藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

これまでとこれから。

サウジが9.11のテロに深く関わっていた、というのはどうも本当らしいが、ああした大事件を目の当たりにしていても、真実というのは皆目わからないものだ、とつくづく思う。

先日、旧友に「お前、昔からIT業界にいていったい何しててん?」と聞かれて素直に落ち込んだ。
パソ通」を経て「インターネット前」から2018年の現在まで、確かに自分はそこにいたのだが、全くもって時代の流れは見えなかった。

今も同じことだろうと思う。
それはともかく。
自分や多くの経営者が「時代を読む」とか「経済を読む」というのが、"からきしダメ"なのと同様に。

「国の統治」というのも、自分の知る限り50年でどうにも進んでいないと思う。
むしろ企業経営よりも迷走しているのではないだろうか。
産業革命とか経済の発展とかの影響をモロに受けるせいもあると思うが。

一党独裁専制支配、二大政党制、立憲主義
民主主義、資本主義、社会主義共産主義

資本主義の中だけでも、数え切れないほどのルールや規制があって、追いきれない。

これから21世紀が進む中で、自分たちの国とか経済は一体どのように変わってゆくのだろうか。

若い人には是非そんな俯瞰した目でこれからのことに思いを馳せてもらいたいと思う。
自分も遅ればせながらやってみます。

サウジアラムコ 米同時テロの影、誤算に 上場断念、遺族の賠償請求リスク拭えず
サウジアラビアが「脱石油」の国家改革の目玉と考えていた国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が事実上の断念に追い込まれた。世界の民営化史上で最も大きい案件とされ、ニューヨークやロンドン、香港、東京などの取引所が激しい誘致競争を繰り広げていたはず。上場を主導した実力者ムハンマド皇太子の誤算はどこにあったのか。

「2兆ドルの企業価値」に市場の疑問符がついた(サウジ東部の油田地帯にあるアラムコの施設)=ロイター

皇太子はアラムコの市場価値は「2兆ドル(220兆円)」と訴えてきたが、市場ではこれを「過大評価」とみる向きが増えた。原油価格がピークから大きく下がったことやアラムコの情報開示の不足などが背景だが、もっと大きな理由がある。

今年春、皇太子として初の外遊で英米を訪れたムハンマド王子は、各地で有力政治家や企業経営者や投資家から「改革の旗手」として熱烈な歓迎を受けた。だが、ホスト国政府や企業が用意した巨大な歓迎のサインボードによって皇太子の視界から巧みに隠されたものがあった。市民や活動家による激しい反サウジのデモだ。

実行犯の出身国

トランプ米大統領とサウジ王室の親密な関係をみれば、両国の蜜月は疑いようがない。だが、そこには、オバマ政権時代に成立した「テロ支援者制裁法(JASTA法)」がとげのように突き刺さっている。

同法律は2001年の米同時テロをめぐって、遺族らがサウジ政府への損害賠償を請求できる道を開いた。テロでは実行犯19人のうち15人がサウジ人だった。遺族らは、サウジ政府が関与した慈善団体の寄付が国際テロ組織アルカイダの資金となったと考えている。

テロで死亡した850人の遺族と1500人以上の負傷者が手続きに着手したサウジへの請求額は1000億ドルに達するとの報道もある。弁護団は、IPOで米に上陸するアラムコ株を、格好の標的と待ち構えていた。

強引に株を公開すれば、訴訟リスクによって上場価格が割り引かれるのは確実だ。5%の部分上場では、これが企業価値全体に響く。

リスクを回避するため米抜きでIPO計画を進める手もあった。だが、「世界最大のニューヨーク抜きで、これほどの巨大なIPOを進めることは難しい」と、助言役の金融機関はサウジ側に伝えていた。

米国内では、イエメン内戦をめぐる対サウジ不信も膨らむ。イスラムシーア派武装勢力「フーシ」との戦いでは、サウジの航空機による誤爆で民間人の犠牲が広がり、深刻な人道危機を招いている。米国や英国の議会には、サウジへの武器供与への反対論が根強い。

強硬姿勢に懸念

サウジは今後、IPOではなく銀行からの借り入れによって資金を調達し、改革路線を進めていくとみられる。トランプ政権との親密な関係がいつまでも続く保証はない。長い道のりの改革を成功させるには内外投資家の信頼回復が重要であることは変わらない。

カタールへの一方的な断交など、皇太子の強硬な外交姿勢には懸念が広がる。政敵や人権活動家の拘束は、サウジの言論社会をいっそう窮屈にした。石油にたよらない経済を実現し、穏健で開かれたイスラム国家にしようとする皇太子の改革が失敗すれば、損害は世界に広がる。

昨年、首都リヤドの国際会議に招かれたローレンス・サマーズ元米財務長官は、改革について、いくつか助言を伝えていた。第1は自身の強みを伸ばすこと。弱点を補うより得意分野を強化するよう促した。第2は後発の利を生かすこと。19世紀終わりのドイツの発展が参考になると述べた。

皇太子はこれを聞き入れ、アラムコの石化事業進出の加速を指示するとともに、人工知能(AI)や自動運転、再生可能エネルギーの導入に国民があぜんとするほどの勢いで突き進んだ。重要なのは第3の助言だ。サマーズ氏はトップダウンでなく、広く市民や国際社会の声に耳を傾けた包括的な改革が重要だと訴えていた。

だが、未来都市の建設など自身が進める巨大事業に比べ、国民の政治参加や言論の自由拡大に皇太子が熱心なようにはみえない。

(ドバイ=岐部秀光)