藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

門仲の迫力。


仕事も佳境を迎え。

ちょっと一息、と一人近場に繰り出す。
門前仲町

あまり認識がなかったが、なかなかの繁華街。
特に最近はジンギスカンとか、創作和食とか若い力の台頭も目立つ。

そんな中。
「魚三酒場」。


老若男女、その行列の長さ。
一瞬躊躇するも、折角の機会、並んでみることに。
表通りに待つ客は様々。
若いカップルから、おっさんの一人待ちは通常か。
常時十人程度が居酒屋の入店待ちだから驚きである。


待つこと二十分。
「ハイ、一人の人。」


中に入ると熱気はさらに増す。
「マグロのかま、食べる人!!」
「おお。もらうよ!!」

とか。
「お母さん、酒酒!」
「ついでに枡酒!」
「アワビ!」
「もうキモしかないよ!!」



居酒屋、とはこういうものか、と認識を新たにしながら、「ぬる燗、おかわり!」と。
ゴツい五升徳利を下げて、次々と燗をして回る。


夫婦と思しきカップルから、飯場の棟梁から、ニートから、サラリーマンから、ありとあらゆる職業の人間が集う。
特に中年以上のカップルが中睦まじく、ビールと燗酒をシェアしている光景など、さすがに東京の居酒屋だな、などと感心しきり。


フライもの、天ぷら、刺身、なんでもありに、しばし長居。
最後に650円の「海老焼き」で締める。


種類は何?
というほどデカい車海老の塩焼きが周囲の耳目を集めつつ。
枡酒を注文して、魚三酒場の初日は終了。


驚愕はその後だった。
財布から用意した一万円札に対し。
「1970円です!!」とのコール。


1970円!
これほどの酒肴を出して、この値段。
東京随一の評判は伊達ではない。


燗酒、冷酒、枡酒、中落ち、コハダ酢、ハマ焼き、玉子焼き…
「誰か、マグロのカマ、要りませんか??」
店内には常に活きのいいセリフが飛び交う。


東京の奥深さを、門前仲町にて再認識。
地域のよさは、やはり足で経験せねば分からない。



そんな経験をした週末だった。