藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

イノベーションの方法(2)

*[次の世代に]経営者の問題。
日経産業より。
ネスレの高岡社長と早稲田の入山教授の対談から。
高岡氏 (戦後は)人口増でマーケットが増え、勤勉な労働者が安い賃金でいい品質のものを作った。これが現実です。
成長するから誰でも経営できた。順送りでトップに就けるように社長の任期も短くなり、短い分、会長、相談役ができて、長く皆で恩恵にあずかれるようになった。全部ひっくるめて日本株式会社モデル。これをまず理解しないと。

 確かに高度成長期の日本を一言で言ってしまうとこうなる。

日本的経営とか、品質とか言うが結構「後付けの理論」でいってしまえばあまり練られた仕組みとは言えない。

「日本は社員がモーレツに働いてきたから成長してきたのであって、経営手腕によるものではない。」「だから今の働き方改革も、僕に言わせればやればやるほど国力がそがれるだろうな、と。残業削減を目的化している会社がほとんどでしょ。減らして勝てる戦略があればいいが、それもない。だから働き方改革というより経営改革をしないといけないんです。」
衰退の原因というか、どうにも「この先暗そうじゃない?」と考える原因はこれか。
「製造の工夫」とか「品質の確保」とか「業務の改善」はしてきたけれど、経営の工夫がない。
なるほどです。
確かにいろいろな製品を細かく区分けして「さてどれからやります?」みたいなメーカーは多い。
サービスでも画期的なビジネスモデルや技術が日本から出ないのは「経営の工夫」がないからだ、と思うとため息が出る。
企業が有価証券報告書で公表している戦略や、業績発表会の時に社長が説明する経営戦略をそういう目で見てください。残念ながら99%はバツでしょう。この会社にしかできない、他社には容易にまねできないというものがほとんどない。
(つづく)