藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

私が選ぶ時代。

*[次の世代に]仕事を自分で考えていい時代に。
「安心して一生働ける会社」か「自分が成長できる会社」か。
どちらも実現できるのが大企業だと思っていたが、そうではないそうではなかった。
今の日本は「大企業か否か」は重要なテーマでもなくなってきた。
一流企業でキャリアアップを狙うのか。
それとも起業を考えるのか。
中小企業ではそのトップを狙うのか。
自分は結局「新しいことを発想した人の勝ち」ではないかと思っている。
大企業かどうかとか、資格や博士号があるかどうかとか、業界に歴史があるかどうかとか。
そんな垣根を飛び越えて、新しい発想を持てるかどうかが、これからの「サバイバル能力」ではないだろうか。
面白いこと。
ユニークなこと。
望まれていること。
そんなことを掛け値なく発想できる人に、これからのビジネスチャンスはあるのに違いない。
少子高齢かとか、AI化とか、分かっていることはたくさんあるから、「じゃあ私はこれをしたい」と思えた人にチャンスはある。
未来は明るいと思う。
 

進化続ける「働きたい会社」


この春、社会人になる新卒内定者が就職先をどう選んだか。調査を様々見比べると、「成長できる環境がある」が「安定性」「知名度」を抑えてトップや上位に躍進しているのに気がつく。
成長できる環境。「会社とは経験を積む場所であり、一カ所に長くいる必要はない」ということだろう。企業の人気番付も合わせて見ると、順位を上げた企業には「キャリアアップが当たり前」とのイメージがある外資系が目立つ。
若い世代のこの傾向は少し前から表れていた。多摩大学大学院の徳岡晃一郎教授が大企業を対象に実施した調査によると、20~24歳の社員で転職を希望する人の割合は2012年に22.0%だったのが、17年には94.2%まで跳ね上がった。
理由は終身雇用に飽き足らないミレニアル世代の特徴だ、との見方もある。だが専門家の多くが指摘するのは日本企業の組織の実情だ。例えば若い世代が就活時や入社後に接し、驚くのはバブル期の大量採用組を中心とした40歳代後半以降の社員の多さだという。
45歳以上の大企業社員は現在、全国に約500万人いる。そのうち約200万人は管理職になれなかったり、役職定年を迎えたりしてポストのない社員と推定されている。若い社員はそうした世代から会社への不満を聞かされる一方、先輩層が滞留する結果、やりたい仕事を与えてもらえない組織に幻滅していく。
若者を巡る変化は日本企業への警鐘だ。平成と重なる「失われた30年」の間、多くの企業は再教育やキャリア形成への支援が手薄なまま組織を硬直化させた。技術革新は当然生まれにくくなり、それ以上に「日本の大企業で働くことが本当に幸せか」という根源的な命題まで突きつけられてしまった可能性がある。
元号の下で始まる時代に向け、新しい企業の姿を見つめ直す時かもしれない。考える起点はやはり、若者をはじめ社員が心の奥底で抱いているいまの組織への違和感だろう。
コンサルタントとして組織改革に長く携わってきたフレデリック・ラルー氏の著書「ティール組織」が世界で話題を集めている。同書によれば、従来型の組織に閉塞感や違和感を覚えているのは日本の社会人だけではないようだ。
計画や予算、結果。そうした用語に囲まれ、目標管理と評価制度、階層構造の中で生きる現代人は世界中どこでも「英産業革命が起きた18世紀、すなわち人間より機械が重要だった時代と変わらないと考えている」と同氏は言う。
ではラルー氏が推奨するティール(青緑)組織とは何かと言えば、「上下関係や目標管理がない」「一人一人が自らの考えと意志で働き、互いに支え合う」組織だ。例えれば生態系や臓器に近い。そんな組織が本当に存在するのかと思う人は多いだろう。だが同書に出てくるのは空想の産物ではなく、同氏が「既存の企業に違和感を覚え、世界中を歩いて発見した」というパフォーマンスの高い実在の企業や非営利組織だ。
重要なのはそうした事例をまねよ、ということではない。「個人の働きがい」や「幸福」「成長」という命題から逆算してみたら、企業が若者から避けられる理由や、不祥事、パワハラが相次ぐ原因が意外に見えてくる可能性がある、ということだ。
日本にもティール組織に似た企業は存在する、と私は考える。岐阜県にある電気設備機器メーカー、未来工業は社長、役員、管理職がいる普通の会社組織の体裁をとっている。だが、業務の「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を一切求めず、社員一人一人に権限を与え、それを組織全体で支える経営で知られる。
山田雅裕社長は「社員のやる気がすべて。それを失っては組織がうまく回るはずがない」と話す。仕事に打ち込んでもらうために、社員からは1件500円で「業務改善提案」を募り、無駄な業務を年間5千件もとりやめる。残業は禁止。休日は日本企業で最も多い年間140日に達するが、創業以来赤字を出したことは一度もない。昨年12月には東証1部へ上場を果たした。
もう一社ある。コピーライターの糸井重里氏が経営し、手帳の販売などで知られるほぼ日(ジャスダック上場)。同社も似ており、社員の自主性、リーダーシップでヒット商品を連発している。
もともとは「東京糸井重里事務所」だった。改組したのは、「一緒に働く人と自分の関係が『子弟』から『教え合う仲』に一変したため。インターネットの普及は人と人の関係を大きく変え、若い人の方がむしろネットを巧みに操って情報を豊富に獲得する時代になった」と糸井氏は言う。
小規模な企業だから可能だ、というわけではない。組織の柔軟さという点では、グーグルなど米巨大IT(情報技術)企業もプロジェクトごとにリーダーや形を変幻自在に変えるフラットな組織構造を持っている。20世紀型の企業組織は米ゼネラル・モーターズGM)が1920年代に確立した「事業部制」に起点があるとされるが、働き手の役割を細分化し、効率性を追求するやり方はむしろほころびも限界も多い。
日本企業も組織をもっと柔軟に試す時だ。働く人を起点に考えれば、その先にはきっとポスト平成の「働きたい会社」「技術革新を生む組織」の輪郭が見えてくる。
 

 

普通という幻想。

*[次の世代に]平均値は問題ではない。
海外の友人が口癖のように言う。
「普通ではダメだ」「人とは違うことを言え」と。
それを聞いて自分などは「そこまでして個性を出す必要はあるのか」とか「競争、競争ばかりの前提じゃないだろうに」などと思っていた。
それはそれでともかく。
 
逆の視点で。
「自分は普通なのだろうか」というふうに考えると、結構「普通の外」にいることに気づく。
よくよく考えてみれば、誰もが“普通”に対する欲を持っていると思うけど、実は誰もがけっこう簡単に“普通”から外れてしまう。
例えば。
学校で友達との関係が崩れていじめにあって登校拒否になったり、病気になって長期欠席になったりとか。
そういうことで普通からずれていく子っています。そこまで深刻じゃなくても、親友ができないとか、友達とけんかしたりとか。
そういう悩みを抱えて生きてる子ってたくさんいると思うんです。
よくいう「普通」は実はいろんな立場の人がいろんな観点からいう「普通」の集合体なのだ。
性格も、仕事や人間関係も、個人的な性癖だって「普通」の範囲に収まっている必要がある。
だから「スーパー普通」という怪物のような存在だろう。
 
そんなに「何もかもが普通でしかない」という人なんて、ある意味気味が悪い。
「ある人が、自分の立場から見て普通」というのは参考程度に聞いておけばいい話だと思う。
 
実は自分たちはかなりの度合いですでに「普通ではない」存在なのだ。
 

ダウン症の子を持つ奥山佳恵「わが子に障害あると知った時」

2018.12.02 07:00
発達障害」に関して、親のあり方や周囲の応じ方が各所で論じられている。そんな中、自閉症として生まれてきた少年・勇太くん(仮名)とその母を取材した単行本『発達障害に生まれて』が版を重ねている。障害児を授かった親は、周辺社会は、どのように歩を進めるのがいいのか──育児や日々の生活を綴るブログで多くのファンを持つ女優・奥山佳恵さんと同書の著者であるベテラン小児外科医・松永正訓(ただし)さんが対談した。奥山さんは2011年に誕生した次男・美良生(みらい)くんが生後1か月半の時にダウン症と告げられた。
 
奥山:先生の著書を読んで、勇太くんのお母さんと私で、母としての思いが重なる部分が非常にあったなぁ、と思いました。私は初めての子育てであまり上手に対応できなかったから、2人目は笑って子育てをしようというテーマがあったけれども、違った意味で笑えることができなくなってしまったというところはありましたね。
 
松永:奥山さんが書かれた本(『生きてるだけで100点満点!』)にあった旦那さんの言葉に、ある意味、障害児を授かる本質があると思います。わが子が生まれた時、親は誰しも、「この子は学校に通い、勉強して、恋愛をして…」と夢を抱きます。
 
ぼくも子どもが2人いるんですけど、子どもができた時、普通に学校に行って、友達ができて、家内はママ友とうまくやっていって、できればちょっとぐらい勉強ができて、いい会社に就職できて、いい人と巡り会って結婚して…と思いました。いってみれば普通です、それが。だけど、そういう“普通”が障害児を授かると消えちゃうんですよね。うちの子どもはこういうことが経験できなくなっちゃうのか、と。
 
奥山:私の中では、産んだわが子は、触れ合っているとかわいいと思えるところが救いではあったんです。ちょっとした仕草とか泣き声とかにおいとか。生まれてきたことに本当に感謝をするし、心からかわいいと思えるんだけど、その子から離れた時や、寝たのでベッドに置いて家事をしている時に不安が襲ってきて。触れていると安心するけど、離れると不安になる。その繰り返しでしたね。
 
