藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

学歴フィルターて。

学歴フィルター、と聞くだけで「おいおい、人間を濾過すんのかい」と言いたくなるが、それにしても起業が求める人材も二十年前とは様変わりした感がある。

少子化・高齢化」というキーワードがすべてに影響しているのだと思うし、またこれからは中小企業にもグローバル化は、いよいよ浸透してゆくだろうから、その予兆もあるのではないだろうか。

学歴が「ある種の才能だけの指標」ではないか、と言われ続けてきたけれど、リアルに今の企業は「人材の多様化」を進めていると思うのである。

才能とは何だろう

自分は"才能"を大きな特色として「既存手法の拡大に必要な才能」と「新しいもの、未知のものを試みる才能」に分けて考えるようにしている

のだけれど、これらが「きれいな二色」に分かれていないから、なかなか難しいのである。

「既存のやり方に長けた人」はしばしば「新しいことにも目が行く」のだが、どうも「革新的なこと」を思いつく人は少ないのではないだろうか。
また、教えられたことをマニュアル通りにやれない人は、しばしば「半端もの」扱いされることが(特に大企業では)多いけれど、これは常々のものの考え方が「そういう風」になっているからであり、何らかのきっかけで、今まで誰も見ず、思いつかなかったものになることもある。

大体「小賢いやつ」ほど、既存の何かをこねくり回したり、未開拓のフィールドに「ただ当てはめただけ」だったりすることに長けていることに気づく。

新聞をにぎわす企業のニュービジネスや新製品の情報も、製造業のそれが圧倒的に魅力的で重厚なのは、そのために十分な試行錯誤がされている(つまり汗をかいた)ものだからである。
軽佻浮薄では人は感動しないものなのだ。
(つづく)

