藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ここでも選択

*[ウェブ進化論]過ごしたい老後。

老人ホームを訪問していると、案外「一日の過ごし方を利用者が自分で決めている」という施設が少ないことに気がついた。

 

いざ利用する当人たちと話してみると「買い物に行きたい」とか「映画が見たい」とか「俳句を作りたい」とか、それぞれにやりたいことがあるのだが、施設としてはそれらに個別の対応をするのは難しいのだろう。

特に身体の不自由な高齢者に対しては、転倒や誤嚥などのリスクを防ぐために「あえて自由に選ばせない」ようなルールも見受けられる。

 

今はこうした「規則ありき」の施設が中心だが、ゆくゆくは「利用者の希望ありき」の自由な施設運営が実現するといいだろう。

自由で勝手な老人ホームだ。

その代わりに、リスクは本人が負うことにすればいい。

 

これからは「施設に老後の生活を預ける」のではなく、「老後の生活を補助する」という考えの方が利用する側の満足度も高いのではないだろうか。

 

食事やトイレや入浴について、いちいち指示されている利用者を見ていて、もっと好きに生活できる環境が提供できればいいのに、と思う。

 

そしてそのために、自分たちは「どんな老後の生活を送りたいのか」をはっきりさせておく必要があるだろう。