藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

枠組みの変化。

路上生活をする人が、「生活保護」を求めた裁判で勝利した。
生活保護、は義務付けられることになる。(控訴がなければだけど)

司法制度改革で行政事件訴訟法が改正され、裁判で行政に「処分の義務づけ」を求めることができると明示された。

ということが原因のようである。
つまり、「そういう常識」に世の中が移行しつつある、という風に理解してもよいだろう。

「弱肉強食」とか「競争社会」という言葉とはま反対の価値観が生まれつつある。

「働く意思をきちんと持っていれば」、生活は保護される。という。

つまり、これまでの経済原理でいう「結果を出すかどうか」という指標は崩れつつあるようである。
「結果」が必ずしもでなくとも、「その努力の軌跡」を評価する。
そういう社会に移行しつつあるのかもしれない。

また「そういう社会の在り方」も、この「縮小する人口ピラミッド」の時代にはアリ、なのかもしれない。

年金も、失業保険も、GDPも、全てが"先細り"の中での戦略である。

政策を担当する政治家の方々は、さぞや苦労があるだろうと思う。
けれど、それでも「日本独自の回答」を用意しなければならない。
そして、その姿は、「一周遅れ」で先頭を走っている超高齢化の国の日本なのである。

果たして、全ての「働こうと意図しても、働けない人たち」を「全て保護」する社会のモデルは北欧のような高税率社会になるのか、それとも日本なりの「別の解」を導けるのか。

戦後初めての日本のオリジナリティーが、野田政権に求められている格好になる。
税率はどうなってもいい。
ビジネスよろしく、ぜひ画期的なアイデアを集め、採択してもらいたいと切に願う。

新宿区に生活保護義務づけ 地裁、原告男性の努力認める

東京都新宿区で路上生活をしていた男性(61)が、生活保護が認められなかったのは違法だとして区を訴えた訴訟で、東京地裁は8日、保護申請を却下した区の決定を取り消した上で、男性の生活保護を区に義務づける判決を言い渡した。


司法制度改革で行政事件訴訟法が改正され、裁判で行政に「処分の義務づけ」を求めることができると明示された。生活保護自治体に義務づける判決は異例。男性の代理人宇都宮健児弁護士は「生活保護憲法上の権利であり、堂々と行使されていい。抑制する動きがあるなか、大きな意味のある判決だ」と評価した。

期間工や警備員として働いていた男性は、2008年5月に路上生活となり、区に生活保護を申請したが却下された。

川神裕裁判長は一般論として、「実際に働いていなくても、働く意思が客観的に認められれば、自ら生活を維持するため努力を尽くしているといえる」と述べ、生活保護を認めるべきだと判断した。

この男性については、路上生活者を支援する雑誌を売るなど働く意思があり、ハローワークに通っていた事情などを指摘。「男性は生活維持のため努力していた」と認め、生活保護の却下は違法と結論づけた。

区側は「ハローワークで男性に合う求人は複数あったのに、十分な努力をしなかった」と主張していた。

男性は提訴後、板橋区生活保護申請を認められ、老人介護施設で働くようになった。新宿区は「判決理由を詳細に検討したい」とのコメントを出した。