藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

アメリカという国の考え。

「最も高額だった幹部4人のボーナスは計1億2100万ドルに達した。約700人が1人当たり100万ドル以上を受け取っていた。」

倒産企業の役員報酬だというから、空いた口が塞がらぬ。
経営と支配の分離、とかそういう理屈の轍に捕まり、泥沼から抜けられぬアメリカを見た思いがする。
会社経営が「他人事」なのである。
悪くしても「自分の財産や家族や友人」が「侵されることのない世界のこと」だと思っている。


その「他人行儀」が今のような「会社の業績は業績、報酬は報酬」という甘えた理屈を成立させている。
そんなもの全額返上で、雇用に対する責任、債権者に対する責任、株主に対する責任、を真っ先に考えるのが経営者ではないか。


「とりあえずいただくものはいただいて」。
そんな恥知らずな経営者は寡聞にして知らぬ。
と中小企業の経営としては思わずにはおれぬ。


人間としての矜持の問題だろうとも思う。
オープン性、透明性が魅力のアメリカは、今一つ「矜持の文化」を知ってもらいたい。


競争原理とか、透明性とか。
その前に何か一つ、抜けているのではないか。
議論の前提にになる価値観、のようなものか。
この度の報道にはそんなことを強く感じた。

メリル幹部の巨額ボーナスを批判 NY州司法長官


このニュースのトピックス:金融危機
 米ニューヨーク州のクオモ司法長官は11日、米証券大手メリルリンチが2008年12月に約36億ドル(約3250億円)のボーナスを幹部に支払ったとの調査結果を公表、高額なボーナス支給を厳しく批判した。
メリルは金融危機で巨額損失を計上して公的資金を受け入れ、米銀行大手バンク・オブ・アメリカ救済合併されただけに、高額報酬への批判は一層強まりそうだ。
最も高額だった幹部4人のボーナスは計1億2100万ドルに達した。約700人が1人当たり100万ドル以上を受け取っていた。(ニューヨーク=共同)