藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

狩猟型か農耕型か。


いわゆる「身が肩上がり」の終わりに際して、結局能力主義とか、「ハンティング型」の制度は自分たちに合わない、ということが露呈してきたようである。
これはまだ欧米ははっきり意思表明してはいないが、近代の結構重要な問題ではないかと思う。
当然「白か黒」で割り切れない、またその「国々の事情」によっては変化もありうるのだろう。
だから一概に市場経済原理は○とか×とか、共産主義はどうとか、常に「言いたい放題」の状態が続く。
国連がそんな「価値観の議長」を務めればよいと思うが、どうもそこまでの力はまだないようである


そこで、日本という国にいる自分たちは「どのようなファクターを基準値として採用するのか」という独自の価値観的なもの、を統一して決めてゆく必要があると思う。
「優しいだけで、方向を示さない」というのは国際社会ではひどく扱いにくいのだろう。
でも日本はまさにそんな国なのだと思う。


独自の文化は三千年を超えようというのに、いまだに固定的なアイデンティティを持たない。
かといって、他国に心底迎合することもない。
日米安保も、決して「奴隷状態」を容認するものではなかった。
これが日本人の特質なのだろうと思う。

そして終身雇用。

結局「精神が勝る」ということか。


とうとう、今年の新社会人は「年功序列」を望み、能力主義を厭うひとが七割に達するという。
何たることか。


いや、それはそれでいいのだけれど。
「それまで」とはずい分違うトーンではないか。
まとめは結局「ある程度の能力は評価されたいが、それが激烈な収入の変化やリストラに結びつくものではないほうがよい」ということのようである。


「職業」においてはそこまでの乱高下を望んでいない、という意味にも取れる。
結局、「日々の糧」という意味での仕事で、自分たちは最低限何を望み、どこまで以上は譲れない線なのか、ということをはっきりしておかねばならない。
一方で射幸心を煽り、また一方で安定感を醸し出すような今の職業観では、若者たちは「どの職に就くか」にとても迷うだろう。
それが道の選択の過ちにもなっていると思う。


職業とは決して派手なものではなく、地道、勤勉、着実、なものが生き残り、続いて行くものである。
そんな「本当のエッセンス」が若者に伝わるような物語は、これからもずっと必要なのだと思う。

強まる年功序列志向 新社会人、勤務先に満足7割強
今年4月に働き始めた新社会人の3割近くは第4希望以下に就職したが、全体の7割強が勤務先に満足し、能力主義より年功序列の賃金体系を望む人が多い――。
インターネット調査会社マクロミルの調査でこんな結果が出た。

 今月7〜9日、1987〜88年生まれの新社会人(公務員も含む)を対象に、男女258人ずつ計516人から有効回答を得た。
調査は2008年から毎年実施している。

 現在の勤務先の志望順位は「第1希望」が42%で09年より7ポイント減り、「第4希望以下」は29%と9ポイント増えた。
勤務先に「満足」「どちらかと言えば満足」は計74%で、過去2年より満足度は高い。

 どの賃金体系を望むかは「年功序列型」が41%、「能力主義型」が35%。
年功序列型」は08年が32%、09年が37%と増加傾向にある。

 マクロミルの担当者は「厳しい就職活動の経験から、不安な気持ちが根底にあることが見て取れ、結果として安定志向も強まっている」と分析している。
(江口悟)