藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

時代が変わるのはいつか。

人はおよそ100年ほど生きる中で、「自分が生きてきた時代」をどう解釈するかというのは大切なテーマだと思う。
自分が社会人になった時にはIBMが全盛で、それを疑う人はいなかった。

重要なのは、時代が流れ、その潮目をどこまで感じる感性があるか、ということだろうか。

既得権益というほどではなくとも「体制側」にポジションを取る人は多いものだ。
さて、今これからの時代に自分たちはどこに注目するのだろうか。

面白い時代だと思うのだけれど。

青ざめるIBM バフェット氏の株売却に重い意味

 【ニューヨーク=稲井創一】米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が保有するIBM株のうち約30%を売却したことが明らかになった。約6年間IBM株を保有してきたバフェット氏だが、20四半期連続減収などのさえない業績にしびれを切らした格好だ。IBMにとっては一投資家の株売却にとどまらない重い意味を持ちそうだ。

 「6年前と同じようにIBMを評価できなくなった。やや下向きに再評価した」。バフェット氏は4日夜、米CNBCテレビでIBMの2400万〜2500万株を最近売却したと明らかにした。

 売却はバフェット氏のIBM投資が転機を迎えたことを示す。同氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは2011年7〜9月期にIBMを購入し、途中買い増して16年12月31日時点で8123万株(8.65%)を保有していた。

 しかし、バフェット氏が投資を始めた翌年の12年4〜6月期からIBMは減収街道を歩み始める。それでも、バフェット氏は「ジニー(バージニア・ロメッティ最高経営責任者の愛称)はよくやっている」と事あるごとに評価していた。

 ロメッティ氏は改革を急ぐと同時に、就任以来、15年までの4年間で合計440億ドル(約4兆8000億円)を自社株買いに投じ、株主還元策でもバフェット氏の期待に応えようと懸命だった。

 改革の成果をなかなか出せないロメッティ氏にとって、個人投資家などへの影響力が大きいバフェット氏は株式市場における「後ろ盾」ともいえる存在だった。

 実際、米投資業界では「バフェット氏が持っているだけでIBM株は7%割り増しに評価されていた」(バータス・インベストメント・パートナーズのジョー・テラノバ氏)との声があり、5日のIBM株はバフェット氏の株売却報道を受け前日比2.5%安となった。

 バフェット氏はCNBCで、数週間前にロメッティ氏から株保有動向について問い合わせを受けたことも明らかにした。「株を売るという噂を聞きつけ電話をかけてきたようだ」(バフット氏)。ロメッティ氏がいかにバフェット氏の動向に神経を使っていたかがわかる。

 バフェット氏は今回、IBM株の保有株数削減の理由に「競争環境の変化」を挙げた。安価にIT(情報技術)利用環境を構築できるクラウドが米アマゾン・ドット・コムにけん引される格好で急速に普及している。一方、IBMのサーバーやコンサルティングサービスは不要になりつつある。人工知能(AI)「ワトソン」は好調だが、IBMが主力としてきた従来型のITサービスの減少に歯止めがかからない。

 IBMの主要な競合相手はかつてのヒューレット・パッカード(HP)やオラクルから、アマゾンやグーグルに代わった。バフェット氏の指摘はIBMが直面する問題の本質でもある。

 米国では、業績と同時に株価も堅調でないと上場企業のトップは求心力が高まらないとされる。今回のバフェット氏の株売却で、ロメッティ氏には業績改善が待ったなしとなりそうだ。