- 作者: ピーター・ティール,ブレイク・マスターズ,瀧本哲史,関美和
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/09/25
- メディア: 単行本
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以前糸井さんのブログで紹介されていた「ゼロ・トゥ・ワン(ピーター・ティール著)」まだ読んでいなかったのだが改めて読むことにした。
とても本質的な指摘だと感じた。
(ビジネススクールに通う人たちのこと)
彼らは、非常に社交的ですが、あまり深い信念がなく、
2年間を温室のような環境で
同じような仲間といっしょに過ごし、
お互いにお互いのマネをしながら、
自分が何をしたいのか探し求めますが、
なかなかそれがつかめない。
そういう、自分たちの考えを持たない者どうしが
ビジネススクールで学んでいる。
「あまり深い信念がなく」「自分たちの考えを持たないものどうし」。
という言葉の意味は重い。
MBAを持つ人は、文句なくエリートと言われる部類の人である。
日本の一流大学や大学院もそうだろう。
だが知識や知見をたくさん持っていることと哲学は違う。
信念とか自分の考え、というちょっとクラシックな感じのすることが、「その人」を決める中核的な要素である、ということは古今変わらないということだろう。
いくらhow toのテクニックを学び、磨いてもそれは人格形成とは別物だ、という指摘である。
いわゆるエリート教育のサイクルに入ってしまうと、その中での「競争そのもの」について懐疑的になることは難しい。
競争に勝ち、さらにその先の競争に没入し、そこでもまたトップを目指す。
大企業や高級官僚、政治家の世界はそれそのものではないか。
個性的であることが貴重だ、と言われているアメリカにおいてこの話だから、日本においては何をかいわんやだろう。
"競走のさなか"にこそ本質を考えることが重要なのだ。
(つづく)