藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

価値観は表うら。

IT業界に入ったばかりの30年前のこと。
オフィスにはワープロが入りだした頃でまだ「仕事とパソコンの関係」はなかった。
数年してワープロだけでなく表計算ソフトやデータベースソフトが登場して、ついにウィンドウズが発表されて火がついたのだ。

その頃、初めてパソコンを触りだした自分は「インストールも時間がかかるし、いちいち設定も必要だし、エラーは起きるし、クラッシュはするし…」
なんて不便な製品なんだろう、と呆れていた。

そんな自分に技術者の先輩は「いやーこんな便利な箱、見たことないわ。まるで魔法のようやなー」と言い放ったのだった。

OSがあって、その上になんでもソフトを乗せて動かすパソコンは、確かにこれまでにはない「夢の装置」だったのだ。
目からウロコの出来事だった。
それからあっという間に30年。

今はその夢の装置は手のひらサイズになって、何より世界中と通信できる道具になっている。
スマホで何かイライラを感じた時には、先の先輩の言葉を思い出し、「こんな便利な道具を、さてどんなことに使おうか」と考え直すことにしている。