藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

やはり継続は力だった。

島耕作がついに第一線を退くという。
漫画自身の連載ももう三十年近いというが、島耕作も入社以来43年になるという。
43年の社会人を30年かけて描写中という、なんともすごい作品で、何よりもリアリティのある展開というか、中国やEU新興国などの時流に合わせた話のテンポも人気の理由だろう。

バブル前の八十年代に「課長」という題名でスタートしたのが何とも印象的、今思えば「高度成長期の締めくくり」として、日本の華々しい、そして現場の最前線を統括する「課長」がタイトルだったのは、そもそも作者がそうした時代センスに優れていたからだと思う。

知り合いに聞くと、作者の弘兼さんは、小ざっぱりしたいかにも「元広告マン」といった感じらしいが、その実は"仕事の鬼"だそうで(細君も漫画作家だという)それこそ日常、ほとんど寝ないでマンが一筋の仕事人間なのだという。
画力だけでもない、情熱だけでもない、つくづく『才能×継続(努力)×発想』がきちんと掛け合わされると大きな結果が出るものだ、といかにも凡人な感想を持ってしまった。

漫画はまだ「会長島耕作」として続くそうだが、幸せに最期を迎える島さんの様子が今から目に浮かぶようである。
弘兼氏のことだから、今の高齢化社会の中で「一つの在り方」のようなものを表現するのではないだろうか。
最後まで楽しみな作品群なのである。

島耕作が社長退任 入社から43年、赤字で引責
【吉永岳央】週刊「モーニング」(講談社)で連載中の漫画「社長 島耕作」(弘兼憲史作)の主人公、島耕作(65)が18日発売号の中で、家電大手「テコット」の社長を退任した。入社から43年、経営のトップにまで上り詰めた「日本一有名なサラリーマン」がついに第一線を退いた。
 「島耕作」は、家電メーカーに勤める主人公を取り巻く国内外のビジネス動向や人間模様などを描く人気シリーズ。課長から部長、取締役へと昇進するたびに漫画タイトルも変わり、現在連載中の社長編の最終回で、会長に退いた。
 社長には2008年に就任。5年間にわたって会社を率いたが、最後は「2期連続の大幅赤字」の責任を取る形での辞任となった。
 講談社によると、8月29日発売号から新たに「会長 島耕作」がスタートするという。