だんだんその時間が短くなってきて、心からどんな子であっても受け入れられるとなってきましたけど。
 
松永:よくよく考えてみれば、誰もが“普通”に対する欲を持っていると思うけど、実は誰もがけっこう簡単に“普通”から外れてしまう。学校で友達との関係が崩れていじめにあって登校拒否になったり、病気になって長期欠席になったりとか。そういうことで普通からずれていく子っています。そこまで深刻じゃなくても、親友ができないとか、友達とけんかしたりとか。そういう悩みを抱えて生きてる子ってたくさんいると思うんです。
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2018.12.02 07:00
 じゃあ、普通から外れた人生ってそんなにみじめかっていうと、決してそんなことはない。それでも人って生きていかなければいけない。最初に思い描いた青写真からずれていっても、それは、その子にとっての人生だし、親から見たら子どもはかわいいんですよね。
 
いろんなパターンがあって、“受容”に至るまでの道筋って人によってバラバラなんですよね。病気は受容できないけど、子どもはかわいいという相矛盾した思いをするパターンの人も結構多くて。奥山さんもそうかもしれません。
 
奥山:そうですね。
 
松永:美良生くんは美良生くんでかわいい。だけどダウン症という病気はよくわからなくて…ダウン症という病気をモンスターみたいに思ってしまう。ダウン症のお子さんを授かった人の中には、ダウン症という病気を認めないし、わが子に愛情を持てない人もいるんですね。
 
だけど人間って結局、時間をかけて、一歩一歩ステップを踏んでいって、たぶんどこかでいい意味であきらめる時がくるんですね。
 
そのあきらめというのは、投げやりになったり、自暴自棄になることとは別なんですね。質のいいあきらめの時がくるんです。それを乗り越えていくと、たぶん、お母様がたというのは、自分の中で持っていた、それまで過去に自分が築いてきた価値観を1回壊して、新しい価値基準を作り直す。で、自分の子どもに対して「あなたはあなたでいいんですよ」と認める、自分の子どもを。
 
それは、認めるというレベルよりも一段階高くて、承認を与えるような。あなたでよかったんだよ、とステージが上がっていくのかなというのが、多くのご家族を見てきた、ぼくの印象ですね。
 
奥山:個人的に思うのは、生きてる限り、人間には自己治癒力があるなということです。わが子の障害を知った時、心にけがをしたような状態だと思うんですけど、そのけがもやがてかさぶたができて、砕けた骨もいずれくっついて…。生きてる限り、けがというものは治癒されていくものだなぁと実感しました。時間がかかるけれども親になっていけるんだなぁって思いました。
 
松永:どうしてもわれわれって、普通でありたいという欲があるし、社会にも同調圧力みたいなものがあって、そういう生き方をしなきゃいけないところがある。特に日本の文化は横並びで、出る杭は打たれ、目立つと足をひっぱられる。そういう社会に住んでいますから、“普通”に対するプレッシャーって強くあると思うんですね。
 
だけど、そこから外れたからって、それは失敗であるとかみじめなことではなく、そこにもちゃんとした人生はあるんです、実はね。あまりにもぼくらの社会は、普通であることに縛りつけられてて、そこからがんじがらめになっているけど、実はそれは単なる幻で、本当は普通なんて基準はどこにもないのかもしれないですね。
 
【プロフィール】
1974年、東京生まれ。2001年に結婚。2002年に長男・空良(そら)くんを、2011年に次男・美良生(みらい)くんを出産。美良生くんが生後1か月半の時、ダウン症と告げられる。著書に、美良生くんの育児日記を公開した、ドキュメンタリーエッセイ『生きてるだけで100点満点!』(ワニブックス刊)がある。
 
松永正訓さん
1961年、東京生まれ。「松永クリニック小児科・小児外科」(千葉県千葉市)院長。2013年に『運命の子 トリソミー 短命という定めの男の子を授かった家族の物語』(小学館刊)で第20回小学館ノンフィクション大賞を受賞。読売新聞の医療・介護・健康情報サイト「yomiDr.(ヨミドクター)」で連載を持つなど、命の尊厳をテーマとした記事や作品が各所で好評。
 
※女性セブン2018年12月13日号
 

 

次の産業革命。

*[次の世代に]労働は脇役に。
人の労働がどこまで機械に置き換わるか。
汎用AIの登場を待たずとも、機械化できるところはこれからどんどん進む。
スーパーやコンビニ、百貨店のレジとか。
商用車のドライバーとか。
警備員とか道路の保安員とか。
近いうちに「9割がた」が機械になるだろう。
建設作業員などが置き換わるのはその先だと思う。
 
そして。
今のオフィスワーカーの仕事も半分くらいは、近いうちに自動化されると思う。
(そのくらい創造性はあまりない)
「コンビニが24時間営業するかどうか」という話は過渡期の話題で、十年後には「24時間のコンビニに人はほとんどいない」という具合になるだろう。
今ほど人間が「自分でなければ出来ない仕事かどうか」を考える時代はなかっただろう。
それだけ技術が進んで「人が労働から解放される」ということが進んでいるわけだ。
恐れることはない。
ようやく「自分らしいことは何か」を探す時代になってきたのだ。
 
労働から解放された人間は、次には本当に"創造的な生き物"になるのではないだろうか。
(すっごく怠惰になる人もいると思うけれど)
 

コンビニが「24時間営業」にこだわる意外な理由

3/6(水) 7:00配信
 コンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンが24時間営業の短縮実験を行うことになった。同社は基本的に24時間営業の堅持を望んでいると思われるが、実証実験の結果次第では方針が見直される可能性も出てきた。セブンをはじめとするコンビニ各社が24時間営業にこだわってきた理由や今後の展開について考えてみたい。
フランチャイズと本部が対立
 セブンは3月中旬から全国の直営店10店舗で営業時間を16時間に短縮した店舗運営の実験を開始する(その後、直営店以外も対象に加える方針を決定)。実験は数ヶ月間行われ、売上高や客単価の動向などを分析する。
 
同社はオフィスや駅構内など一部の店舗を除いて24時間営業を原則としている。近年、人手不足が社会問題となっているが、それでも同社は24時間営業を堅持する方針を貫いてきた。そんな同社が実証実験に踏み切るきっかけとなったのが、大阪府内で営業する加盟店オーナーとの対立である。
 
東大阪市で営業する加盟店オーナーが人手不足を理由に営業時間を2月から19時間に短縮したが、セブンは契約違反であるとしてオーナーと対立。この問題を受けて全国のフランチャイズ(FC)オーナーで組織する「コンビニ加盟店ユニオン」はセブンに対して団体交渉の申し入れを行ったが、セブン側は拒否する姿勢を示している。
 
24時間営業をやめた加盟店に対しては、1700万円の違約金支払いと契約解除を通告するなどセブン側は厳しい姿勢を示しているとされるが、そうした中での短縮実験開始というニュースに業界では様々な噂が飛び交っている。
 
セブンがいよいよ24時間営業の見直しに動く可能性について指摘する声もある一方、今回の実験は単なるガス抜きのポーズに過ぎないという声や、逆に24時間営業の妥当性を示すための施策であるとの見方もある。
 
本当のところは分からないが、これまで頑なに24時間営業にこだわってきた同社が、実証実験に踏み切ったのは大きな変化といってよい。競合のファミリーマートも同様の実験を開始しているほか、ローソンは一部店舗の営業時間短縮を実施している。フランチャイズ本部とオーナーの力関係が変化してきたのは間違いないだろう。
 
ではセブンをはじめコンビニ各社はなぜ24時間営業にこだわってきたのだろうか。意外に思うかもしれないが、それは昼間の時間帯の売上高を伸ばしたいからである。
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24時間営業すると昼間の売上高が増える不思議
 24時間営業を行った場合、昼間だけの営業と比較すると営業時間が長くなるので、その分だけ売上高が増えるのは当然である。だがコンビニ各社は深夜時間帯の売上高が欲しくて24時間営業を実施しているわけではない。
 
実際に深夜のコンビニに行ってみると分かると思うが、午前1時を過ぎると来店する客は目に見えて減少する。深夜営業から得られる売上高や利益などは全体からすればごくわずかなレベルといってよく、繁華街にある一部店舗を除いて深夜営業自体にはほとんどメリットがない。
 
だが不思議なことに24時間営業を実施すると、昼間の売上高が大幅に増えることが知られており、コンビニ各社はその効果を狙って24時間営業を行っているのだ。
 
深夜営業すると昼間の売上高が増える理由ははっきりしていないが、いつでも開いているという心理的な安心感が作用し、顧客の来店頻度が上がることが原因と考えられている。一般的に深夜営業をやめてしまうと、全体で3割程度売上高が落ちると言われており、その多くは昼間の売上高減少分となる。
 
小売業界で売上高が3割落ちるというのは大変な数字であり、深刻な業績不振に陥ることは確実である。全店で一斉に深夜営業をやめた場合、ここまで大きな売上高減少につながるのかは何とも言えないが、業績が落ち込むことに対する本部の恐怖感が大きいのは間違いないだろう。
 
このほかにも、深夜ではない時間帯に閉店する場合、翌日向けの棚卸しのため多くの店員を雇う必要があることも24時間営業の中止を躊躇させている。24時間営業の場合、客がほとんど来店しない深夜に店員が棚卸しを行うので余分な人件費がかからない。だが、深夜より前の時間帯に閉店する場合、店員は閉店時まで接客に忙殺されるため、棚卸し専用の店員を余分に確保する必要に迫られる。
 
これまでの時代は、他の業態から顧客を奪うことでコンビニの全店売上高は増加が続いてきた。このため24時間営業による負担が大きくても、それを上回るメリットが本部にも加盟店にもあった。だがコンビニ市場が飽和しつつある中、業界が抱えていた潜在的な問題が一気に噴出する結果となり、これが一部、加盟店オーナーの離反につながっている。
 
