藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

人口維持の国是。

27日の閣議で「50年後に一億人の人口維持」が決定されたというニュース。
2020年までの数値目標が決まったという。
知らなかった。

50年後には多くの政治家はこの世にいない。
そんな先の目標を瞬息に決めてしまって、今の十代〜三十代は「オレは知らねえよ」と言わないだろうか。

企業経営で言えば「十年後も社員1,000人を維持する」とか言えば、途端に「どんな事業か」「今後の見込みは」とか「そもそも雇用ありきか、処遇ありきか、事業ありきか」とか色んな声が従業員、経営幹部、株主から噴出するはずである。

物を考える一つの軸として「国の人口のあり方」とか「産業別の今後」とか「地方都市の将来」をテーマにするのはいいが、「50年後に一億人程度の人口維持」にはどれほどの中身があるのだろうか。

さらには「東京圏への転入超過を解消し転入は6万人減、転出は4万人超、地方で30万人の第一次産業従事者を創出する」という。

国の事業計画としては???だらけだが、先の総選挙でも争点に上がっていた「人口減少トレンドに入った国」のビジョンを先に合意しないことには、次の世代に国の経営を受け継ぎようもない。

引き継ぎ相手に「私は聞いていません」と言われるのはビジネスの素人である。
国民が少子化そのものをどう捉えるか、についてまず議論が必要に違いない。
今の大人の都合は、次の世代には関係ないのである。

人口1億人維持へのビジョンと戦略、正式決定
2014年12月27日

政府は27日の臨時閣議で、地方創生の方針や人口減対策を盛り込んだ「長期ビジョン」と、2020年までの数値目標を示した「総合戦略」を正式決定した。
目標とする「50年後に1億人程度の人口維持」実現に向け、国と地方の取り組みが本格的に動き出す。
 総合戦略は「東京圏への転入超過を解消する」ことを当面の目標に、地方への企業移転を促す税制優遇、農林水産業の成長産業化などにより地方で若者の雇用を30万人創出するとした。東京圏転入を13年比で年6万人減少させ、転出を4万人増やすことも目指す。
 長期ビジョンでは、若い世代が希望通りに結婚・出産できれば、合計特殊出生率(13年は1・43)は1・8程度に上昇するとした。30〜40年頃に人口が一定となる「人口置換水準」の2・07まで出生率を回復させれば、60年には1億人程度の人口を維持できるとした。