*[ウェブ進化論]再教育の循環。
日本は社会人へのリカレント教育が遅れている、と盛んに言われているけれど、一方その教育をする側の先生たちは、そうした「学校以外の一般社会」で働いた経験がなく、何をどう教えたらいいのかが分からないという話も聞く。
この問題も"答えのない時代"の典型的なものだろう。
これまでに用意された「単一コース」からどんどんマルチに、また全く別の分野への可能性も考えたい時に「前例」がないから誰もが戸惑うのだ。
こうした「ニワトリが先か卵が先か」的な話のときには二つの方法があると考えている。
一つはバーチャル・リカレント学校の開講だ。
数少ない「すでにマルチで活躍する人物」を世界中から呼んできてコーチをしてもらう。
アメリカでもアフリカでも中国の人でも構わない。
若い人がいいだろう。
コーチングや相談はリモートで十分可能だ。
これから必要になる仕事やスキルについて語って貰えば参考になるだろう。
もう一つはシニアの活用を挙げたい。
シニアの特徴は何といっても専門性と豊富な経験値である。
そしてそれを持て余して退職するシニアは非常に多く実にもったいない。
ただそれが「マルチ分野なノウハウ」にはなりにくいので、あくまで専門的な知見を若手に伝えてもらうための講師をしてもらうのだ。
シニアには、一度目の定年に近付いたら「そろそろ過去の経歴のレジュメを作ろう」という発想になってもらい、自分の過去を総括してまとめる作業をしてもらう。
そして今の若手は、自分も「将来は次の若手に向けてノウハウを伝える」場面をイメージしながら自分のキャリアについてもいろいろと考えるようになるだろう。
"学びは教えることができて完成する"ともいうからこれからの時代に合う方法ではないだろうか。