*[ウェブ進化論]ライブの苛立ち。
遅れている飛行機を待つとか、行列に並ぶとかいうことが苦手になった。
歳を取ったせいもあると思う。
年寄りは時間を急(せ)く。
急いてはことを…という諺があるが、それでも急ぐ。
多分先がないからだ。
そして少なからずコロナの影響もある。
最初は「リモート」に慣らされ、そのうち「リモートでもやれる」ということがわかり、そして「リモートでないこと」が我慢できなくなった。
コロナ禍の中で無料セミナーが盛んになったが、これも慣れてみれば「無料セミナーをリアルタイムに受講すること」が緩慢に思えて来る。
2時間あるセミナーを「できれば10分くらいでまとめて欲しい」と思っている自分がいる。
こうしてデジタル化の加速は「本当にライブで体験したいもの」と「それ以外」を選別してしまうのだろう。
映画や芝居や音楽とかでも、"本当にリアルタイムに感じたいもの"はこれからますます貴重なものになり、反対に「圧縮したりまとめたりできるもの」はどんどん凝縮化されていくのだと思う。
そうすると自分の生活の中で「凝縮しようのないもの」ってなんだろうか。
睡眠とか食事を凝縮できたら時間が増えるけれど。
これからは「本当に時間を使いたいもの」について考える時代になりそうだ。
それだけリアルの醍醐味が増すのではないだろうか。