コンビニ業界が抱えている潜在的な問題というのは、構造的な店舗運営効率の悪さと、それに伴うフランチャイズ契約の厳しさである。
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3/6(水) 7:00配信
コンビニという業態は規制が生み出した産物
 そもそもコンビニは純粋な市場メカニズムでは成立しくにい業態であり、競争原理がしっかりしている米国などではコンビニ市場はここまで拡大していない。日本でコンビニが過度に普及したのは政府による規制が原因である。
 
昭和の時代まで日本の消費市場は、メーカーが商品価格を一方的に決めるという前近代的かつ硬直的なものであり、消費者は高い買い物を強制されていた。こうした閉鎖的な市場に風穴を開け、大量調達によって庶民に安い商品を提供するというコンセプトで登場してきたのが大型スーパーである。
 
当時、こうした試みは「流通革命」と呼ばれたが、実際にはあまりうまくいかなかった。日本では大規模小売店舗法(いわゆる大店法)の規制があり、安値販売のカギとなる大型店舗の出店が難しかったからである。庶民に安い商品を大量に提供するという流通革命の理想は諦め、現実路線としてコンビニに舵を切ったのがセブンであり、それ故に同社は飛躍的な成長を実現した。
 
コンビニは店舗面積が狭いので大型スーパーと比較すると店舗の運営効率が悪い。こうした悪条件をカバーするためには、安値販売を行わずに商品を高く売る必要があった。つい最近までコンビニが定価販売だったことにはこうした背景がある(定価販売のコンビニが普及した分、日本の消費者は高い買い物を強いられ続けることになった)。
 
また店舗の収益性が低いため、直営店舗だけでは十分な利益を確保することができない。このためフランチャイズ加盟店を広く募集し、場合によっては加盟店に過酷な条件を強いることで本部の利益を維持してきた。コンビニ企業が高収益なのはこうした契約内容によるところが大きい。
日本では24時間営業の継続は難しい
 市場が拡大している時には、これらのデメリットをメリットが上回っていたので、大きな問題にはならなかった。また一般消費者もコンビニを極めて高く評価しており、「コンビニは日本が生み出した世界に誇るイノベーションだ」といった具合に、手放しでコンビニを賞賛する風潮が強かった。
 
コンビニの経営方針について批判的な記事をメディアに書くと、運営企業からクレームが来るかと思いきや、読者から尋常ではない反発を受けるケースも多く、コンビニ経営の諸問題を指摘する記事は一種のタブーとされていたのが現実である。
 
筆者は数年前、(一般ビジネス系媒体ではおそらく初めて)あるメディアにコンビニのフラチャイズ契約の問題について詳しく解説する記事を執筆したことがある。記事について激しいクレームや圧力を受けることはなかったが、何人かの知人には「加谷さん、こんなストレートな記事を書いて大丈夫ですか」と心配された。
 
わずか数年前でもこうした状況だったことを考えると、ここ1~2年の人手不足とそれに伴うフランチャイズ加盟店の経営環境の悪化、消費者意識の変化はかなりのレベルだと考えられる。今回の実証実験の結果がどうあれ、コンビニ各社が24時間営業について何らかの対応を迫られる可能性は高いだろう。
 
ちなみに諸外国では24時間営業に対するスタンスは様々である。
 
ドイツでは宗教上の理由から深夜営業や休日営業について規制する「閉店法」と呼ばれる法律が制定されている。社会主義的な色彩が濃いフランスでは労働者保護という見地から同様の規制があり、小売店の種類によっては深夜や休日に営業できない。
 
しかしながら、両国とも規制の見直しが進んでおり、24時間営業を実施する店舗が増えている。もともとこうした規制がない米国では営業時間については企業の方針に委ねられてきた。しかしながら各国とも、無理してでも24時間営業を行うという雰囲気ではなく、必要に応じてやればよいという柔軟な風潮といってよい。
 
先進各国は日本と比較すると生産性が高く、社会にはかなりの余裕がある。経済的な余力が小さい日本の場合、24時間営業を無理に継続すると、過重労働に直結する可能性が高い。今後は経済の実力に合わせた最適な営業時間のあり方について社会全体で模索していく必要があるだろう。 
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目的と手段の不一致。

*[次の世代に]平等主義の誤謬。

CO2の排出量を2割下げるとか、観光客を4000万に増やすとか。

オリンピックや万博だからとか。

世の中、結構「なんでなの?」という目標が一人歩きするものだ。

この「女性幹部の比率目標」もよくわからない。

この多様性の時代に。

もう「男か女」だけではない時代に。

仕事場での「男女比率」をテーマにすることは、やはり先進性があるのだろうか。

そもそも仕事場に「性別差の話」を持ち出すことがちょっと本末転倒ではないのか。

そもそも男たちはそんなに「女性の台頭」を妨げてきたのだろうか。

今でも見た目「ガツガツ」しているのは男が多いと思うが、本来の能力差はそれほどないのではないか。

(だとしたら今の社会の構図は、割合自然な構成なのではないだろうか)

 

ウーマノミクスなどと言って「男女の比率」だけを合わせに行くのは形式主義に思えて仕方ない。

そのうち「年代の格差」とか「職業別の格差」などと言ってなんでも均質化しようとする感じがする。

ただ男女比率に差があるから、それを縮めよというのは平等を優先しすぎていると思う。

能力主義さえ標榜できれば、大きなお世話ではないだろうか。

 

ゴールドマン、ウーマノミクス実践へ

これがパラダイムシフト。

*[次の世代に]土俵が変わる時。
たった、ここ200数十年の間「限りなく自由」を追求してきた米国の優位が、果たして本当に揺らぐのか。
エンジニアが1つのパソコンで起業できる時代となったため、シリコンバレーのような集積がかつてほど意味を持たなくなっている側面もある。

かつての「自由の国」は競争に明け暮れ、成長に伴い「自主規制」も出来上がり「そんなに野蛮な国」ではなくなっているのかもしれない。

そしてアジアの新興国はかつてのアメリカのように「獰猛に」国の政策共々、がむしゃらに経済成長を指向する。
トランプ氏がそこまで考えているとは思えないが、「移民の国アメリカ」が次の段階に進もうとしている、と考えれば納得できるシナリオだ。
「自由」だけを基本に全ての基準を運用してきたアメリカが、いよいよ「そこ」から手を引き始めるのかもしれない。
アメリカは「経済の成功モデル」から「成熟モデル」へと変わろうとしているのに違いない。
いつまでも「競争するならアメリカ」という感覚が変わってきていることを、この記事は指摘しているのではないだろうか。
 
超保守のガラパゴスと言われている我が日本は、さて次にどんな挙動になるのだろうか。
ここらあたりが考えどころ、ではないだろうか。
 
 
シリコンバレーにオフィス、時代遅れかも
2019年3月10日 21:30
今年に入ってからも、日本の様々な業種の企業からシリコンバレーに関する相談が届いている。
日本と米国でスタートアップを複数起業後、ミクシィアメリカの最高経営責任者(CEO)を経て、2013年にスクラムベンチャーズを創業。50社超の米国のスタートアップに投資。
「我々もそろそろイノベーションに取り組まないといけないと考え始めています。シリコンバレーにオフィスを置きたいのですが、ご相談に乗っていただけますか?」
全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)によると、昨年の米国におけるベンチャーキャピタル(VC)の投資額は約1300億ドル(約14兆円)と過去最高を更新した。2017年の830億ドルから飛躍的な増加だ。「ネットバブル」と言われた00年が1050億ドルだったことを考えると、いかに大きな数字かがお分かりいただけるであろう。
こうしたなかで大企業によるベンチャー投資、いわゆるCVCの存在感も一段と増している。
昨年は米国全体で668億ドルと、17年の365億ドルからほぼ倍増した。VC投資全体に占める割合は件数ベースでは16.1%とほぼ変化はないが、金額ベースでは50.9%と初めて半分を占めるまでになった。
テクノロジーの大きな変革にさらされている自動車や小売りなどの業界をはじめ、多くの大企業がスタートアップにイノベーションのきっかけを求めようとしていることが分かる。
しかし、「イノベーション=シリコンバレー」と単純に考えるのはいささか時機を逸している。
米国におけるVC投資額は引き続き増えている一方で、世界全体のVC投資額に占める割合は急速に低下している。スタートアップのデータベース会社、クランチベースによると、18年第2四半期での米国のシェアは35%にすぎず、それ以外の地域が65%となっている。1年前までは米国が50%以上のシェアを持っていたことを考えると、影響力が急速に失われていることが分かる。
CVCでも同様だ。米CBインサイツによると、世界全体のCVC投資のうち13年に64%だった米国のシェアは18年に41%まで低下している。一方でアジアのシェアが急増。13年の13%から18年に38%と北米に迫っている。
米国以上のユニコーン企業価値が10億ドル以上の未上場企業)を生んでいる中国は言うまでもないが、インドネシアやインドなど様々な国や地域で新しいイノベーションやスタートアップが生まれている。
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブックアマゾン・ドット・コム)が生まれたときのようにソフトウエアやテクノロジー自体が競争力の源泉となりビジネスとなっていた時代とは異なり、今は我々の生活に関わる様々な既存産業を変革するイノベーションが勃興している。
資金も含めたあらゆるリソースがコモディティーとなり、エンジニアが1つのパソコンで起業できる時代となったため、シリコンバレーのような集積がかつてほど意味を持たなくなっている側面もある。
この流れは加速し、地域やビジネスの特性に合ったイノベーションが世界中からどんどん生まれるはずだ。これからイノベーションに取り組むにはプレーヤーがひしめくシリコンバレーではなく、足元のアジアなどそれ以外の地域に目を向けるのもいいかもしれない。
日経産業新聞 2019年3月7日付]
 

 

