藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

データの世界と自分の仕事。

インターネットでビジネス取引が加速する、とだけ思っていた自分はやはり凡人だった。

そうなった世界では「データそのもの」こそが価値を持つのだということには気がつかなかった。

なんたる体たらくか。

Googleは2006年にyoutubeを2000億円で買収したが、それが「画像データの材料入手」だったとしたら先見の明というほかない。
Googlefacebookも、ツイッターもアマゾンもみんな「データ収集」の媒体になってしまった。

記事中にあるように、アマゾンゴーで340万人の全米の「レジ打ち職」が消滅するどころではない。

ホワイトカラーの人こそは、「これから自分の生きる領域」をどこかに考えなければ死滅しそうだ。

「まあ、せいぜいAI程度だな」と自分の仕事が判定されない人はどれほどいるだろうか。
AI程度の料理しか作れない料理人がどれほどいるだろうか。

こうした「汎用化の波」は思ったより早く、急激にやってくる予感がする。
自分のオリジナリティと、今後の「データ社会」についてどこまで想像する力があるかが勝負だと思う。

「そもそも自分のもちあじってなに?」という問いをもたらしてくれた時代には感謝すべきかもしれないと思う。

ぐっちーさん「日本人もGAFAで大量失業する」

 足踏みしましたが、わが広島カープがついにセリーグ3連覇を達成いたしました。広島で決めたのはなんと27年ぶり、マツダスタジアムでは初めて、であります。

広島の皆さま、本当に良かったですね。これだけ人々の生活の中に野球チームが溶け込んでいるのは日本全国で広島だけです。まさに市民球団です。これは広島の何にもまさる財産ですね。

市民みんなで作り上げたものですから大いに自慢されたらいいと思いますよ。次は日本一!! ですね。

■リーマンのような金融危機は起きようがない

さて、私の順番が回ってくるまで、ちょうど「リーマンショック後10年」ということで、もうそろそろ危機がくる、という「景気循環説」という何の科学的根拠もないことを書く連中が、某大手メディアを中心にわらわらと出てきました。

朝日新聞出版の「アエラ」では毎週連載があるので3週間にわたり、それがいかに根拠の乏しい話かということを書きましたが、本稿ではより詳しく触れたいと思います。

 「アエラ」やメルマガでは「リーマンのような金融危機の芽なんて、どこにもない」とデータも示しましたし、こちらでも何回か書いています。

つまり、何が言いたいかというと、レバレッジが効いていない今の金融システムは危機に陥るようなものでもないし、規模もずっと小さくなっており、もうウォールストリートの時代は終わっているのです。

一方、こんなデータも載せており、こちらでもご紹介しておきます。

リーマンショックよりも前の2006年のアメリカ企業の時価総額ベスト5と、2017年の同ベスト5を並べて見たものです。

 2006年のベスト5は以下です。

1. エクソンモービル
2. GE
3. マイクロソフト
4. シティグループ
5. バンクオブアメリカ
 では2017年はどうなったでしょうか。

1. アップル
2. アルファベット(グーグル)
3. マイクロソフト
4. アマゾン
5. フェイスブック
 となっています。2018年になるとアマゾンがマイクロソフトを抜いており、ご存じのとおり、首位のアップルの時価総額はすでに1兆ドルを突破。アマゾンも一時1兆ドルに乗せましたし、アルファベットも8000億ドル台で、「もう一息」です。なお直近の5位はバークシャー・ハサウェイです。

■「ニュートップ5」の集める富と情報量が「半端ない」

この違いを見れば、もうリーマンショックのような金融危機が起きようがないことは一目瞭然です。ウォールストリートの会社が今から潰れても、最早ベスト5に1社もいませんし、最も順位の高いJPモルガンでも時価総額で見ればフェイスブックよりもすでに小さい。レバレッジ不在も含めて、金融危機自体が起きない時代になっている、ということです。

では、問題はないのでしょうか。結論から言うと、問題はそんなところにはないのです。強いて言うならばこの「ニュートップ5」の連中の集める富と情報量が途方もなく大きくなり、危機どころではなく、「もはや革命が起きかねないところまできている」という、社会構造の根本的な変化が起きているということです。

 たとえば……10年前のアメリカトップ5の企業で、実際日本の皆さんの生活に関連があったのは恐らくマイクロソフトだけでしょう。ここはワード、エクセルなどで今でもおなじみですね。

しかし、その他のメンバー、エクソンモービル、ましてやGE、シティ、JPモルガン、バンカメなどすべてが、日本人の生活にかかわっていたことはごくまれでしょう。シティに個人口座をお持ちだったり、ガソリンスタンドでお世話になったという方はいたかもしれませんが、シティはすでに日本からは撤退しましたし、GEと取引していた、という人は少ないでしょう(ましてや、GEの電化製品を使っていたなんて人もほとんどいないでしょう)。

■そら恐ろしい速さで拡大するアメリカの巨大IT企業

しかし、今の「トップ5」を見て、戦慄を覚えなかったら、あなたは病気です……とまで言い切っていい。

日本人の多くが、つまりこれを読んでいる皆さんの多くがiPhone をファッション代わりに持ち歩き、グーグルで検索し、アマゾンで買い物し、FBでつながりまくっている……。これらの会社の存在なしで生活できる、と言える日本人は皆無でしょう。

