藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

頂点と底(2)

*[ウェブ進化論]投稿の呪縛よりも。

昨年あたりまでは、子供たちのなりたい職業の一位はユーチューバーだった。

自分の知り合いにも動画投稿の世界に飛び込んで、一時はかなり稼いでいた人もいる。

ところが「2年経っても続いている人」というのは案外少ない。

「動画が再生されないとお金にならない」というシンプルな仕組みだから、「再生される動画を撮りつづける」ということが目的になってしまって、生活パターンが変わってしまった人もいる。

「自分が発信したいことだけを届ける」というはずの趣旨が「再生ありき」とか「新作ありき」とか「編集ありき」になり、まるで「作家でもないのに〆切に追われる人」のように見える。

 

テレビなどの固定メディアとは違い「自分と知識や好みを仲間で共有できる」という本来の強みを考えて"コンテンツありき"を中心に据えておかないとミイラ取りのようなことになってしまうだろう。

つまりどんなに偏っていても(あるいは平凡でも)「共感(あるいは反発)できる」ようなメッセージ性があれば、それが興味のある人に届く時代だ。

 

だから「誰も知らない、新しい話題や知識を提供し続けること」を目指すのではなく、まるで友達に語りかけるような「優しい共感コンテンツ」が長く続くコツなのではないかと思う。

 

作為的な仕掛けは長続きしないものなのだ。