企業が主役ではない時代。

*[次の世代に]雇用と就職はスクラッチ
自分が学生の時には全く疑いもなかったが。
新卒の大学生や院生が、一斉に「企業回り」をするのは何かおかしい。
さらにそれを「大学三年の3月」とか「内定は四年の6月」とか。
政府が「そういうこと」に介入するのが昭和の悪癖だと思う。
「大学で四年間、きっちりと教育してから」という大学側もどうか。
それほどの教育ができていれば、企業の側も待つだろう。

 「そういうこと」は自由に任せるのがいいだろう。

「青田買い」など見苦しい。さもしくないか。

高校生でも、企業で挑戦してみる気概があればどうぞ。
企業はそういう学生さんの「"自由さ"をつぶさないこと」を心がけていればいいのではないだろうか。
通年採用は当たり前。
インターンもどうぞ。
 
むしろそういう「無垢な」リソースに応えられるような仕事を用意しておかねばならない。
自分たちの仕事の「本来の姿」を考えることにもなるだろう。
求職者と企業が、いよいよ「スクラッチ」に話をする時代が来る。
どちらも「そのつもり」で準備したほうがいい。

 

就活戦線 異状あり(1) 「とっくに終わりました」
2019年1月20日 17:00
「就活はとっくに終わりました」。東京大学教養学部3年の伊沢涼(22)は昨年9月、外資コンサルティング会社から内定を得た。海外で働けることを条件に志望先を絞り、2カ月半で就職活動を終えた。「就活を続けるより何かを学ぶ時間に使いたい」と短期留学などを考えている。
就活イベントで企業のブースを見て回る学生ら(13日、東京都江東区東京ビッグサイト)
就職情報大手のディスコ(東京・文京)によると、2020年卒(大学3年生)の内定率は1月1日時点で5%弱と前年同期の約3%から前倒しが進む。現行の「経団連ルール」で面接が解禁されるのは4年生の6月。その1年半前に内定を得ている学生が2万人近くいる計算だ。
「(経団連ルールには)違和感を覚える」。昨年9月3日。就活戦線の異変の号砲は経団連会長の中西宏明(72)が鳴らした。企業説明会の解禁は3年生の3月、面接解禁は4年生の6月という現行ルールは、20年卒の学生を最後に廃止される。

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政府は昨年10月末、政府主導のルールを決めた。21年卒(現在の2年生)は現行と同じ日程、22年以降は学生を混乱させないため据え置きを前提に改めて決める。これまでは1300超の経団連加盟企業による自主ルールだったが、政府は新興企業や外資系企業にも順守を求める方針だ。
だが企業への罰則規定はない。日本の企業数は大企業が約1万社、小規模事業者を除いた中堅が56万社。企業は「超」の付く人手不足のなか、年間56万人の新卒者から優秀な人材を採ろうと動き、学生や大学側はルールが定まらない現状に右往左往する。
「3月1日は3年生ではなく2年生の就活スタートだ」。難関企業を志望する学生向けの就活支援を手がけるネクスベル(東京・目黒)社長、早川直樹(36)は断言する。すでに昨年末から21年卒(主に2年生)の会員募集を開始。昨年より登録のペースが速く、すでに100人を超えた。
立教大学文学部2年の女子学生(20)は昨年10月から就活の準備を始めた。気になりだしたのは就活ルール変更のニュースを見てから。「両親と兄から早く就活を考えた方がいいと言われ不安になった」。中央大など一部では1年生にも就活支援の対象を拡大。「入学即就活」の構図すら現実味を帯びる。
神戸大学長の武田広(69)は「4年間みっちり教育してから社会に送り出したいが、就活時期が定まらず野放し状態になる」と危惧する。
足元の就活を巡る混乱が映し出すのは、日本型の人材育成の限界と、そこから脱しようともがく企業の姿だ。
スイスのビジネススクールIMDが国別の世界競争力ランキングの発表を始めた1989年(平成元年)、総合で首位に立ったのは日本だった。だが18年は25位。グーグルなど米ネット大手が新しい発想でデジタル時代を切り開く中、年功序列や横並びの新卒採用といった旧来型の仕組みが転換を迫られて久しい。
グローバルで多様な人材を得る動きは始まっている。

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資生堂は18年から、学生が4日間かけて商品のマーケティング戦略を練るインターン(就業体験)を始めた。管理職へのプレゼンを経て選ばれた参加者に最大1千万円の予算をつけ、19年春までに実行して効果の検証まで経験してもらう。
ソフトバンクグループは15年に通年採用に移行した。「入社時に30歳未満」という条件さえ満たせば、新卒や既卒を問わずエントリーでき、入社時期も4、7、10月から選べる。楽天も15年からエンジニアの新卒を通年で採用している。
就活時期の分散は、知名度の高い大手企業に有利との批判も根強い。一方で転職を通じた人材の流動化を期待する声も挙がる。就職情報サービスの学情のもとには、新卒を採用しづらい中堅企業などから第二新卒や転職者を得たいとの依頼が増えている。年56万人の新卒者に比べ、20代の採用市場は1250万人と大きい。
採用コンサルタントの谷出正直(39)は「年功序列の雇用が崩れ働き方が多様化しているのだから、入り口である就活も多様化へ向け議論すべきだ」と話す。

生物センサーの時代。

*[ウェブ進化論]IoTからIoC(=creature)の時代
遠からず、街中のほとんどの日常も、そして自分たちの「周辺のセルフ画像」も常時接続ならぬ「常時記録」の時代になりそうだ。
「まずは撮っておいて」から考えるということになる。
常時記録は、つまり「常時データ」だ。
これまでと違い「まずは膨大な画像データがある」というところから物事はスタートすることになる。
 
自分たちの仕事も日常もプライベートも「基本的には撮ってあります」となれば活用できるデータは凄い量になるだろう。
あらゆる機械や製品にセンサーが付くIoTの世界も凄いが、「あらゆる人間にレコーダがつく」というのもすごい。
IoTでも結局「データの生じる源」は人間や生物になるわけで、IoTは実はIoC=creature(生物)につながっていくのではないだろうか。
 
生物がいなければ、いくら機械にセンサーがあっても意味はない。
生物センサーの時代がやってくるのに違いない。

ハンズフリーで、安定感抜群!4K+広角の超軽量ウェアラブルVRカメラOmiCam(オミカム)

OmiCam(オミカム)は、90gの軽量性で、240度広角で4K動画を撮影可能。水平保持・手ブレ除去機能により、着用でき、ハンズフリーでのビデオ撮影が可能です。更にVR動画撮影にも対応。「ウェアラブルVR動画」の組み合わせにより、人生最高の思い出作りを提供します。
最新情報を チェック!
  • ・これまでになかった超軽量「ウェアラブルVRカメラ」なので、常に身に着けてハンズフリーでビデオが撮影できる!
     
    ・長時間のビデオを自動編集し、SNSで共有しやすい長さの映像をワンタッチ作成
     
    SNSを利用して、VRモードで動画を共有することが可能
     
    ・240度広角で、4K高画質の撮影が可能
     
    ・傾いても画角を水平に保つ機能と手ブレ除去機能を備えているので、安定した映像を撮影可能
  • 1,スマートフォンで以下をクリックして下さい。
    YouTubeアプリが開くようになっています。)
     
    2,左右・上下にスマートフォンを動かしてみて下さい。
    360度の世界が楽しめます。
     
    3,YouTube画面右下の『VRボタン』を押して頂くと、VRモードでご覧頂くことが可能です。(お手持ちのVRゴーグルをご利用下さい。)
  • いつでもどこでも好きな場所で身に着けて利用して下さい。

  • 録画条件がどんなに悪くても、OmiCam(オミカム)の強力なビデオ安定化機能によって、クリアでシャープな動画が作成できます。
     
    ▼他社商品との安定化機能の比較: 左=他社商品 右=OmiCam
  • 更に、ワンタッチハイライトビデオの作成により、何時間もの映像を即座に短い動画に変換。
     
    手間暇かけずにソーシャルメディアで共有することができます。
    利便性を追求した商品です!
  • これらの問題を抱えている人なら、OmiCamが解決してくれます!
  • 01:着用可能

  • 高価な撮影器具などは必要なく、完全にハンズフリー
    OmiCamを装着したら、雨天に関わらず、今の瞬間を楽しめます。
     
    わずか90gのコンパクトなデザインで外出先でどこにでも着用できます!
  • 02:防水機能

  • 旅の途中で予想外の雨に降られても全く問題ありません。
    厳しい屋外条件(雨、埃、熱)に耐えられる完璧なカメラなのです。
     
    ▼防水機能について:
  • 規格としては以下の通りです。
    ・防塵6級:粉塵が中に入らない(耐塵形)
    ・防水5級:あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
  • 03:安定した高画質4Kのビデオ

  • OmiCamは、240度の広角で4K画質の驚異的な超高解像度ビデオを撮影します。
     
    ▼4K画質をご覧下さい。
    上:OmiCam(4Kでの撮影)
    下:他社カメラ(1080P)
  • また、高度な手ブレ除去機能により、撮ったビデオがブレることなく驚くほど安定します。
     
    ▼安定具合をご覧下さい。
    上:OmiCam
    下:他社カメラ
  • 04:ライフログ機能

  • もう二度とバッテリーの心配をする必要はありません。
    内蔵のビデオスナップショット機能は3分ごとに10秒間自動的に記録、
    バッテリー管理を最適化して最大15時間使用することができます。
  • 05:ワンタッチハイライトビデオ

  • 一日中活動して疲れた後に、ビデオの編集に膨大な時間を費やしたいという人はいないでしょう。
     
    OmiCamのアプリなら、ワンタッチでストレスフリーに作成することができます。
     
    友達、時には世界中の人と共有できる、完璧なビデオを素早く作成できます!
  • したがって、OmiCamは、アウトドア活動等に最適です!
     
