藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

そうして時代は過ぎてゆく。

*[次の世代に]今イケてる企業は?
日経FTより。
米ハーバード・ビジネス・スクール(写真)が、企業による社会還元『インパクト』を財務情報に取り込む基準作りに着手した、という。 

企業を測る基準とかは、時代とともに様変わる。

多分500年前なんて、他国を侵略していても成長している会社は評価された。
いやいや、かの大戦の時代だってそうだった。
まだ70年ほど前の話だ。
 
そして自分の生きてきた30年前には「環境負荷」とか「地球温暖化」という言葉はあれど、「それと企業の活動が関係ある?」という風潮だった。
そしてここ10年は環境負荷とか、サスティナブルとか、CO2の話がむしろ重視されている。
「わが社はキャッシュフロー第一です」なんて言ったら失笑される時代になってしまった。
どんどん文明の民度が上がってきているのに違いないけれど、働いていて大事なのはそんな風に「企業の価値観も時代とともに変わってゆくもの」という柔軟な見通しだろう。
今や環境を無視していては商取引きにからも排除される時代である。
「株主が」「従業員が」「取引先が」「下請けが」「消費者が」「周囲の地域が」どんどん重要視される時代に、自分たちはどんなビジネスをするのか、お金儲けとの両輪で考える時代になってきていると思う。
米金融大手ゴールドマン・サックスが持続可能な成長を支援する金融業務を専門とする「サステナブル・フィナンシャル・グループ」を立ち上げた。

あんまり下品な金もうけは、ますます疎んじられるに違いない。

 
 
 
  米有名大、企業「インパクト」の基準作

    米ハーバード・ビジネス・スクール(写真)が、企業による社会還元『インパクト』を財務情報に取り込む基準作りに着手した=AP 
こうした動きは、いままでハーバード・ビジネス・スクールが教えてきた「キャピタリズム(資本主義)」と矛盾すると思う人もいるかもしれない。だが、セラフィム氏はインパクトを会社の財務指標に組み込むことはこれから当然のことになると指摘する。
ハーバード・ビジネス・スクールは、欧州を代表するベンチャーキャピタル(VC)「エイパックス・パートナーズ」の創業者、ロナルド・コーエン氏と協力して、インパクトを財務指標に取り込む基準「インパクト・ウェイテエッド・アカウンツ・イニシアチブ(IWAI)」を作るプロジェクトを始めた。コンサルティング大手マッキンゼー、複数の投資銀行投資ファンドも参画し、数年後には正式基準として世に出す計画だ。
だが、その前に複数の企業で試験的に運用を行う。ハーバード・ビジネス・スクールによると、インドのIT(情報技術)大手インフォシスやドイツのスポーツ用品大手プーマなど19企業が協力する予定という。加えて、冒頭で触れた4社も試験運用に参加する。
セラフィム氏は、「インパクトに関する情報を正確に把握できるようになれば、経営陣はインパクトを経営計画に組むことができるようになる。重要な一歩だ」と語る。
ハーバード・ビジネス・スクールのプロジェクトを「ESG(環境・社会・企業統治)に関する指標はすでに存在する」「もうこれ以上新しい基準はいらない」と批判する人もいるかもしれない。確かに世の中はアルファベットの基準名であふれている。
約20年前に国際組織「グローバル・リポーティング・イニシアチブ(GRI)」が誕生し、企業は気候変動や人道問題への取り組みを報告する基準を得た。その後、企業が投資家にESGへの取り組みを報告する「サステナビリティ会計基準審議会(SASB)」の基準が設けられ、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」は環境対策に関する基準を設定したといった具合だ。
だが、セラフィム氏はIWAIはいままでの基準とは異なると主張する。企業活動の「インプットとプロセス(投資や過程など)」を評価するのではなく、「アウトプットとインパクト(成果や影響など)」を明瞭化する基準だからだ。また、既存のGRIやSASBの要素も取り込み、IWAIを包括的な基準に育てることで、より大きなビジネス革新を起こすことを目指しているという。
この試みが成功するかどうかを判断するには、まだ数年かかりそうだ。だが、著名人や有名な企業が支援している試みであることを考慮すると、注目に値すると思う。また、この事例はESGの基準作りでビジネススクールや会計士の存在が重要になってきていることを示している。戦う会計士の時代が到来した。
By Gillian Tett
▼ゴールドマン、「サステナブル金融グループ」を設立
米金融大手ゴールドマン・サックスが持続可能な成長を支援する金融業務を専門とする「サステナブル・フィナンシャル・グループ」を立ち上げた。証券や投資銀業務など幅広い部門で顧客からサステナブル金融への質問が相次いでいる状況に対応する。2018年10月就任のデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は縦割りを脱却し、部署間の融合を進める「ワン・ゴールドマン・サックス」を経営戦略に掲げているが、社内でサステナブル関連への取り組みに対する理解を共有する狙いもあるという。
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