藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

それが作品

*[ウェブ進化論]物語を作るということ。

先日見た芝居「火の風にのって」。

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一言でいえば"戦時中と現代の若者の価値観がつながる"という話だった。

古代から「世代間の嘆きは無くならない」と言われているし、そのギャップが解消されたという話はとんと聞かないから、まあ永遠のテーマと言っていいだろう。

 

「今の二十歳と戦時中の二十歳が交信する」という設定は見事で、それこそ自分のような中年にもビビッとくるものがあった。

戦争モノの映画や芝居はやはり「フィクション」として見ているのだろうし、楽しい内容ではないことが多いから、どこかで浮世離れした話だと思い込んでいるのだと思う。

 

"時空を超える"というテーマが一つのジャンルとして無くならないのはそんな「時代感覚のギャップ」をリアルに観客に感じさせる定石なのに違いない。

そんな、一見禁じ手とも言えそうなストーリーをどう組立てるのか、というのが作家という仕事なのだとしたら大変な職業である。

 

そして。

「戦時中の60歳と今の60歳」が繋がってみるとどうなるのか。

恐らく劇中と同様に「何だかお金だ定年だの、老後だの、ずい分小さなことばかり気にしているな。どれほど幸せな時代なのかを思い知りなさい」と言われるに違いない、ということを自分も意識しておこうと思うのだ。