    ▼旅行のハイライトストーリー:▼ハイキングのハイライトストーリー:
  • OmiCamは、毎日の活動を記録するのにも最適です。
    人生における最高の瞬間は予期せず発生するものです。
    OmiCamなら問題ありません。
  • 1.バックパッカー / 旅行者

  • 私たちは、誰もが人生の瞬間を素早く簡単に捉えるべきだと思っています。そのためにもバックパックのストラップに常にOmiCamを装着して、新しい街での旅の思い出を作りましょう。
  • ▼あるバックパッカーの物語をチェック:
  • 2.自転車

  • OmiCamを自転車に取り付けると、自転車カメラに変身します。
     
    素晴らしい経験をしながら、ワイドな240度の広角ビデオをキャプチャしてお友達と共有したいと思ったことがあったのではないでしょうか?それもできるんです。
  • ▼自転車で撮影した物語をチェック:
  • 3.ペット

  • 皆さんペットは好きですよね?
    OmiCamでは、大好きな家族のペットの視点から世界を体験することができます。
     
    しかもブレを心配する必要はありません。
    (こちらのショルダーは付属しておりません。ほかのネットショップにて販売しています。)
  • ▼ペットの物語はこちら:
  • 4.オートバイ

  • ヘルメットに取り付けて、長いロードトリップのVR体験をキャプチャしましょう。運転に集中しながら、残りは全てOmiCamにお任せしましょう。
  • ▼バイクの物語はこちら:着用可能なので、その可能性は無限大!
  • OmiCamは、カメラ、安定性、およびビデオ編集が、1つのパッケージとしてまとまっています。
  • さらに魅力をご紹介します。
  • 1.ユニークなデザイン

  • OmiCamは、45度の角度で魚眼レンズを前方に傾けるように設計されているため、着用に最適、そして擬似一人称視点を得ることができます。
  • 2.ビデオをパーソナル化

  • OmiCamモバイルアプリを使えば、スマートフォンがカメラの編集ソフトに早変わり。
     
    テキスト、ロゴ、テーマ、音楽など様々な編集が可能です。
  • 綺麗な景色や感動する体験をしたら、すぐに共有をしましょう。
     
    山の頂上に着いた感動の瞬間も、OmiCamアプリのワンクリック共有なら、
    あなたの家族や友人にすぐに共有をすることができます。
  • ※360度の写真や動画は現在、FacebookYouTubeでのみ共有できます。
    (その他SNSに関しては、開発を検討中です。)
    通常の写真や動画は、全てのSNSで共有可能です。
     
    Facebookでの投稿例:
  • 4.VRコンテンツクリエイター

  • OmiCamで撮影した動画をVRで楽しむことができます。
    YouTubeに投稿すれば、家族や友達にもよりリアルで、より鮮明な体験をVR動画として共有することができます。
  • VRモード:
  • ▼登山をしているVR動画:
    1,スマートフォンで以下をクリックして下さい。
    YouTubeアプリが開くようになっています。)
  • 2,YouTube画面右下の『VRボタン』を押して頂くと、VRモードでご覧頂くことが可能です。(お手持ちのVRゴーグルをご利用下さい。)
  • OmiCamなら自由に選択できます。
     
    単独のカメラとして使用することも、スマートフォンと一緒に使用することも。
     
    あなたの編集ニーズに合わせてOmiCam専用ソフトをご利用頂けます。
  • OmiCamアプリを使用すると、誰でも簡単に動画の編集ができます。
  • ライブビューモード:

  • Wi-Fiを利用してアプリケーションに接続することで、リアルタイムで、OmiCamが撮影している写真や動画を確認することができます。
  •  

 

教養としてのアートのこと。

*[ウェブ進化論]ありがたい記事。
ネットのおかげで「単語や年表を記憶していること」の価値は地に落ちたけど。
逆にこうした知的な記事が、無料でギュッと詰まっているのを発見すると感謝。拍手したくなる。
で、その著者の本を見つけてバンバン購入しよう。
それが恩返しというものだ。
一般教養(リベラル・アーツ)なんてなんの役に立つんだよ!と若者が叫んでも、残念ながら文化の重みにはまだ勝てない。
今のところは。(マティスの絵を人工知能が読み込んで、結構な新作を描いたりしてるらしいですが)
アートを見る・知るを繰り返していると、歴史をきちんと踏まえ、文脈を読む力が磨かれます。
好みの作品の歴史や文脈をひもとくことで、自分が大切にする価値観って何? 
自分が位置を占めたいポジションは? 
おのずと、大局的な視野から捉え直すことができるようになります。
アートに触れると人の営みについて、大きな流れを掴めるようになるのもありがたいことです。
この一節だけでもありがたい。
むしろ興味もわいてくるというものです。
あとは印象派周辺のアーティストの名前さえ押さえたら、
「アート、だいたいわかってる」
と言ってまったくさしつかえありません。
ここで知っておきたい名前を挙げるなら、
モネ
の計7人、といったところでしょうか。
何か自分にもできそうな気がしてきた。
全8回をぜひご覧ください。
 
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第1回 アートを知ることは、武器を手にすること

興味はある。でもちょっと敷居が高い気がして、二の足を踏んでしまう。
そんなものごと、世にたくさんありますよね。アートは、その最たるものかもしれません。
高尚そうだし、人や作品の名前は舌を噛みそうだし。
でも実際のところは、まるで心配など要らないものです。ちょっとかじってみれば、アートの歴史なんて意外に単純だし、キーパーソンもさほど多くありません。
案ずるより産むが易し。全8回のこの連載で、西洋美術と日本美術の双方について、アウトラインをお伝えしていきます。読み終えるころには頭のなかに、アートの全体像がくっきり浮かび上がるようになること請け合いです。
すると、いいことがいろいろありますよ。アートへの苦手意識が消えるのはもちろんのこと、いまを生きるビジネスパーソンとして、新たに心強い武器を手にした気分になれます。
というのは、海の向こうでは一定以上の地位に立つ人が、
「アートなんて知らない」
とは絶対に言えない空気があります。何かしらの社会的地位を有する人物ならば、ひと通りの文化的素養を持つのは必須。音楽や文学と並び、その最たるものがアートです。
日本では、
「文学やら芸術といった方面は、とんと明るくないですが」
と表明するとむしろ誠実そうに見えたりしますが、そろそろ風向きは変わってきました。経済やビジネスの知識だけでなく、文化的素養だって当然求められるようになってきた。教養としてのアートの重要性は増すばかりです。

アートがもたらしてくれるメリット

自分をひとかどの人物に見せるツールであるに留まりません。アートはほかにも、さまざまなメリットをもたらします。
たとえば。まずは自分のアイデンティティを改めて確認することができる。
アートの価値を決めているのは、表面的なきらびやかさなどではなく、歴史と文脈です。そのアーティストは史上どんな位置づけにあるか、どんな流れの下に作品はつくられたか。そうしたことを基準に、評価や作品価格は定まります。
アートを見る・知るを繰り返していると、歴史をきちんと踏まえ、文脈を読む力が磨かれます。好みの作品の歴史や文脈をひもとくことで、自分が大切にする価値観って何? 自分が位置を占めたいポジションは? おのずと、大局的な視野から捉え直すことができるようになります。
アートに触れると人の営みについて、大きな流れを掴めるようになるのもありがたいことです。
わたしたちは学校で歴史の授業を受けましたし、歴史小説はよく読む人も多いでしょう。ただ、それらに出てくるのは主に政治史です。
受験勉強をすると為政者の移り変わりや政体の変化、各時代のリーダーの動向にはやたら詳しくなる。けれど、それぞれの時代における人の暮らしや考え方をよく表すのは、むしろ文化史のほう。アートには、人の営みや思想が凝縮して表れます。真に歴史を知るには、アートをふりかえるほうが有効なのです。
くわえてもちろん、たくさんの「美」に触れられるというのは何よりですね。美しさと出逢うのは人間の根源的な欲求にして歓びです。
人は視覚から得る刺激が圧倒的に多い生きもの。視覚に特化した最良の体験を提供しようと、古来アーティストは苦心と工夫を重ねてきました。せっかくのその果実、味わわずにおく手はありませんよ。

ビジネススキルも手に入る

ものを見る目が養える。自分なりの価値体系が築き上げられる。眼前にあるものを存分に愉しみ味わえるようになる。
アートから得られるこれらのことは、昨今、仕事の現場で求められるものと大いに重なっていますよ。
問題の発見と、独自の価値に基づく判断と、課題を前向きに遂行し抜く能力。そんなビジネススキルも、アートを身中に取り込めばおのずと手に入るわけです。
「でも、ほとんど知識ゼロだし……」
「知っていることといえば印象派ピカソ……、あと何かあった?」
という向きも、心配ありません。専門家でもないかぎりアートの知識なんて、じつは誰もがだいたいそんなところです。
実際のところ、印象派という言葉を知っているだけでもバッチリです。いいところを突いていますよ。印象派は日本でやたら人気が高いというだけではなく、アートの流れにおける最重要の画期点ですから。
あとは印象派周辺のアーティストの名前さえ押さえたら、
「アート、だいたいわかってる」
と言ってまったくさしつかえありません。
ここで知っておきたい名前を挙げるなら、
モネ
の計7人、といったところでしょうか。聞き覚え、なんとなくありますよね。
彼らがキーパーソンなのはなぜなのか。何を考え、どんなことを為したのか。これからこのシリーズで見ていきましょう。
<今回のまとめ>
●いまこそ生きていく武器、教養としてのアートを身につけよう
●アートを知れば、自分自身を見つめ直せるだけでなく、社会を知ることができる
印象派とその周辺のアーティストの名前さえ押さえておけば十分
 
