藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分なりの生き方。


日本の人口は過去最大の減り幅だという。
いよいよ本格的な「逆三角形の時代」ということだろう。
ぜひ、」人口が減る工業国」として、その国政のお手本を作っていきたいものである。

さて、日経マネーより。「20代のバラ色老後」。
見出しからしてすでに悲しい感じがするが、それは「二十代という最も溌溂としているべき年代に、すでに老後のリアルな暮らし向きを考えている要領のよさ、とか用心深さ」に対してのものである。
少々無鉄砲でも「そんなこと」に気を揉むことのなかった30年ほど前と違い、今や確実に「定年後の自分」については霧のかかった視界のように思う人も多いと思う。

さらに、七割近い人が「現在に満足する」としながらも、「長生きしたいとは思わない」と言う人(どういう意味かちょっと詳らかではないが)は40%になるという。
「あなたは長生きしたいですか?」という質問も聞き方としてはどうかとは思うが、若手があまり老後を明るく見ていないというのは、現代の特色だろうと思う。

今、年金や高齢者の保健、老後の個人資金の話などが話題に上ることが多いが、若いうちから、「あなたの60歳からは三千万円足りない」と呪文のように言われては、それはやる気も無くなるのも仕方ない。
それを言うなら、年金や所得税を中止してくれ、と言いたいがそれもできない相談だろう。

財務についての考え方

今の報道の論調を見ても、「いかに六十以降までにお金を貯めるか」「運用の最適な方法」というものが多い。
自分は、お金を貯めることも重要だが、「貯めたお金の使い道」や、「老後のライフスタイル」についてのことを考える方が重要ではないかと思っている。

六十歳以降、夫婦で必要なのは月に28万円で、年金でもらえるのは15万円。
ゆえに差額の13万円×12カ月×20年=3120万円が必要です。

そんな記事が多い。
では、六十歳までに自宅を確保し、さらに三千万円を血道をあげて貯蓄するのが、今の二十代へのアドバイスなのだろうか。
(つづく)

受け身ではやってこない 20代のバラ色老後
 ファイナンシャルプランナー 山崎俊輔
日本経済新聞 電子版
 20代と老後をすぐに結びつけて考えにくいが、定年後に余裕のある老後生活を送りたいのならば、20代以降の生き方が重要なカギを握る。将来不透明な時代を乗り切るために20代からできるマネープランの数々を紹介する。
 若い人に将来の見通しをたずねると、現在に対する満足度は7割近いものの、将来に対しては「同じくらい?」と考える人が65.4%、「悪くなりそう!」と考える人が11.5%いるそうです。明るい未来というのがなかなか想像しにくい時代になっているからでしょう(内閣府「 国民生活に関する世論調査」)。
 別の調査(日経産業地域研究所)で20〜40歳代の男女にたずねたところ、長生きしたいとは思わない人が40%にもなるそうです。年金不安、病気や介護の不安もあってか、長生きすることの不安が大きいことが伝わってきます。
 これは大きな時代の変化です。親の世代や祖父母の世代では「今日より明日がいい日になる」というのが基本的な考え方でした。「今日がんばれば明日はもっと豊かになれる」と思っていたわけです。そしてそれはおおむね実現してきました。しかし、これからはとにかくがんばればどんどん給料が上がるような単純な時代ではありません。そもそも明日の雇用が守られるのかさえ危うい世の中になっています。
 だとすれば、私たちは現代に合った、生き方、お金の使い方、お金の貯め方・増やし方、老後へ向けた準備を考えていく必要があります。私はよく「親のお金の常識は、子どものお金の非常識」と言うことがありますが、そのくらい世の中の変化は著しく、それに対応していくことが求められています。
 そして、特に若い世代にとって重要性が高まっているお金の課題は「老後の準備」です。
 いま定年を迎える世代でも、老後は20年を考えなければならないほど長生きをする時代になりました。また長生きの可能性も高まっています。9割以上の人が無事定年退職を迎え、おおむね4人に1人は90歳を迎えるまで長生きするのが今の時代なのです。
 もちろん、20代の人は医療のさらなる進展や、食習慣の改善や運動等による健康維持の取り組みにより、もっともっと長生きする可能性が高いでしょう。
 となれば、老後の経済的準備は一層大変な課題になります。国の年金に頼り切りでなんとかなる時代ではありませんから、しっかり自分で備える意識が必要です。
 しかし、あきらめる必要はありません。今からでもきちんと備えていく意識があれば、「長生きしたくない老後」を「バラ色の老後」に変えることができます。
 例えば、毎日カフェラテ1杯程度の節約ができると毎月1.2万円の運用原資を捻出できます。これを新卒時から定年退職まで積立投資をすると、年利3%でも1000万円作ることができる計算になります。
 目の前に1000万円という柱をひとつ作ることができれば、「長生きしたくない」なんて気分は吹き飛び、老後をどう楽しむか考えられるのではないでしょうか。
 自分で自分の将来を見据え、しっかり実行に踏み切ることができれば、普通に働く人は誰でも自分の将来を豊かなものとすることができるのです。自分で自分の老後を備えることが今の20歳代の新しい常識になってきたといえます。
 また、老後の準備についてお金の問題をクリアにしていくことは、目の前のお金の問題の整理にもつながってきます。住宅購入の資金繰りや結婚、子育て費用なども「老後の準備」という背骨がしっかりしているとすっきり整理できるようになるからです。
例えば、「高い家を買う前に老後の準備の重要性を知っておけばよかった」「もっと早く老後の準備の重要性が分かっていれば、もっと真剣に子どもの学費を貯めておいたのに」という人が増えています。
 「自分はまだ若いから老後のことなんて」と考えるのは、実は逆です。
 老後のことをしっかり考えることは、毎日のお金の問題をしっかり考えることでもあります。つまり、「バラ色老後づくりはバラ色人生につながる」わけです。
 これから、毎月1テーマを掲げて若い世代のための「バラ色老後の作りかた」を考えていきます。ぜひ一緒に考えていきましょう。
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ) 1972年生まれ。中央大学法律学法律学科卒。AFP、1級DCプランナー、消費生活アドバイザー企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。論文「個人の老後資産形成を実現可能とするための、退職給付制度の視点からの検討と提言」にて、第5回FP学会賞優秀論文賞を受賞。近著に『お金の知恵は45歳までに身につけなさい』(青春出版社)。twitterでも2年以上にわたり毎日「FPお金の知恵」を配信するなど、若い世代のためのマネープランに関する啓発にも取り組んでいる(@yam_syun)。ホームページはhttp://financialwisdom.jp