藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

会話にリアルに寄り添う。

[:large]
JRがオペレータと客との会話をAIで分析し、仕事の補助に利用する計画だという。
AIが直接単独で人間と「業務を完結」というのはハードルがまだ高いが、人間の補助としてならすぐにでも効果がありそうだ。

特に業務が特定されていれば、使う用語や分野も絞りやすいし、コンピューターやネットには「うってつけの役どころ」かもしれない。

自分たちの日常会話でもそうだが、会話の最中に「調べたり探したりしたいもの」はとても多い。
会議をしていても、遊びの予定を考えていても「すぐに知りたいことが分かれば、すごく進む」ということは多いものだ。

飛躍して考えれば、そのうち会議の最中に「もっと視点を若年層に向けてはどうですか?」とか「論点と主張と反証がズレてきています」とかいうことをAIがジャッジする日もそう遠くなさそうだが、まずは「会話の流れで知りたいことが、瞬時に分かる」というだけで今より1レベル上の利便性が得られると思う。

そう思えば、普段の会話って「自分がはっきり知らないこと」にはあまり触れなかったりするから、知らないうちに偏っていないだろうか。
いちいち入力して調べるのじゃなく、会話に寄り添ってくれるアシスタントがいれば重宝するに違いない。

JR東、AIで客の声分析 迅速な案内可能に

 東日本旅客鉄道JR東日本)は「お客の声」を人工知能(AI)で分析するシステムを開発する。コールセンターに寄せられる質問内容を理解して適切な回答を作成したり、インターネット経由で寄せられる大量の意見や要望を要約・分類したりする。顧客からの問い合わせに素早く答えられるようにするなど、サービス向上につなげる。

 JR東日本はこのほど、AIの研究開発を進める部署横断チーム「IoT×AIタスクフォース」を設けた。関連技術を持つベンチャー企業を支援する「リアルテックファンド」に出資。AIに必要なセンサーを研究開発する団体「スーパーセンシングフォーラム」に参加するなど、社外のネットワークも活用する。

 まず今秋、東京都内の「JR東日本お問い合わせセンター」でオペレーターを支援する実証実験を始める。電話でのやりとりを自動的に文字データに変換したうえで、質問内容を分析し、オペレーター向けに回答を作成する。質問を受けたオペレーターがパソコンなどで運賃や特急の指定席の空き状況などを検索する手間が省け、迅速に案内できるようになる。

 実証実験では複数の回答候補をパソコンの画面に示し、オペレーターがどの回答を選んだかをAIが学習する。鉄道に多い専門用語や略語、愛称、新語なども自ら学び、データベースに蓄積。より適当な回答ができるようにする。将来は駅でロボットが利用客の質問に自動的に答えるといったことも視野に入れる。

 インターネットやメールで寄せられる意見や苦情の内容を要約し、テーマごとに分類するシステムの開発にも着手した。AIが時候のあいさつや文章の繰り返し部分などを判断することで、内容の把握に必要な部分だけを抽出。全文を読まなくても、どんな要望が寄せられているのか分かるようにする。

 現在は年50万件を超える意見や苦情を、本社や支社の担当者が読んでいる。要約や分類が自動的にできれば、駅や車両のサービス改善に向け、より多くの時間を使えるようになる。18年度までに試作システムを完成させて実証実験を始める。

 同社がAIの研究開発を推進する背景には、ベテラン社員が退職した後の技術継承への危機感がある。1987年の民営化前後の採用抑制や人員整理により、若手とベテランをつなぐ40歳代の社員が少ない。車両や設備などのトラブル発生時に想定される原因を提示するシステムの開発も進めるなど、幅広い業務でAIを活用していく方針だ。