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聖域でなくなる日。

*[次の世代に]いよいよホワイトカラーのこれから。
一日千秋というのはたぶん若い人の言葉だ。
その反対、十年一日の如し。
 
「ホワイトカラーの生産性向上」と言われ始めたのは三十年以上前のことだ。
自分はまだルーキーだったがへぇーと思ったものだ。
「生産性?ですか?」なんて感じだった。
 
昨今の技術の発達のおかげで、いよいよ聖域にもメスが入る。
とは言っても、自分の行動を思い返してみると、営業の計画の仕方とか、資料の作り方とか、商品の選び方とかはかなり感覚的だなと思う。
つまり科学的でない、ということだ。(しみじみ)
経験上、大成功した経営者の自伝をいくら読んでも役に立たない。(けど読んでしまう)
営業マンはもちろん、経営分析のような分野も、世界中の企業のデータを集めて「ベンチマーク」していくことができればずい分助かるのではないかと思う。
そろそろ新商品が必要ですよ。
ライバル企業はM&Aを始めたようです。
法改正で就業規則を変える必要がありますね。 
自分の経営する会社を常にウォッチして、的確なアドバイスをもらえることはそうそうない。
そういう意味では経営コンサルタントの仕事も「今一つの高み」を目指す必要がありそうだ。
ホワイトカラーの仕事は、ITのおかげでようやく「次の進化」へと向かう時期に来たのではないだろうか。
 
 
 
 
ウォール街、次の注目株は「ビジネスアプリ」
2019年3月10日 20:50
ハイテク株暴落はもう過ぎたことだ。
昨秋の株安で最大の打撃を受けたIT(情報技術)企業の一部は、この数週間で株価が新高値にまで回復している。その中で大きく脚光を浴びているのが、世界中のホワイトカラー労働者にますます身近な存在となっているビジネスアプリだ。
株価が年初来約3割も高騰している米サービスナウのジョン・ドナフー最高経営責任者(CEO)は、再浮上の理由をこうまとめた。「投資家は何よりも成長を評価する」
セールスフォース・ドットコム社は、インターネットを介してソフトウエアの機能を提供するSaaS(サース)ブームの先頭を走っている=ロイター
ウォール街は特に、まだおおむね赤字でも急成長中のいくつかのアプリが仕事に欠かせない道具になると見込んでいる。元は米イーベイのCEOだったドナフー氏など熱く意気込む面々は、そうした企業の重要性を消費者向けのIT企業になぞらえるほどだ。
「中核をなす基礎的なプラットフォームだ」とドナフー氏は言う。「FAANGフェイスブックアマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグル)が家庭にもたらしたのと同じ根本的なインパクトを職場にもたらしている」

SaaS関連株が上昇

相場の回復で株価は一気に高値圏まで戻った。クラウドサービスの一種でインターネットを介してソフトウエアの機能を提供するSaaS(サース)の分野で活動するビジネスアプリの企業は通常、株価売上高倍率が6~7倍だが、今は10倍かそれ以上に達していると米ワシントン州シアトルのベンチャーキャピタリスト、マット・マクイルウェイン氏は言う。
ビジネスモデルのわかりやすさが株高につながっている。大半の会社が売上高のほぼ半分を販売・マーケティングに支出し、成長しながらも赤字を出している。現時点で交わした長期契約による売り上げは先々の年にしか計上されないからだ。それでも潤沢な資金を持ち、景気が悪化しても大半の顧客は離れないとの見方から、投資家にもてはやされている。
「これらの会社はきょう1ドルを投資して将来3ドルを得るすべを心得ている」と、マドロナ・ベンチャーズのマネジングパートナーであるマクイルウェイン氏は言う。
SaaSブームの先頭に立っているのは、主として販売・マーケティング用のソフトを提供する米セールスフォース・ドットコムと、人事管理ソフトなどの米ワークデイだ。従来型のソフト大手のうちの2社も、事業のかなりの部分をSaaSのプラットフォームに振り向けた。グラフィックデザインの分野からマーケティング分野に拡大した米アドビシステムズと、ホワイトカラー業務向けクラウドサービス「Office 365」を提供する米マイクロソフトだ。
特定の業務を扱うサービスから、幅広い協働やコミュニケーションのツールとして機能するものまで、戸惑うほど多種多様なアプリが利用者の獲得を争っている。数週間後に新規株式公開(IPO)を予定するメッセージングアプリの米スラック・テクノロジーズや、ソフト開発者に欠かせないツールとなった豪アトラシアンも、そうした企業の一部だ。
そのうちどれだけが世界の「知識労働者」向けの永続的なプラットフォームになれるかは、議論の余地がある。時価総額30億ドル(約3300億円)以上のSaaS企業は30社を超え、成長へと突き進んでいる。
驚くまでもなく、ドナフー氏はサービスナウをホワイトカラー労働者にとって必須の新たなプラットフォームにしようとしている。これも業界では一般的な構想だ。企業で働く人たちがIT管理部門に求めるサポートの要請を自動化するソフトで創業した同社は今、さまざまな業務(ワークフロー)を扱える企業内のプラットフォームになろうとしている。

将来性を納得させるのがカギ

ほぼ無限に開ける将来性を投資家に納得させることがカギとなっている。ドナフー氏は、サービスナウの「実現可能な最大の市場」(理論上、同社のソフトが扱える全ての業務)を5750億ドル規模とはじき出している。この数字には、まだソフトで扱われていない職場の業務の多くが含まれている。サービスナウの2018年の売上高はまだ26億ドルで赤字だが、時価総額は400億ドルを突破している。
多くの専門家が、SaaSの実験が広がって業界は統合に近づいているとみている。そうだとすれば、SaaSも初期のビジネスソフト市場と同じ道筋をたどるだろう。まず特化型のツール(業界内で「ベスト・オブ・ブリード(最高品質)」と呼ばれる)が出回った後、より少数の汎用的な「スイート(複数の関連プログラム)」サービスを中心に統合されていくという図式だ。
顧客企業の「記録のシステム(SoR)」、つまり顧客や従業員に関する情報など基本データの保管場所になれる会社は、最も有利な立場かもしれない。
SaaS企業がどこか大企業のSoRになれば、他の企業も取り込めるチャンスが開ける」と、米カリフォルニア州サンフランシスコのベンチャーキャピタル、データ・コレクティブのマット・オツコ氏は言う。

消費者向けに比べ難点も

その一方で、消費者向けネットサービスと比べると難点が際立つ。多くのSaaS企業は当初の売り込みを「バイラル(口コミ)」マーケティングに頼っている。まず企業で働く人たちの目にとまって個人的にサービスを試してもらい、それから企業側に契約を売り込むというやり方だ。だが、採用されやすいことが参入障壁の低さにつながっている。
「恐ろしいまでに差異化されていないように見える」とオツコ氏は言う。「要するに適切なタイミングと適切な場所、そして猛烈な販売努力。スラックやサービスナウのような1社の成功の陰に千の無名の墓がある」
単なるニッチなサービスではないことを顧客にわからせる必要があるが、その仕事さえ始めていない会社も多い。ワークデイにしても、企業の財務データや人事関連の記録を扱うことに信頼を得るまでに何年もかかった。多くの会社はまだこの過程に入ったばかりだ。
消費者向けのネットサービスと同様、多くのSaaS企業も働く人々の関心を引きつけてつなぎ留めるという際限のない課題に直面している。業務を扱う新しい方法が次々に現れてくる。例えばスラックは、別のビジネスアプリも使える新しい一元的な「窓口」として売り込んでおり、他のサービスの関心を引きつけ、その価値に乗れる可能性を切り開いている。こうした「ホット」なスタートアップ企業が次々に現れ、実験はとどまるところを知らない。
機械学習の広がりにより、この競争はさらに激化しようとしている。マクイルウェイン氏の見方では、ビジネスアプリの次の波は、企業内の個々の「サイロ(部門ごとのシステム)」からデータを引き出し、その集約と学習に基づいてマネジャーに新たなレベルの知見を与える機能だという。先発組のSaaS企業には「次世代アプリの企業が先発組のデータを活用できる」ことがリスクになると、同氏は付け加えた。
それでも支配的なインターネット企業と同様、企業に食い込んでいる先行各社を追い落とすのは難しいかもしれない。大きな顧客基盤を持つ各社は、企業で働く人たちが社内の情報や同僚とどのように関わり合っているか、そのデータをまとめ上げて生産性の改善に結びつけようと考えている。
企業は「4~6の戦略的なプラットフォームを持ちたがっている」とドナフー氏は言う。そうだとすれば、すでに次の巨大ビジネスIT企業が揺るぎない支配的地位を固めているのかもしれない。
By Richard Waters
 

 

ポビュリズムな私たち

*[政治]原因は我にあり。
なんで幼稚な政策と圧力団体を代表するような政党がずっと与党で居座るのか。
一体支持しているのは誰か。
そんな実に不思議な感覚を覚えることは多い。
でもそれは自分達だったようだ。
まともな報道機関が視聴者数を4倍に増やしたとしても、ポピュリズムの隆盛は抑えられなかっただろう。
西側の民主主義国が抱える問題は、国民が事実と虚構を混同することではない。
事実を知らされても、非常に客観的で説得力のある議論を聞いても、なお考え方を変えない有権者が非常に多くいることだ。
まあ自分達は普段から「自分にとって」という「自己エゴ」から逃れられずに生きているから。
社会人の自分、
親の自分、
業界にいる自分、
税金を払う自分、
買い物をする自分、
老後の自分、
実に様々な「自分の見た目」に直面している。
 
介護保険増税は困るが、教育の無償化には反対だ』
そんな身勝手な話も「いくつもの自分の立場」があれば理解できる。
我々が偽情報にとらわれるのは、眼前のより厳しい現実から目を背けるためかもしれない。
我われに一番必要なのは「自分の心の偏り」を正直に見つめることだろう。
いつまでもポピュリズム、と言われていては情けないではないか。
 
