藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

戦略の誤り(1)

*[ウェブ進化論]なくならない仕事にはワケがある。
「AIの導入で人の仕事がたちまちなくなる」と一時騒がれたが、IT側の業界からその後の様子を眺めているとどうもそう一筋縄ではいかなさそうだ。
画像認識とか小売業とかどんどん自動化が進む分野もある一方で「全くその気がない分野」というのもたくさん見えてきた。
 
既得権益の壁」とか「岩盤規制」とはよく言われるが(もちろんそういうこともあると思うが)、もう少し実感できるのは「手仕事で食べている人たちがあまりにも多い」ということである。
既得権益とまでも言えない「手作業ピープル」の存在だ。
 
例えば収容所の捕虜に「自分が埋められる穴を掘らせる」ようなもので、気持ちが捗るわけがない。
「自動化が自分の手作業を奪う」と思っている人たちのマインドセットをいかに変えるのか? ということが日本の場合IT戦略の主軸なのではないだろうか。
こういうマインドの人たちは役所とか、あらゆる企業の間接部門とかの「定型業務型」の仕事をしている人たちに特に多いと思う。
「ハンコを押す」とか「ハンコがあるのを確認する」とか「紙の申請書を受け付ける」とか、あるいは「メールやデジタルの申請書を受け付けて返事をする」という仕事をする人たちは、自分たちがしている「返信の処理」をコンピューターがある条件のもとに自動でできる、ということを想像したくないだろう。
 
まずは「あなたたちにして欲しい仕事が他所にはこんなにあるのですよ」ということを示すことから始めないと、特に管理職と呼ばれるシニアの人たちが動き出さないのは道理というである。

(つづく)