今の子供たちがなりたい職業のトップが「会社員」だという。
それも「正社員」が希望だと聞く。
これでは日本の将来は嘆かわしいという報道が目立つけれど、どうも自分たちが思う「無気力なマインド」ばかりが理由ではないらしい。
若者に直接聞いてみると、彼らは正社員になってもその先で偉くなりたいという願望は特になく、むしろ安定するのなら正社員にもなりたくないという。
非正規雇用の悲惨な話ばかりが話題になるので「仕方なく正社員」とのことのようだった。
中には「いつまで就職しないでいられるかを真剣に考えている」という者もいた。
こうなると何が目的なのかがよくわからなくなってくる。
それはともかく。
ようやく彼らは悩んでいるのだ。
ボーッとダラダラしているように見えるのは、むしろ当たり前かもしれない。
安定して安心したいけれど、できるだけ縛られたくない。
競争とかレースとかに巻き込まれたくない。
正社員という選択は「余計な仕事のプレッシャーをかけられず、そしてそれほど仕事にコミットすることなく」暮らしたい。
それが望む「かなり自由な働き方」だということのようだった。
自由のために選ぶ正社員、という方法もあることを知った最後のシメの言葉は、「だから公務員って最高なんスよ…」だった。