藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

質問の意図。

先日一身にして三生を生きるという話を書いたら、結構若い人から反応があった。
輪廻転生よろしく、一人で三回の人生ができればなかなか濃密なものにもできそうだ。
それはともかく。

学生さんの就職相談をしていて。
究極の質問を思いついた。

「もし生まれ変わっても、今の職業についていますか?」とOBに問うて見る。
これ、投信とか不動産を売る営業マンにも同じこと。
「あなただったら買いますか?」だ。

さらには酒場でしばしば血液型と同じくらい話題になる「生まれ変わったら男か女かそれ以外になりたいか?」
というやつに通じる。

もともとしかし。
この問いのおかしなところは「今の記憶を残したまま次の生を受けるのか」という矛盾をはらんでいる。
もし記憶がリセットされるのなら、どちらに生まれようとも「初めての人生」だから、あまり議論する意味はない。
もし記憶がそのままなら、生まれ変わったばかりのくせに「妙に何でも知っている、ジジババ的な子ども」が誕生するわけで、これもあまり面白くない。

「生まれ変わって(男女)どちらになりたい?」という設問は、つまり「今の性差とか、ジェンダーについてどう思いますか?」という価値観を問うものだろう。
そのための格好の投げかけなのだ。
(つづく)