藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

職に学ぶ(1)

*[ウェブ進化論]役者に学ぶ。

ここ数年、芝居を観にいく機会が多く、また舞台関係者の人と会う機会も増えた。

考えてみれば「俳優という職業の人」というのは、次々に仕事として「自分の体を使って違う人物や役柄を演じ」周囲のシチュエーションまで織り込んで観客に評価をもらう、というそう意味ではかなり過酷な職業であると思う。

 

擬似的にとは言え、しかし「普通の人の何倍も濃い劇的な物語」を何年にもわたって演じていく、ということである。

つまり「普通の人の人生を何十回分もの体験を踏む」ような職業なのではないだろうか。

 

ある時は戦争の特攻兵に、ある時はギリシア悲劇の召使に、またある時は現代の人間関係に苦悩するごく普通のサラリーマンにもなる。

警察官や検事の時もあれば、極悪党のボスの子供のこともあるだろう。

あらゆる世界を、時空を超えて体験できるという意味では稀有な職業のようだ。

 

そういえば、役者をしている人は総じてメンタルが強く、経済的に恵まれなくても明るい人が多い気がするのは、そうした「物語の経験値」の影響なのではないだろうか。

 

これからの時代は、役者ならぬ「自己表現」がどんな人にも好まれていく傾向にあると思う。

いよいよ脱・横並びが本格的に始まっているようだ。

 

少しづつでも"好きなこと"を生活に取り入れていくことを考えたい。