「拙速」という言葉に接したのは社会人になってから。
上司が「拙速であたれ!」とチームに檄を飛ばしていたのが驚きだったことを思い出す。
反意は「巧遅」。
欧米の逸話で、岸に打ち上げられた魚を、漁師が「帰りに助けよう」と先送りして、間に合わなかったという逸話がある。
震災地で、特例で延ばされた失業給付が、給付期間を終了してなお7割の就職先が決まっていないという。
原発のがれき処理、除染、保障対応しかり、未曾有の天災は一年を過ぎようとしているがいよいよ「問題が膿んで」来ているように見える。
考えてみると、実社会では「こうした例」は枚挙に暇がない。
事故やトラブルが起きたこと、についてはある種必然。
永遠にミスのない仕事、というのも期待しにくい。
が、そのミスに対する対処は実に様々である。
ここ十年ほど、はやりの「隠ぺいアクション」は必ずその後にそれ以上、或いは"最悪"の結果をもたらす。
危機管理能力の大部分は、実は"対応方針の判断力"と"スピード"にあると思う。
方向は間違っていなくとも、何カ月もかかってしまっては被害は想像以上に広がってしまうものである。
思考停止になりそうな「ここ一番」での決断の胆力、のようなことを自分たちはよく考え、また後進に伝えねばならないだろう。
失業手当終了後も7割が職決まらず 被災地の対象者調査
東日本大震災の被災地で、特例として支給期間が延長された失業手当の受給を2月17日までに終えた3510人のうち、7割超の就職先が決まっていないことが、厚生労働省の調べで2日、わかった。東日本大震災の発生から1年を迎えるが、被災地では厳しい雇用情勢が続いている。厚労省が、特例で失業手当が延長された人のうち、2月17日までに期限が切れた人と、期限までに仕事が見つかって受給を終えた人の就労状況を調べた。
就職したり就職が内定したりしていた人は、3割弱の921人にとどまった。仕事が決まっていなかった人は2589人で、内訳は求職活動中の人が2163人、公共職業訓練の受講者が47人、求職活動をしていない人が379人だった。