なのである。
お子ちゃまは入って来られない世界。
それが大人の世界である。
けれどこういう世界は、知れば知るほどハマる危険がある。
どんどんその道の持つ妖しい魅力に誘導され、もっと先へ、と追いかけたくなってしまう。
良いものを愉しむ、ということもまた結構大変なことなのだ。

最近二日酔いしないな、と思ったら「二日酔い状態が回復するまで」起きなくなっていることに気づく。
二十代は酔いが残りながらでも出勤していたのに。
自然、仕事のある日はアルコールを制限する体質になる。
年をとる、とはこういうことでもある。(淡)

昔はビールにせいぜい日本酒とか、ちょっと焼酎の種類がどうこうというくらいだったが、ワインとなると選択肢ががぜん広く、またお金も格段にかかる。
若いころ「安く酔える酒は何か」などと体力勝負の話をよくしていたが、もうそんな気力は全く湧いてこない。
限りある時間を、もっとも楽しく過ごせるワインは何だろう、などと考え、またどんな料理なら合うのかなどとも想像する。
それ自身がすでに愉しみの世界の始まりなのだが、こればかりは体系的に学ばないと「これはコクがあるね」とか「ちょっと酸っぱいね」とか「ブドウはなに? 」と同じ感想と質問を永遠に繰り返さねばならなくなる。

今年は欧州ワインだけでもマスターしたいと思う。