藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

時と共にまったく変わる。

16億から61億へ。
1900年からの百年で人口は4倍になったという。
そんな爆発的現象も落ち着きを見せているという。
2100年には112億人をピークに減るだろうとのことだが、それにしても「初めての経験」に違いない。

産業革命もあり、医学も進歩し、ネット社会になり、人口は増え、政治も今までとは違い…すべてが初めてシリーズだ。
だから過去に答えを探そうとしてもない。
今持っている知識だけで予想しようとしても、予想外のことが起きて外れたり。

今話題のTPPとかでも、あと数十年もすれば、世界中で国境の関係なく食料は生産され、世界的にバランスをとって供給される時代が来るかもしれない。
そうなったら「TPPとか言ってたねぇ」ということになるだろう。
今の常識は常識でなくなる、というか「愚かなこだわり」になっていることを覚悟した方が良さそうだ。

逆に案外ヌルいような気がする環境問題への取り決めとか、原発のこととかが、将来は本当に重要な問題になっているかもしれない。
本当に重要なこと、を考える目を持ちたいと思う。

農業の効率化と地方創生(2)
世界の人口増加率は急低下

東京大学准教授 川島博之

2016/10/3付

 世界が食料危機に見舞われても、国内で作っていれば安心だから、食料は自給すべきというのが戦後日本農政の一貫した目標です。

 食料自給率を向上させるには、飼料用も含めて穀物を大量生産する必要があります。しかし、国土が狭い日本で穀物を効率的に作ることは難しい。そして世界を見渡すと穀物は安い。安いものを作ってももうからない。自給率向上の目標はもうかる農業を育てる上で足かせになっています。

 そもそも世界は21世紀に食料危機に陥るのでしょうか。食料危機に陥ることがなければ、自給率を向上させる必要はありません。

 人口と食料の間には深い関係があります。人口が増えればより多くの食料が必要になりますが、減るのなら、食料確保について多くの心配は不要になります。

 20世紀は人口が爆発的に増えた時代でした。1900年の世界人口は16億人。2000年には61億人になりました。100年で約4倍です。こうした状況が続けば、世界は食料危機に陥ると誰もが思いました。

 しかし、状況は様変わりしました。世界中で出生率が急低下したからです。日本は人口が減少し始めました。中国の人口も20年代末には減少に転じます。インドの人口は22年ごろに中国を抜いて世界一になりますが、インドでも増加率は急低下しています。

 今も人口が急増しているのはアフリカだけです。15年のアフリカの人口は12億人です。50年には24億人になりますが、その頃には増加率は大きく低下します。その結果、世界の人口は50年の97億人から、2100年に112億人に増える程度で、これを下回る可能性も高いとみられます。

 人口爆発の時代でも、人類は1人当たりの食料供給量を増やしてきました。国連食糧農業機関(FAO)によると、1人当たりの穀物供給量は1961年の128キログラムから2001年には149キログラムに増え、食肉の供給量は23キログラムから37キログラムに増えています。

 人口急増の時代でも食料は人口を上回って増えていました。この事実を知れば、人口増加率が急低下する21世紀において、世界食料危機を心配する必要はないと考えられます。