藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

イノベーションの条件。

イノベーションとかブレイクスルーについて考えると"脱既存"というキーワードに思い当たる。
そもそもがそういう「革新」とか「打破」とかが自己目的化するというのが、ちょっとアメリカ的で馴染めない感じがするのだがそれはともかく。
新しい事業とかサービスとかを考えていて。
でそれらの多くは突然思いつくものではなく、いつも感じていたリ経験している中で、何か不都合とか不便さを感じたりしている中からムクムクと現れる。
で結局現状の否定とか、ゼロからの組み立てを考える、という風になるのである。
それもともかく。

素人考えながら、何かアイデアを思いつく。
そして少しネットとか書籍なんかで調べてみて検証してみる。
次には周囲の知り合いなどを通じて「その道の専門家」に意見を聞いてみることになるのだが、最近妙なことに気が付いた。
例えばITのこととか、法律のこととか、医療や健康のこととか、物理や電気のこととかについて、専門家に尋ねてみると案外「決まりきった答え」しか返ってこないのだ。
相手はその道の専門家であり、その道でメシを食っているのだから経験値が違うわけで、こちらも丁重に意見を聞くのだが、どうもその道に通じている故か、殊更「まったく新しい仕組み」とか「そもそもの目的」のような話になると結構否定的な感じがするのである。

多分、経験とか知識の集積があって専門家ならではの「見通し」が瞬時に立つのだろうと思う。
けれど案外硬直的で、過去の事例とか理屈などが先に立ってしまって「ゼロから考えてみる」という雰囲気に欠けていることが多い。
知識とか経験というのは諸刃の剣で、日々の仕事にはとても効率的に作用するけれど、案外柔軟性を犠牲にしているのではないだろうか。
「そうに違いない。でもそうではないかもしれぬ」という問いかけは重要だ。
(つづく)