藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

シェアビジネス第二ステージ

*[ウェブ進化論]ホストが大事。
シンガポールのグラブとインドネシアのゴジェックが競っているというライドシェア。
uberが撤退してから地元の極東地域での戦いだが、どれだけ「居心地がいいか」にどちらも必死のよう。
お客向けの宅配サービスクーポンはもちろん、素人には運転免許の取得も支援するという。
さらには必要なスマホも買い与え、働くドライバーが稼ぐことを考えている。
 
ライドシェアに限らず、シェアビジネスはお客へのサービス品質では差がつきにくいのだろう、
「ホストの居心地」が生き残りを左右する時代に入ったようだ。
飲食店だって「働く人が疲れて心地悪い」と「ゲストへのサービス」が悪くなり、すぐに潰れてしまう。
つまりサービス業は「ホスト(を大事にする)の時代」になりそうだ。
飲食店なども今はずい分、人手不足と賃料の高騰で疲弊しているが、そうした「店主たち」に優れたロジスティクスでいい品物を届ける物流チェーンを作ったプレイヤーが勝ち残るのではないだろうか。
どうもそれがamazonになりそうな予感がするのは自分だけだろうか。 
 
東南ア配車2強、タイで出前・運転手向けサービス競う 
 
  2019年9月25日 2:00
 

東南アジアの配車アプリの2強、シンガポールのグラブとインドネシアのゴジェックがタイで火花を散らしている。米ウーバーテクノロジーズが2018年に撤退して以降、同社のタイ事業を引き継いだグラブが強い立場を維持してきた。2月に参入したゴジェックは食品宅配(出前)、荷物の配送などグラブ同様のサービスを始め、運転手向けの金融サービスでもほぼ同じようなものをそろえた。顧客と運転手の奪い合いが激化しそうだ。

 
    ゴジェックはタイのサイアム商業銀行と提携した(7月、バンコク
ゴジェックは2月に「GET(ゲット)」というブランド名でタイの配車サービス市場に進出した。タイ法人のピンヤ最高経営責任者(CEO)は「すでに100万件のダウンロードがあった。サービスは急速に成長している」と話した。
 
同社のサービスは意識したかのように、グラブと似ている。バイクの配車はもちろん、小口荷物の配送、バンコクで急拡大している出前、決済サービスなどほとんど同じだ。
 
グラブは13年にタイの配車サービスに参入した。18年にウーバーが東南アジア事業をグラブに売却し、タイから撤退して以降、グラブの優位が鮮明になった。「ウーバーがなくなってからグラブの配車の料金が高くなった気がする」(バンコクの会社員)など顧客からは不満の声も聞かれるようになった。ゴジェックとの競争が消費者にメリットをもたらす可能性は高い。
 

その典型が出前サービスだ。バイクの運転手が飲食店に料理を取りに行き、顧客の家まで届ける。外食、屋台が多いこともあり、家でゆっくり食べられるとして人気が高まった。グラブは8月、250社以上の飲食店を巻き込んだ「メガセール」を企画し、約8千軒の割引クーポンを提供した。最大8割引きという大盤振る舞いで、広告塔にはタイの人気アイドルBNK48を起用した。
 
ゴジェックも負けてはいない。フードデリバリー送料を新規利用者は無料、既存の利用者は半額にするキャンペーンなどを打ち出した。「必要なだけ価格競争を続ける」とピンヤCEOは強気な姿勢をみせる。
 
両社の競争によるメリットは登録する運転手にもある。配車では登録してもらう運転手の数と質が生命線。両社は競うように運転手向けの金融面でのサービスを強化している。
 
ゴジェックは7月、サイアム商業銀行(SCB)と組み、登録する運転手向けに金融サービスを始めると発表した。ゲットの運転手トレーニングセンターでSCBの口座を開設できるようにするほか、10~12月に最大10万バーツ(約35万円)程度のローンを提供する計画だ。二輪車タクシーの運転手は所得が低く、これまでは銀行で融資を受けるのが難しかった。ゴジェックが後ろ盾になることで自動車、住宅、教育などの資金を借りやすくする。
 

ゴジェックの発表の11日後、グラブも運転手向けの金融サービスを拡充すると発表した。18年11月に提携したタイのカシコン銀行と連携し、新しいスマホを購入する運転手に無利子のローンを提供する。バイクを購入する運転手向けには低利の割賦払いサービスの提供を始めた。
 
ゴジェックのナディム・マカリムCEOはタイ市場参入にあたって「人々は(配車で)より多くの選択肢を求めている」と話し、グラブへのライバル心をむき出しにした。調査会社フロスト&サリバンジャパンによると21年にタイの配車サービス市場が16年比21%増の41億ドル(二輪車と自動車配車の合算、約4435億円)になる見込み。有望視されるタイ市場で両社の競争は激しさを増しそうだ。
 
バンコク=岸本まりみ)