大衆迎合 温床は「私たち」
2019年3月10日 17:00
ラジオ局というより航空会社のような名前を付けたのに巡航高度に届かなかった。恒常的な資金難も手伝い、看板司会者の大半が辞めるころには、米ラジオ局エアアメリカが短命に終わろうとしているのは明らかだった。15年前の3月に開局したこのリベラル系ラジオ局は閉局までの6年間、保守系ラジオ局に挑み続けた。
環境が違えばうまくいっただろうか。共和党ブッシュ政権時代、民主党が活路を見いだせるメディアを作ろうと開局されたのだが、世論はそう簡単に変わらないことは考慮されなかったようだ。
トランプ大統領の元側近コーエン被告の議会証言で、共和党議員らは疑惑自体についてはほとんどコメントしなかった=AP
筆者は良識ある人々が偽情報と闘う姿にエアアメリカを思い出す。それは重要なことではあるが、政治におけるメディアの役割を過大視してしまうきらいもある。たとえ偽情報サイトや、外国政府が背後でやらせている悪意ある自動投稿が規制で一掃され、まともな報道機関が視聴者数を4倍に増やしたとしても、ポピュリズムの隆盛は抑えられなかっただろう。
西側の民主主義国が抱える問題は、国民が事実と虚構を混同することではない。事実を知らされても、非常に客観的で説得力のある議論を聞いても、なお考え方を変えない有権者が非常に多くいることだ。ニュースの配信方法を技術的に見直せばポピュリズムへの支持を抑制できるという考え方は、あまりに楽観的すぎる。

デルフォイの神託であっても信じない

トランプ米大統領の元側近マイケル・コーエン被告が2月末、議会公聴会で証言した。トランプ氏の不倫相手への口止め料の支払いや、民主党の内部メールの内部告発サイトからの流出をトランプ氏が事前に把握していたことなどについて、疑惑が一段と深まった。出席していた共和党議員らは証言の信ぴょう性を問題視するだけで、疑惑に関してはほとんどコメントしなかった。近く出される見通しのモラー特別検察官による捜査報告書に対しても、彼らがどう反応するかは想像がつく。
すなわち「大統領、我々はいかなる場合でも支持します」ということだ。固定観念のある人は新たな情報に触れたからといって、たとえそれが真実でもさほど考えを変えない。だからこそ、トランプ氏の岩盤支持層は強力なのだ。この現象は共和党に限ったことでも米国特有のものでもない。欧州連合EU)からの離脱が決まって3年近くたつ英国でも、離脱の代償の大きさが明らかになっているのに、離脱の是非に関する世論はほとんど変わっていない。
穏健派はポピュリズムがもっともらしい偽情報から生まれるものであり、国民は事実を知れば容易に考え直すと思っている。これは一種の気休めだ。ちょうどエアアメリカが右派系ラジオ番組は過激な保守派の論調を利用こそすれ、作り出しているわけではないことに気付かなかったように、メディアの力を過大評価する人が多い。
情報発信の方法をいくら変えても人間の弱点は修正できない。古代ギリシャデルフォイの神殿に掲げられた神託でも、自身の見方と違えば信じないような有権者もいる。我々が偽情報にとらわれるのは、眼前のより厳しい現実から目を背けるためかもしれない。時として有権者は、極端な思想や常軌を逸した政治家だと十分わかっていても、嫌悪感を抱かなくなることもある。ポピュリズムの台頭を招いているのは情報ではない。私たち自身なのだ。
By Janan Ganesh
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三行で自分を語る。

*[次の世代に]自分を語る、最後の一行のこと。
日経(FT)・EUの人事争い激化について。
 
以前研究者の島岡要さんが「研究者の論文は消費されるもの」と言っていたが、研究者に限らない。
メーカーでも商社でも農業でも、いわんやサービス業も役者も「消費」される。
仕事ってそういうものだとも思う。
さらに、政治家や法律家や官僚というエラい人たちですらも同様に「消費」されていくものだなぁ、と思えて仕方ない。
 
多分、どんな偉い人でも後世(の一般常識)に残るのは「二、三行のテキスト」だ。
 
専門分野に入れば膨大な著作や論文を残す作家や研究者も、偉大な事業を起こした企業家も、国の仁政を行った政治家も。
だから生き方とか職業については、自分で考えねばならない。
 
「麻薬に溺れ、放蕩の限りを尽くしたが、偉大な作品を残した」とか。
「いくつもの新事業を志し、果敢に挑戦するも芽が出ずに終わる」とか(それはそれでよい)。
「50代から上場企業を作り上げたが、晩年は孤独な最期を迎えた」とか。
「終生、家業の維持と発展に努めた」とか。
 
内容は自分たちのお任せだ。
若い人も、ご年配も「自分の一生を三行で語る」とイメージしやすい。
特に最後の一行だ。
 
「幼年期・青年期を無為に過ごし、
大手企業に勤めて40で独立。
その後「〇〇〇〇〇〇」を過ごした。
 
「恙無い老後」でもいいし「波乱万丈の生涯」かもしれない。
「何不自由ない老後」でも「天涯孤独の最後」でもいい。
若くとも、老いていたって。
自分が最後の一行に何を付け加えるのか、を逆算して生きる道筋を考えるのはどうだろうか。
 
 
次期欧州委員長候補、鉄道統合却下で失速
2019年2月15日 6:08
欧州連合EU)の欧州委員会で競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー委員は、仏独両国にあらがって独シーメンスと仏アルストムの鉄道事業統合という野心的な計画を阻止したが、同時に自分自身の夢も危うくしてしまった。欧州委員長の座をつかむという夢だ。
欧州連合(EU)の次期欧州委員長の候補と目されるマルグレーテ・ベステアー委員=ロイター
ベステアー氏は先週、統合計画の却下で欧州委員会の力のほどを示した。しかし、その一方で仏独両政府内の一部に、(今秋に任期満了を迎える)ユンケル欧州委員長の後任にはもっと融通の利く人物がいいと改めて思わせる結果にもなった。
「残念だ」と、今年の主要EU機関のトップ人事をめぐる交渉のすべてに深く関与している外交当局者は話した。一方、他の欧州委員長候補は喜びを隠さなかった。その一人は「彼女に仕事はない」と話した。
欧州委員会で際立った存在として頭角を現したベステアー氏が、欧州委員長の有力候補である政治家の一人と目されていることは変わっていない。その資質は特にマクロン仏大統領から高く評価されている。マクロン大統領の野心的なEU改革案が他のEU指導者から相手にされなかったときに、ベステアー氏は理解を示し、これがきっかけでマクロン氏の知己を得た。今度はベステアー氏がマクロン氏の支持を必要としている。
仏独両政府からの強烈な圧力にもかかわらず、信念を貫いてシーメンスアルストムの統合を阻止したことは、米アップルに対する130億ユーロ(約1兆6000億円)の追徴課税や米グーグルの優越的地位の乱用に対する姿勢と同じく、芯の強さを示すものだとデンマーク出身のベステアーを推す人々は言う。
同国のモルテン・ヘルベグ・ペテルセン欧州議員はこう語る。「(統合計画の却下は)彼女が決断を恐れないということを明らかに示している。相手国に好まれない決断であってもだ。これこそ、我々が今の欧州に必要としているものではないだろうか」
統合問題に関してベステアー氏は、欧州委員長への望みが断たれないよう注意深く扱っていたことを示す節もある。仏独の担当大臣は公然と決定にかみついたが、ベステアー氏の個人的批判はせず、EUの規定に怒りをぶつけた。
ベステアー氏は今のフランスの合言葉の一つを使い、欧州産業政策の「戦略的見直し」を支持すると強調した。市場アクセスが「互恵的」でない中国の不公正な競争から産業を守る規制強化などだ。
だがそれでも、仏独の野心的な産業協力に反対したことによる政治的摩擦は、ベステアー氏の政治的評価に打撃を与えている。
もとより数々の政治的障害を抱え、アウトサイダーの欧州委員長候補として最も注目を浴びているベステアー氏にとって、それはさらに障害が増えたことを意味する。
ベステアー氏は国籍が不利に働いている。同氏はデンマークの元経済相・内相で、同国はユーロに参加せず、EU協力の多くの分野で蚊帳の外だ。
国内とブリュッセルでのリベラル派政党とのつながりもハンディになるかもしれない。世論調査によると、ベステアー氏がつながりを持つ欧州議会の会派の支持率は1桁台で、デンマークからの欧州委員という同氏の大きな弱みがさらに際立つ状況となっている。「彼女の目はほぼないと思う」と、あるデンマーク政府当局者は言う。
デンマーク政府はベステアー氏の国際的な仕事を支えるだろうが、次期欧州委員の指名については「話は別」だと同国の国会議員ナサ・カダー氏は言う。「実力本位ではなく、デンマークの中で権力をどう分け合うかという問題になる。だから彼女が再指名される可能性はないと思う」
デンマークのラスムセン首相は、ベステアー氏の社会民主党中道右派政権を支持してくれれば同氏を支持すると冗談まじりに語っている。一方、ベステアー氏と同党のメッテ・フレデリクセン党首は関係が悪いと消息筋は言う。6月までに行われるデンマーク総選挙で同党の連合勢力が勝てば、フレデリクセン氏がラスムセン氏に代わって首相となる見込みだ。
デンマーク国民の多くがベステアー氏を近年で最良の欧州委員と見なしており、政府にとって圧力になるかもしれない。だが今年、EU機関トップの座を狙っているデンマーク人はベステアー氏だけではない。デンマーク政界では、ラスムセン氏がEUのトゥスク大統領(欧州理事会議長)の後釜を狙っているとささやかれている。
もう一人の候補はヘレ・トーニング・シュミット前首相だ。2011~14年の連立政権時代からのベステアー氏の政敵で、非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」の事務局長を間もなく退任し、ブリュッセルで存在感を高めている。
ベステアー氏の次なる大きな試練は、欧州委員長の座に向けて自分をどうアピールするかだ。
マクロン氏と同様にベステアー氏も、欧州議会の各会派が欧州委員長の候補者を選ぶという「Spitzenkandidaten(筆頭候補者)」方式に懐疑的だ。だが、(欧州議会で)リベラル派の欧州自由民主連盟(ALDE)がベステアー氏を候補者の一人にしようとしている。
ALDEの熱い視線を受けていることは間違いないが、ベステアー氏は時機を見計らって関係を深めようとする構えだ。ALDEの一員である前出のペテルセン欧州議員は、ベステアー氏が候補者名簿に入ることを「期待し、当て込み、願っている」と言う。
ベステアー氏に有利に働きうる要因が一つある。先行きがどれほど不確かであろうとも、そうした問題は恐らく「筆頭候補者」方式と欧州委員長の選定手続きに対する疑問の陰に隠れる形になりそうなことだ。
今もマクロン氏の支持をつなぎとめられているのだとしたら、妥協を許さぬデンマーク人が妥協の格好の選択肢となるかもしれない。
By Rochelle Toplensky, Alex Barker & Richard Milne
(2019年2月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/
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距離を埋める時間の単位。

