藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

小田実、逝く


気温は昨日より10度も低く、残暑まっ盛り。


セミ地雷たけなわ。


ようやく今年も恐怖の半月間が過ぎようとしている。


しかし気は抜けぬ。


近頃は、深夜の帰宅時、首を前に突き出し地面を睨みつけるようにして異物を探す有様。


すれ違う人はさぞや不気味に違いない。(謝)

















(TIME誌hpより)


末期がんと闘っていた小田実氏、なくなる。


あらためて経歴など拝見すると、東大院、フルブライトでハーバードから、
NY州立大、メルボルン、ベルリン、慶応など多くの大学で教授職も務めていた、
とは知らず。



小田実 - Wikipedia

自分が知った頃はそんな「経歴の派手さ」を感じさせない恐いオッサン、
といった風だった。


その後はコメディアンとテレビに出たり、朝ナマに出演して気を吐いている姿を思い出す。


いつも逝ってから


自分の好きな作家などの訃報に触れ、思う。


生きているうちにろくろくレビューすることもなく、訃報が流れると急に作品を読み返したり。


読み返して、本人に会いたくとも、もういないのに、と。


なぜか。


自分の「読みたい本」の優先順位がきちんと決まっていないのか。


いや、それよりも読む覚悟か。




「もう二度とこの本を繰り返し読む機会は無いかもしれない。」


そういう気迫が足りなくないか。


読書の時間など、有限なのだから。


そんなことを思う一方。


自分が今「知っている」範囲だけで優先順位つけるのは、まだいい。


しかし、圧倒的に「まだ存在すら知らない書」の方が多い。(嘆)


