*[ウェブ進化論]不動産の正体。
欧米でも新興国でも「土地の価値」というのは不変のようだ。
中国では土地は全て国の所有だというが、それでもそこに立つ建物には価値がつく。
結局「人の集まるところ」には「場所の価値」が発生し、それが不動産というものの正体なのだと思う。
言ってみれば「人が行き交う熱量」が単なる地面に価値を発生させているわけで、人通りのない過疎地と都心の土地がまるで違う値段で取引されるのは「人流そのもの」が影響しているのに違いない。
「人の流れによって土地に値段がつく」というのは当たり前だが不思議なものだ。
例えばコロナ騒動で「人の流れが変われば」土地の価値も変わることになる、ということを自分たちは目の当たりにしている。
ところで土地の価値を膨張させるのが「集合住宅」という方法だ。
一戸建てとは違い、何十倍にも容積が膨らむから、それだけ多くの人を収容できる。
けれどそれには「時間の期限」がある。
五十年とか、長くて百年で「建物はなくならねばならない」運命にあるのだ。
定期借地という「期限付きの借地契約」があるが、あれと似たようなもので「建てた集合住宅はいずれ朽ち果てる」ということを考えない人は案外多い。
新築のマンションは、販売された瞬間から「建て替えか取り壊しか」に向かっていく不動産でもある。
何か「マンションは永遠に価値がある」というような販売の様子は、最後にはババ抜きになるような危うさを感じてしまう。
「十年か二十年住めればいいや」という気持ちならともかく、永遠に残る不動産として集合住宅を買うのはカードゲームのようなものではないだろうか。