藤野の散文-私の暗黙知-

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 *[言葉]言葉の重み。

運気を磨く 心を浄化する三つの技法 (光文社新書)

運気を磨く 心を浄化する三つの技法 (光文社新書)

  • 作者:田坂 広志
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 新書
 
田坂さんの著書を読んでいて「人と言葉の関係」について考え込んでしまった。
氏は東大卒の物理学者であり、哲学者であり、大学教授であり、著書は90冊を超え、経営塾を主宰し…ピッカピカだ。
たとえば。
もし。
もし自分がこの本を書いていたら、果たして読んでくれる人はいただろうか。
おそらく身内以外にはいなかっただろうと思う。
 
「運気を磨く」「運のいい人の特徴」「ネガティヴ思考の消し方」…
本の中身は一見、よくある「成功のhow to本」にしか見えない。
しかし二度三度と読み返すうちに「なぜ心が二極化するか」とか「負の心は消すことができる」とか一つ一つのテーマが全体で整合して、結局「運気を磨く」と云うタイトルに向かっていることに気づく。
字数は少ないがかなり怖い本である。
 
そこでだ。
自分の言うことを変えずに、粛々と発信し続けることもいいが、「あの人が言うのなら」という自分の信用とか、人格とか、ブランドとかいうのは「広くモノを申す」という時には実に大事なのだと気づいたのであった。
youtubeで始まっているのは、そういう壮大な実験ではないだろうか。