そこまで考えて、止め。
あまりに世界が広すぎて気が遠くなる。


結局、そんな知識?の「大海」の中を、少しづつ、
でも目線はなるたけ「遠く」を見て、
時には夜空の星など頼りにしながら、進んでゆくしかないのだろうな、などと。


小田実・単著作目録


それにしてもこれほど多くの著作を遺す、とは。
まだまだ知らないことだらけである。

明後日の手記 河出書房, 1951
わが人生の時 河出書房, 1956
何でも見てやろう 河出書房新社, 1961 のち角川文庫,現在、講談社文庫 ISBN 4061315838
アメリカ 小説 河出書房新社, 1962 のち角川文庫
日本を考える 河出書房新社, 1963
大地と星輝く天の子 講談社, 1963
日本の知識人 筑摩書房, 1964 (グリーンベルト・シリーズ)
壁を破る 世界のなかの体験と思想 中央公論社, 1964
戦後を拓く思想 講談社, 1965
泥の世界 河出書房新社, 1965
平和をつくる原理 講談社, 1966
小田実の受験教育 河出書房新社, 1966
義務としての旅 岩波新書, 1967
人間・ある個人的考察 筑摩書房, 1968
現代史 河出書房新社, 1968 (河出・書き下ろし長篇小説叢書)
終結のなかの発端 世界を歩く 河出書房新社, 1969
難死の思想 文芸春秋, 1969
原点からの旅 気楽で重い日本 徳間書店, 1969
人間のなかの歴史 講談社, 1969
何を私たちは始めているのか 三一書房, 1970
問題のなかでしゃべる 小田実対話集 講談社, 1970
小田実全仕事 1-10 河出書房新社, 1970-71
世直しの倫理と論理 岩波新書, 1972
「生きつづける」ということ 筑摩書房, 1972
空間と時間の旅 河出書房新社, 1972
二つの「世の中」 筑摩書房, 1973
ガ島 講談社, 1973 のち文庫
ベトナム」の影 中央公論社, 1974
自立する市民 朝日新聞社, 1974
状況から 岩波書店, 1974
私と天皇 筑摩書房, 1975 「私と天皇・人びとのなかの天皇」としてちくま文庫
鎖国」の文学 講談社, 1975
冷え物 河出書房新社, 1975
羽なければ 河出書房新社, 1975
「殺すな」から 筑摩書房, 1976
地図をつくる旅 文芸春秋, 1976
小田実評論集 1-2 講談社文庫, 1976-78
私と朝鮮 筑摩書房, 1977
列人列景 講談社, 1977
円いひっぴい 河出書房新社, 1977
北朝鮮」の人びと 潮出版社, 1978
「共生」への原理 筑摩書房, 1978
人びとはみんな同行者 人びとのなかで自分をつかむ 青春出版社, 1978
タダの人の思想から 小田実対談集 旺文社文庫, 1978
旅は道連れ、世は情け 旅人の記録 角川書店, 1978
「民」の論理,「軍」の論理 岩波新書, 1978
タコを揚げる ある私小説 筑摩書房, 1978
世界が語りかける 1977-1979 集英社, 1979
死者にこだわる 筑摩書房, 1979
小説世界を歩く 漱石からジョン・オカダまで 河出書房新社, 1980
基底にあるもの 筑摩書房, 1980
天下大乱を行く イラン・アラブ 1979-1980 集英社 1980
歴史の転換のなかで 21世紀へ 岩波新書, 1980
Hiroshima 講談社, 1981 のち講談社文芸文庫,ISBN 4061975749 -アジア・アフリカ作家会議ロータス賞。英訳本、BBCラジオ劇(1996年)ともなった。
海冥 太平洋戦争にかかわる十六の短篇 講談社, 1981 のち講談社文芸文庫
二つの「戦後」を旅する 朝日新聞社, 1981
何でも語ろう 話の特集, 1982
世界を輪切りにする 1980-1982 集英社, 1982
状況と原理 筑摩書房, 1982
小田実反戦読本 第三書館, 1982
小田実反核読本 第三書館, 1983
長崎にて 未来にかかわる 筑摩書房, 1983
ベトナム以後」を歩く 岩波新書, 1984
状況への散歩 常識から考える 小田実エッセイ集 日本評論社, 1984
「問題」としての人生 講談社現代新書, 1984
わたしの中国わたしの太平洋 1982〜1984 集英社, 1984
風河 河出書房新社, 1984
毛沢東 岩波書店, 1984 (20世紀思想家文庫)
人間みなチョボチョボや 毎日新聞社, 1985
D 中央公論社, 1985
われ=われの哲学 岩波新書, 1986
ベルリン日録 講談社, 1987
ベルリン物語 集英社, 1987
中国体感大観 筑摩書房, 1987
強者の平和弱者の反戦 日本評論社, 1987
西ベルリンで見たこと日本で考えたこと 毎日新聞社, 1988
小田実の英語50歩100歩 「自まえの英語」をどうつくるか 河合ブックレット, 1989
批判と夢と参加 市民・文学・世界 小田実文集 筑摩書房, 1989
オモニ太平記 朝日新聞社, 1990 のち朝日文庫
東と西と南と北と マコトとマサルイラストノート 第三書館, 1991
ベトナムから遠く離れて 1-3 講談社, 1991
小田実全小説 〔1-9〕別巻 第三書館, 1992-95
民岩大閤記 朝日新聞社, 1992
生きとし生けるものは 講談社, 1992
異者としての文学 河合文化教育研究所, 1992
西宮から日本、世界を見る 話の特集, 1993
東へ西へ南へ北へ マコトとマサルイラストノート 第三書館, 1993
「殺すな」と「共生」 大震災とともに考える 岩波ジュニア新書, 1995
ベ平連」・回顧録でない回顧 第三書館, 1995
激動の世界で私が考えて来たこと 近代文芸社, 1996
講談社, 1996
被災の思想難死の思想 朝日新聞社, 1996
われ=われの旅 NY・ベルリン・神戸・済州島 玄順恵共著 岩波書店, 1996
でもくらてぃあ 「人間は殺されてはならない」・「人間の国」「人間の文明」の構築へ 筑摩書房, 1996
ゆかりある人びとは… 春秋社, 1997
XYZ 講談社, 1997
大阪シンフォニー 中央公論社, 1997
暗潮 大阪物語 河出書房新社, 1997
これは「人間の国」か 西方ニ異説アリ 筑摩書房, 1998
アボジ」を踏む 講談社, 1998 - 川端康成賞受賞。
玉砕 新潮社, 1998
崇高について ロンギノス 河合文化教育研究所, 1999
さかさ吊りの穴 「世界」十二篇 講談社, 1999
私の文学-「文」の対話 新潮社, 2000
小田実評論撰 1-4 筑摩書房, 2000-02
ひとりでもやる、ひとりでもやめる 「良心的軍事拒否国家」日本・市民の選択 筑摩書房, 2000
小田実の世直し大学 筑摩書房, 2001
くだくうめくわらう 新潮社, 2001
深い音 新潮社, 2002
戦争か、平和か 「9月11日」以後の世界を考える 大月書店, 2002
子供たちの戦争 講談社, 2003
小田実のアジア紀行 大月書店, 2003
随論・日本人の精神 筑摩書房, 2004
市民の文 岩波書店, 2005 (思索と発言 1)
西雷東騒 岩波書店, 2005 (思索と発言 2)
終らない旅 新潮社, 2006
9.11と9条 小田実平和論集 大月書店, 2006


(wikipediaより)