*[次の世代に]昭和の次に行く
空前の人手不足のなかで、企業を中途退職する人が増えているという。
団塊ジュニア世代が50歳に近づき「多くの企業で中高年がボリュームコストになっている」ということらしい。
ボリュームコストて。
一方若手は足りないらしい。
つまりアッパー45歳は月に45万円以上ももらい、重たくなっているということだ。
でそれに呼応して「なら早めにやめて次を考えよう」と今思える人は柔軟性がある。
そう。
多分アラフィフたちも今のうちだ。
セカンドキャリア、とか難しいことを言わなくても「定年後三十年」の"百年人生"を考えるようになってきたのだと思う。
こうして雇用が「流動化」してくれば、いい流れが生まれる。キャリアのある人を柔軟に採用して、仕事を渡せるようになるだろう。今のように「いったん雇ってしまったらリリースしにくい」という考えとは真反対だ。
「規制で縛るのではなくよりオープンに」は最も強い時代のキーワードである。
正規非正規の論争は早めに止めたほうがいい。
早めに次を考えた人は、早めに行動できる。
早期退職の大波は「高度成長期」を終わりにするための決算なのではないだろうか。
早期退職はや8000人、18年の倍 次を見据える中高年 上場企業1~6月
早期にキャリアの再設計に動く中高年も増えている
人手不足が続くにもかかわらず、大企業で定年前の退職を募る早期退職が増えている。2019年1~6月には上場企業の17社が合計で約8200人の早期退職者数を発表し、半期で18年を上回った。製薬など、業績が好調なうちに人員を適正化して事業環境の変化に備える動きも目立つ。応募者側も人生100年時代をにらみ、早期にキャリアの再設計に動く中高年も増えている。
■業績好調な製薬も
調査会社の東京商工リサーチによると、19年1~6月に上場企業が募集(または応募)を発表した早期退職者数は、18年の年間(12社、4126人)の人数の約2倍になった。7月以降もこのペースなら19年は年間で13年以来6年ぶりの1万人超えとなりそうだ。
19年1~6月の17社のうち人員が多かった業界は電機(5社)と製薬(4社)だった。電機は経営再建に揺れるジャパンディスプレイ(JDI)や富士通など経営不振による人員削減だったが、製薬は様子が違う。
中外製薬は4月に45歳以上の早期退職者を募集。応募は172人にのぼった。同社は18年12月期の純利益が2期連続の過去最高を達成したばかり。だが「デジタル化で経営環境が大きく変わり、従来の専門性や技術で競争力を維持するのは困難」(同社)と将来への危機感が強い。希望者に退職金と特別加算金を支給し、外部の専門会社による再就職支援もする。
東京商工リサーチの二木章吉氏は最近の希望退職について、従来のリストラ型から「成長分野に事業転換するため余裕のあるうちに人員構成の見直しを進める『先行実施型』が増えている」と指摘する。
1990年代に大量に採用されたバブル世代(19年に49~52歳)や人口が多い団塊ジュニア世代(45~48歳)を削り、若手を増やして新分野の技能を育てる狙いだ。
■デジタル化に若手必要
20年3月期に3期連続で増収増益を見込むエーザイも、デジタル対応や新薬開発に向けて組織の若返りを進める。45歳以上の約300人が3月末までに早期退職した。全従業員の9%にあたる人数だ。新卒採用は例年の約40人から100人規模に増やし、初任給を上げたほか20~30歳代の給与もベースを引き上げた。
日本経済新聞社が今月まとめた「社長100人アンケート」では5割超が年功序列型の賃金制度を見直すと回答した。業績が良く余裕のあるうちに退職金などを上積みして中高年の転職を促す。攻めの早期退職は人事と賃金制度の抜本見直しにもつながりそうだ。
■「人生100年」見据える
中高年の転職は難しいとされてきた。ただスタートアップ企業などの引き合いも強く過去の常識が崩れつつある。
日本人材紹介事業協会(東京・港)がまとめた人材紹介大手3社の紹介実績でも、18年10月~19年3月の41歳以上の転職者数は5028人で、前年同期比40.4%も増えた。世代別でも最も伸び率が大きい。
リクルートワークス研究所によると、企業が年功序列型から成果主義型にシフトするなか、上場企業で40歳代で課長になる人は10年前に比べて2割減った。大久保幸夫所長は「40歳代で会社での自分の先が見えてしまい、モチベーションを持って働くために早期退職で新天地を求める人が多い」と分析する。
また「今のうちに厚待遇を提示してくれる別の会社に移り70歳まで働きたい」(メーカーを早期退職した55歳男性)と長く働ける環境を求める人もいる。
(中藤玲)