つまり、彼らのうち、だれか1人の経営者がろくでもないことをたくらんだりしてしまうと、皆さんの生活そのものが影響を受けたり、下手をすると吹っ飛びます。それは危機、というより、もう震災に近い話でしょう。そしてそれは日々現実のものになりつつある。なぜならその迫りくるスピードは皆さんの予測を超えてはるかに速い。


 面白い数字をご紹介していきます。

5000万人のユーザーを獲得するのに、

電話75年
テレビ13年(これは5000万世帯)
インターネット4年
 とインターネットの普及スピードは格段に速くなっていました。
しかし、今や、けた違いの10億人のユーザーを獲得するのにでさえ

マイクロソフト22年
Gmail 10年
FB9年
 しか、かかっていません。

まさにすさまじいスピードで新しい技術が普及するわけです。さらに数のそのすごさは

中国人14億人
カトリック教徒13億人
サッカーファン35億人(ただしこれには150年を要した)
FBユーザー20億人(20年)
 もう比較にならない規模とスピードで拡大しており、われわれの生活を巻き込んでいる。今やアメリカ成人男性の67%が毎日何らかの形でFBに参加していると言われており、日本人も似たようなものでしょう。

■もはや「単なる巨大IT企業」では片づけられない

そして、これらの企業に共通している点が1つあります。

 彼らの資源は無料で入る皆さんの個人情報です。つまり原材料費はタダ同然。

FB20億人のユーザーは誰に頼まれたわけでもなく、喜んで自分のプライベートをFBにタダで売り渡しています。中には子供の写真まで喜んで載せちゃっている人まで世界中にはたくさんいます。彼らはこれを使い、AI(人工知能)を使ってターゲット広告を打って大儲けをしていますから、原価タダ、と言っていい。

皆さんは喜々としてFBにプライベートをさらし、「いいね!」ボタンを平気で押しているでしょうが、この分野の専門家(心理計量学と言う)であるマイケル・コジンスキー博士(スタンフォード大学)の研究によれば、あなたがFBで68回いいね、を押しただけで95%の確率でその人の国籍を当てられ、さらに90%の確率でその人の性的志向まで当てられる、というのです。

 もっと言うと150回の「いいね!」ボタンを押すとAIは配偶者よりその本人を理解することができ、300回に達すると本人も気が付いていないような性格やどのような嗜好かを当てられる、というのですから、これはもう笑っている場合ではありません。

実際にケンブリッジ・アナリティカ社はこの手法を使ってブレグジット(イギリスのEU離脱)の投票捜査をしたことが暴露されていますし、アメリカのドナルド・トランプ大統領の選挙にも関与した、と言われています(コジンスキー博士は自らの関与は否定したが、勧誘された事実は認めた)。



 これはあくまでも一例ですが、こんな会社がこの10年間に生まれてしまっているわけです。もはや、単なるIT企業ではなくすべての情報をコントロールする巨大な秘密結社のような会社で、われわれの生活に対するその影響は計りしれない。その結果、もはや人間がやる仕事はほとんどないのです。しかもそのスピードは皆さんの想像よりもはるかに速い。

実際、アマゾンはどんどん無人化を進めていますし、アマゾンゴー(商品を取ってレジを通らずそのまま商品をもって出てくれば課金されるレジ無しコンビニ)が出てきた今、全米にいる340万人のレジ係(全米労働者の2.6%とも言われる)は間違いなく職を失うでしょう。

 ここの読者はそうでないことを願いますが、多くの日本人サラリーマンは同様にFB、アマゾンなどによって職を失うことになります。リンクトインなどで、グローバルな人材市場で優秀と評価されれば、恐らく何億円なんて給料は、どうってことのない水準だと思います(現在でもそうですから)。そしてその選別は恐ろしいことにAIがやっている。

一方で、「まあ、せいぜいAI程度だな」、と判定されたらそれはもう、何百万人という世界の同レベルの労働者が競合相手になることを意味しています。もはや日本人同士の戦いではすみません。彼らと職を奪い合えば給料が上がることは期待できないでしょう。事実、われわれが雇っているエンジニアの短期アルバイト(大卒、英語も堪能)はインド人で時給500円程度です。

 これはもう「リーマン危機の再来」とか言っているレベルではないのです。とんでもない「災害」前夜にいて、それは大地震と違ってかなりの確率で予測できるのです。

実はこのあたりをしっかり解説している本、『the four GAFA』の翻訳がついに出版されました。さすが東洋経済新報社さんであります。『SHOE DOG』(シュードッグ)、新井紀子先生の『AI VS.教科書が読めない子どもたち』に続いて、最近絶好調ですね。


 もちろん、このGAFA本も全米ベストセラー。著者のスコット・ギャロウェイはアントレプレナーの大物で、ワタクシも大変お世話になっている人物です。ここに書かれていることはある意味ホラーに見えるかもしれませんが、これが現実なのです。お早めにぜひご一読を。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。