藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

今からは中小を。

例年、7月を機に就職相談が増える。
そろそろ進路を本格的に決めねばならない、という大学生、院生のプレッシャーが強まるのだろう。
先日書いた就職相談のエントリーにいくらか反響があり、未だにコメントをもらっている。

自分が何に向いているか分からない。
自分の将来像が見えない。
自分には夢がない。
結婚は必要だろうか。
子供や老いる親のことはどうすべきか。

結局はこういうテーマに唯一の回答、というのはないのだけれど、そんなこと一般論では分かっていても、こと"我がこと"となれば、人はみんな悩むものである。

結局就職とか転職とか、何かの「きっかけ」で一生懸命働く気になれば、およそどんな職についてもモノになる
、というのが本当のところだと思うがそれでは大したアドバイスになっていないだろう。

毎年メディアが人気企業ランキングというのを発表して、大手商社やJTBとか航空会社が必ず上位を占めているけれど(自分の時、二十五年前もまったく同じだった)、中小、中堅企業に進んで目を向けるのはどうだろうか。

大手企業が「突然死」したりまた恐竜病に罹って弱っていくのは特に最近目の当たりにする現実である。
大企業=潰れない、という図式が当てにならないのなら、中小企業の将来性とか、経営者の資質とかに注目して会社選びをするのは有効だと思うのである。

実際、新卒採用に応募する学生さんのほとんどはさほど企業の研究もしていないし、業界についても理解が浅い。

製造業とか流通とかサービスとか、何か自分の興味の向く業界を二三、選んで例えば「業界紙」の類を少し読んでみるだけでもずい分理解が進むものである。
不動産とか小売とかメーカーについて、今一つ掘り下げて研究できれば自分の仕事選びも濃いものになってくるし、また相手企業の採用担当者が抱く印象も違ったものになるはずだ。

二十歳そこそこでどれだけの能力があるか、ということよりどれだけ熱心に仕事のことを考えているかということの方が社員の選考には重大だと思う。

応募する側としては自分を選んでもらうのではなく、自分を売り込むストーリーを考えて会社の門をたたく方がずっといい。
そうやって改めて考えてみると、自分の職業観などもふわふわすることなくはっきりしてきたりするだろう。
自分って何に夢中になれるのか?を考えてみたい。