就活生に朗報? 「学歴フィルター」に異変あり
2013/11/27 7:00ニュースソース日本経済新聞 電子版
 初めての就職活動は分からないことだらけ。直接企業に質問しづらいことも多いし、口コミ情報がどこまで信用できるかも不安だ。そんな悩みを解決する「就活探偵団」。就活生の様々な疑問に答えるべく、あなたに代わって日経記者が企業に突撃取材します。
 就活戦線の訪れとともに、日経電子版「就活探偵団」が帰ってきました。今シーズン最初の疑問は「学歴フィルターによる選別はまだ厳しいのでしょうか?」
 アベノミクスによる景気回復で、新卒採用に意欲的な企業が増えているという。一方、下位校をふるい落とす「学歴フィルター」によって就活生を厳しく選別する企業もあると聞く。学生優位の「売り手市場」ならひょっとして学歴フィルターにも変化があるのではないか……。
■書類選考で通すのは「日東駒専以上」
 表向きは「学歴不問」をうたうが、ネットを通じた膨大な応募を効率的にさばくために実際は採用活動で学歴フィルターを導入している企業は少なくない。ある広告代理店は「最初の書類選考で通すのは日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修)以上」と明言する。MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)クラスの学生でさえ「ネット広告大手の説明会に慶応大生の友人と同時に申し込んだら自分だけ『満席』と表示された」(青山学院の4年生)と証言する。
 学歴フィルターが変化するとしたら、企業の採用意欲が高まることが前提だろう。売り手市場では今までと同じ厳しいフィルターで選別していると、企業は必要な人数を確保できないかもしれないからだ。
 2015年春の企業の採用意欲はどうなのか。就職人気ランキング上位企業を含む約30社に「15年春採用計画」を聞いたところ、「増やす」は8社。「減らす」と答えた企業はゼロだった。14年春に1065人を採用したみずほフィナンシャルグループは「足元の業績は好調なので少なくとも15年春は減らすことはない」。約800人を採用した大和ハウスは「まだ決めていないが増やす傾向」という。大林組も「前年並みか増える方向」。
 これなら期待が持てそうだ。探偵が手分けして大学に聞き取り調査をしてみると「学歴フィルター異変」ともいえる現象を発見した。
 「三大メガバンクのひとつがインターン募集に来た。こんなことは初めて」(都内の中位校)
 「これまでうちの卒業生を全く採用してくれなかった大手自動車メーカーから『学内説明会を開かせてほしい』と要望があった」(都内の私大)
 複数の大学の就職課担当者から、驚きの声が聞こえてきた。これは就活生にとって朗報ではないのか……。
 ところが、こうした動きとは全く逆のような気になる統計がある。人材コンサルティングのHRプロ(東京・千代田)が約400社を調査したところ、重点的に学内説明会などを開く「ターゲット校」を設定する企業は14年卒で52%と上昇。さらに15年卒は55%まで上がる見通しという。4年前の33%から一気に上がっている。採用活動に割く人材に限りがある企業は大学を絞って学内説明会を開き、その大学の学生を集中的に採用しようとするからだ。この数字を見る限り学歴フィルターはむしろ強まっているように映るが……。
 「ターゲット校を『設定する』と回答した企業は中堅クラス(300〜1000人)が一番多くて全体の57%。マンパワーに限りがある中堅企業はMARCHや日東駒専など採用実績のある大学に絞って採用活動をするケースが増えている」(主任研究員の松岡仁さん)。売り手市場での人材獲得を優位に進めるために「ターゲット校」を新規導入する中堅企業が増えているというのだ。
 再度、大学に聞いてみる。「学内説明会への応募企業が増え、1000社の枠に1500社の応募があった」(法政大)、「説明会を申し込む企業は昨年より増えている」(日大経済学部)――。確かにMARCH、日東駒専クラスをターゲット校に設定する企業が増えているようだ。ところが、もっと幅を広げて調べてみると「学内説明会をする企業は一昨年の380から今年は650に急増する」(帝京大)、「今年は学内説明会を断った企業もある」(拓殖大)など偏差値で日東駒専を下回る大学もターゲット校になっている現象がみられた。
■「フィルター下げドミノ」現象
 就職情報サイト「ジョブラス」を運営するアイデム(東京・新宿)の佐川好司さんは「売り手市場の傾向のせいか、学歴フィルターを下げる企業が増えているようだ。特に景気回復を受けて新卒採用を再開する企業は、採用実績のある大学とのつながりが切れているので、学歴フィルターを下げないと集まらない」と分析する。これまでMARCHでフィルターを設定していた企業は日東駒専へ、「日東駒専フィルター」の企業は大東亜帝国(大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘)へ設定し直すなど「フィルター下げドミノが起こっている」(佐川さん)という。
 中堅企業は例年以上に就活生に門を広げているのは確かなようだ。では、就活生の応募が殺到する人気企業はどうだろう。学歴フィルターを下げているのか。
 まずは人気企業の代名詞ともいえる電通に聞いてみると「地方での説明会を増やしている。地方の大学からよい人材を取りたい。同じような大学の出身者ばかりではだめだ」(真道哲哉人事局採用部長)。メガバンクはどうか。「大学名は関係ない。首都圏で学内説明会を開く回数を昨年の85から今年は100に増やし、いろんな大学に人材を求める」(みずほFGの朝日章吾グループ人事部採用チーム次長)。
 額面通りに受け止めると、学歴フィルターを下げるどころか、「初めからない」と言っているように聞こえる。本音はどこにあるのか。多くの人気企業を顧客に抱える採用代行会社に匿名を条件に聞いてみた。
 「確かに以前は『この大学以下は採らない』という大企業は多かった。だが、今は大学のランクと入社後の成果にはっきりした相関関係が見えなくなっている。もちろん上位校出身者に欲しい人材が現れる確率が高いので、説明会には上位校を優先するなどの差はつける。しかし、優良企業ほど中位・下位校から隠れた人材をとろうと努力している。説明会を開く大学の数を下位校にも広げ、上位校にいないタイプの優秀な学生を見つけようとしている。そういう人材は下位校出身者であっても複数の人気企業の内定を取り、会社に入ってから優れた成果をあげることがわかっている。厳選採用には変わりはない」
■下位校でも人気企業の内定とる人材の条件
 下位校出身者であっても人気企業が採りたいと思う人材とはどんな学生なのか。
「解禁」前でも就活イベントには多くの学生が集まる(11月23日、都内)
 「大東亜帝国クラスの大学だったが、目に止まった学生を採用した。家電量販店のバイトでテレビの販売台数がナンバーワン。クレーム対応が得意というコミュニケーション力が抜群の人材だった」(コニカミノルタ人事部の吉田一さん)
 「エントリーシートだけではわからない。表現は難しいが、修羅場を経験してきたかどうかで見る。そういう人材は大学に関係なく他社と取り合いになる」(大手損保の採用担当者)
 なかなかハードルが高そうだ。学歴フィルターに関係なく複数の人気企業から内定を取りまくった昨シーズンの就活生を捕まえて、逆境の就活を勝ち抜いたコツを聞いてみた。偏差値50台の大学ながら昨シーズン、化粧品大手、電機大手など人気企業4社から内定を得た成田晋一さん(仮名)は就活をどう戦ったのか。
 「緩い大学で刺激が少なかったので入学してすぐに学外で活動することにしました。企業がやっているCSR(企業の社会的責任)プログラムに参加したり、ビジネスコンテストに入賞したりしたこともありました。面接では周りが国公立、早慶ばかりということもありましたが、気になりませんでした。僕のように中堅クラスの大学なら社会人になる心構えを早くつけておいて、上位校の就活生よりアクティブでないと戦い抜けないと思う」
 中堅私大で電子部品のトップ企業や精密機器大手など7社の内定を得た日野一郎さん(仮名)はこう振り返る。
 「大学の自治会活動をやっていたので年上の人と話すことには慣れていたと思います。企業での面接を重ねることが自分にはすごく勉強になりました。実は自分の面接をこっそりスマホで録音して後から復習していました。人気企業の面接では周りから『なんでお前みたいな大学がいるんだ』という目で見られたけど、自分は負けていない自信がありました」
 2人に共通するのは高いコミュニケーション能力や実行力。ある意味、学歴よりも身につけるのは簡単ではないのかもしれない。人気企業は確かに様々な大学に門を開いているが、要求するハードルは高いのだ。
 学歴フィルターを下げる傾向もある中堅企業なら入りやすいのか。ところが、油断していると危うい。16年卒から導入される「就活後ろ倒し」をにらみ、内定を早めに出す傾向が強まっているというのだ。
■15年卒採用は短期決戦
 「16年卒採用は就活時期が3〜4カ月後ろ倒しになる。採用活動が短くなる分、獲得競争が激しくなるので、その前哨戦として今シーズンは内定を早出しする企業が増えるだろう」(人材コンサルタント)。ある精密機器の採用担当者は「16年卒採用の練習の意味で同業が今シーズン、早めに動く可能性がある。他社が動いたらうちもすぐ動く用意はしている」。あるジャスダック上場企業の担当者も「昨シーズンは5月の連休明けに内定を出していたが、今シーズンは3月には内々定を出すだろう」。いずれも短期決戦をにおわせる。
 ある大学の就職課の担当者は「今シーズンは就職浪人を絶対に勧めない。制度が変わると有利な点が何もないし、むしろ来シーズンはもっと競争が厳しくなるかもしれない。出足が遅い学生が心配だ」と漏らす。売り手市場だからといって気は抜けない。
■調査結果
 売り手市場で学歴フィルターは例年より緩い。しかし、短期決戦の傾向。