藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

実務のゴールを描く力。

ネット選挙、と騒がしいが別にインターネットや地デジのテレビ、スマートフォンWi-Fiを使ってリアルタイムに投票ができるわけではさらさらない。

もしそうなると投票率が90%とかに上がり、若手から年寄りまでがモロに"一票の手弾"を持つことになり、現在のような農業族の集合表とか、連合の支持政党、などといった図式がガラッと変わることになるはずだが、本人の認証などの問題もあり「ネット投票」はまだ当分実現しそうにない。

システム屋の立場から見て、今のマイナンバーなどの運用を見てからいずれは「国によるネットの個人認証方式」へと移行するというつもりだと思うが、ネット上の「一セッション」を個人の「一票」とするにはまだサイバー上のセキュリティの問題があり、しばらくは実現しないのではないかと思う。

となると、いまのネット選挙は「ネット選挙運動」であり、これまでの「マスコミの主導」とあまり変わらない。
今話題になっているのは政党や候補者からのメール送信とか、なりすましサイトなどへの対策ばかりであり、これは既存のペーパー選挙の延長の話ばかりである。

いきなり候補者の成り済ましサイトが現れれば、混乱はするだろうが、むしろ必要なのは、自由な公開討論の場を設定する、ということに尽きるのではないだろうか。

これまでもマスコミが主導してきた「公開討論」。
そして大手新聞社などがそれをまとめて「候補政党の比較検討」などを展開してきた。
これを、今の第三勢力なども含めて自由に比較し、「各政党の施策やマニフェストの違いを挙げ、比較検討する場」を作るのが、まずは"ネット選挙の第一フェーズ"であると思う。

いちいち細かい候補者レベルのメール送信のルールとか、成り済ましの対策とか、「いかがなものか」と騒ぐのお定まりのことだが、ネットと選挙という行為をいかに効果的に融合させ、「最終的に"政治の理想形"に持ってゆくのか」ということを見据えていかねば、瑣末なホームページの運用ルールの是非、に終始して着地点が見えなくなるだろう。

ネットはただの道具。
選挙というアプリケーションにいかに適用してゆくか、ということをリーダーが主導せねばならないのである。

SNS使い選挙運動、参院選から 法案が衆院通過
インターネットを使った選挙運動を解禁する公職選挙法改正案が12日の衆院本会議で全会一致で可決した。参院審議を経て早ければ今月中に成立する。夏の参院選からはウェブサイトのほか、ツイッターフェイスブックなどの交流サイト(SNS)を使った選挙運動が全面解禁される。具体的な運用指針の大枠も固まりつつある。
衆院を通過した改正案は、自民、公明、日本維新の会の3党案を修正した内容。与党・維新案は電子メールの送信について「なりすまし」や迷惑メールの横行を懸念して送信を候補者と政党に限定した。一般有権者への解禁を求める民主党みんなの党の主張に配慮し、付則に「次々回の国政選挙までに必要な措置を講じる」と明記した。
 与党などは今回の法改正に沿った運用の指針案(ガイドライン)をまとめた。実際に選挙運動をする場合に、候補者や有権者らが合法か違法かのグレーゾーンで悩まないよう具体例を「一問一答」で列挙している。
 例えば政党や候補者から受け取った投票を呼びかけるメールを有権者が転送することは「送信行為であり転送はできない」と明記した。
 ネット上での誹謗(ひぼう)中傷対策として専門業者を雇って「事実無根だ」と書き込ませる行為は「直ちに選挙運動に当たるとはいえず、買収(公選法違反)にはならない」とした。一方で独自政策のアピールを含む反論を依頼して費用を払う場合は「買収となるおそれが高い」と区別している。
 与野党は週明けの協議会で指針案に関する話し合いを始める。基本的な考え方の違いは小さいが、実際の選挙運動では陣営によって解釈にズレが生じる恐れもある。
 改正案の成立が確実となったことで、各陣営は参院選でのネットの活用に向けた準備を本格化させる。ただ初の取り組みとなるだけに「外向けの発信よりも中傷対策をどうするかで精いっぱい。見切り発車で臨むしかない」(参院議員)といった声があがっている。