*[次の世代に]対話の熱量。
たとえば、「四十年ぶり」の小学校時代の友人と話すとき。
たとえば大学生時代の友人と「十数年ぶり」に話すとき。
親しかった取引先の人と「数年ぶり」に話すとき。
同じ会社の同期と「数ヶ月ぶり」に話すとき。
いつもの仲間と「数日ぶり」に会話するとき。
 
離れた期間が長ければ長いほど、「時間の距離を埋めるには」それなりの時間がかかる。
けれど、案外「数ヶ月ぶりに会う家族との話」との間の話だって時間がかかる。
 
肉親だから、親友だから、仕事仲間だからと「人間関係の濃さ」は決まらないらしい。
かなり近くにいるお互いでも「案外と疎遠」だと感じることはないだろうか。
 
そしてそして。
これは「恋愛中のカップル」にも通じると思う。
割と頻繁に会っていても。
遠距離で付き合っていても「一度の逢瀬の時間の長さ」は重要なことだという気がする。
"一回会って2時間だけ話して別れる"のでは埋まらない溝がある。
もう少し時間が欲しいのだ。
自分の経験上から言えば、2時間では足りない。(と思う)
一回に4時間あれば、ずい分違う。
6時間あれば十分ではないだろうか。
 
人が相手と会って話し、いろんなことを会話して安心するまでの時間は「4から6時間」なのではないだろうか。
大国の大統領も、外交の専門家も「4-6時間」を基本単位に行動してみてはどうだろうか。
 
 

 

シェアの果て。

*[ウェブ進化論]経営のシェア。
もう自分なんかの知らないうちに、どんどんシェアサービスは広がっている。
街中をUber eatsが走り回っているだけではない。
引越しのドライバーも、トランクルームも、中古販売もどんどん進化している。
何をシェアしようか、と考えるだけでも楽しい。
自分は介護の相談などを受けていて、つくづく「知識の習得」よりも「シェア」が有効だと感じている。
介護保険がどう、病気の治療薬がどう、とバラバラに一人で勉強しているよりも、「介護の経験そのもの」を互いにぶつけたり、相談に乗ってシェアしている方が、圧倒的に解決に至りやすいのだ。
こうした経験のシェアを、それこそ人工知能が部品化し、パターン化すれば非常に介護のノウハウとして活用できる予感がする。
知識ではなく"経験のシェアを促す"AIサービスだ。
 
そうして思ったのは「経営のシェア」です。
経営者同士で交流会を催したり、そこで得られる話は結構貴重で得難いものがあるのだが、どうにも効率は良くない。
経営者は個性も強い人が多いし、またレベルもマインドもまちまちだ。
たまたま気の合う人と出会えればいいが、街中の交流会に出ているだけではロスが多い。
 
「新規事業を考える」「収益率を上げる」「業界の先行きはどうなるか」など。
特に複数のテーマを持って「互いの経験値をシェァする」というシステムはできないものだろうか。
たまたま気のあった経営者仲間と、
たまたま居酒屋に入って、
たまたまそこで得られた知見、
というやつをもう少し効率良くフォローするような、コンピュータと人のコラボができれば。 
一人で、ああでもないこうでもない、と悶々としている思考のガイドができれば、経営者にとっても有難いことではないだろうか。
 
「業界セミナー」では得られない経験のシェアをシステム化できるだろうか。
ちょっと面白いテーマだと思っている。
 
引っ越し難民を救え スタートアップが荷を軽く
2019年3月9日 21:30
新年度を控え、希望通りの日程で転居ができない「引っ越し難民」が今年も生まれそうだ。国土交通省と事業者がそろって日程分散を呼びかけるなど対応を急ぐが、トラック運転手と作業員の不足という構造問題が原因だけに根は深い。柔軟な発想と小回りの利くテクノロジーで少しでも難民の数を減らせないか。スタートアップの出番だ。

運転手をアプリで探す

既に引っ越しシーズンに入った2月下旬の土曜日。横田清夏さんは、東京都新宿区にある早稲田大学近くのアパートで、衣服や雑貨を詰め込んだ段ボール箱が手際よく運び出されるのを見守った。軽バン運転手の高橋英夫さんが20分ほどで荷物を積み込んでいく。
その50分後、軽バンは転居先の目黒区のマンションに到着。玄関先までの荷物の移動にかかった時間は約15分だった。あいさつや会話を含めて約2時間の「高速引っ越し」で、料金は6000円。横田さんはスマートフォンスマホ)のアプリ画面で、5段階の満足度評価で最上位の「とても満足」を付けた。
利用したのはスタートアップ企業のCBcloud(シービークラウド、東京・千代田)が手がけるPickGo(ピックゴー)。個人事業者のトラック運転手と荷主をマッチングするシェアビジネスの一種で、皆川拓也取締役は「引っ越し版の格安航空会社(LCC)を目指す」と話す。
運転手の探索から料金の交渉、決済まですべてスマホで完結するのが特徴だ。依頼者がアプリに出発地と到着地、配送日、運ぶ品物を入力すると、登録する運転手から提示料金やメッセージが届く。依頼者は写真や口コミ情報などを参考に運転手を選択し、チャット機能で料金の交渉や細かな作業内容を相談する。
2017年から引っ越しなど個人向け配送仲介を開始。登録運転手数は1万人を突破し、個人が依頼した配送案件のマッチング率は98%以上になる。東京から大阪といった遠距離配送も可能だ。
2月下旬から4月は例年、引っ越しが集中する。ここ2~3年は人手不足が厳しさを増し、引っ越し業者のピーク期の料金上昇に拍車がかかるとともに、希望の日に業者が見つからない「難民問題」が発生。特に単価の安い単身者の週末の引っ越しは業者から敬遠される傾向にあり、昨年までは見積もりさえ断られるケースもあった。
わずかな荷物、土曜日、低価格という横田さんの希望がかなったのは、通常の引越運送業ではなく貨物軽自動車運送事業の枠組みで対応するためだ。玄関先から玄関先までの移動で、荷物が傷付かないように梱包するといった作業は省かれる。
これは個人事業主である運転手側にもメリットがある。通常の配送業務の合間に生じる隙間時間を有効活用できるためだ。高橋さんの場合、平日は企業向けの定期配送が中心だが、土日は個人の引っ越しを積極的に引き受け、月に30万円ほどを稼ぐという。

購入した人が不用品を取りに来る

運送会社が見つからない場合に備えて、荷物を減らすのを手助けするスタートアップも登場している。東京都内に住む矢代紗也佳さんは2月下旬、出産のため実家のある愛媛県に引っ越した。持ち物はスーツケース1個だけ。手ぶらを可能にしたのは不用品の売買サイト「ジモティー」だ。
当初は引っ越し会社に見積もりを依頼したところ、25万~30万円を提示され驚いた。そこでジモティーを通じて食器棚や冷蔵庫など35~36品目を出品。すべての品に買い手がつき、1万5000円~2万円の収入を得た。衣類などは段ボールに詰め郵送。費用は6万~7万円で済んだという。
ジモティーの最大の特徴は、購入者が直接引き取りに来る方式だ。メルカリのようなフリマアプリの場合、家具や白物家電のような大きな品物では配送料が高くなり、買い手が見つかりにくい。サービス名が表すように地元の人(ジモティー)が利用の中心だからこそ取引が成立している。
退去から入居までの時期のズレも、スタートアップのサービスを活用すれば対応できる。フリーランスの保育士の弘中香奈江さんは18年10月から伊豆諸島の保育園に出張して働くことになった。住んでいた東京都港区のアパートは9月末に契約更新を迎えたため、次の転居先が決まるまでに荷物の保管場所を探さなければならなかった。
利用したのがモノオク(東京・渋谷)。空いているスペースを有効活用したい企業・個人と利用者をスマホでつなぐサービスで、取引が成立した時に20%の手数料を払う。弘中さんは3カ月1万5千円で渋谷のオフィスに荷物置き場を確保。出張勤務を終えた12月末、預けていた荷物を転居先の大田区のアパートに配送した。引っ越し費用は2万3千円に収まった。

いらない服だけネット出品

荷物預かりに加えて、手軽さを売りにするスタートアップもある。サマリー(東京・渋谷)が寺田倉庫(東京・品川)と組み運営する「サマリーポケット」では、利用者の作業は衣服や雑貨を専用の段ボールに詰めて宅配業者に渡すだけだ。
スマホで荷物をスタッフが一点ずつ写真撮影するため、預けているものをアプリ上で一覧できる。必要なタイミングで必要なものを引き出せるだけでなく、不用品はネットオークションへ代行して出品してくれる。
都内のIT企業で働く丹下恵里さん(27)は引っ越しを機に18年9月ごろからサマリーポケットを利用。「洋服の収納場所に困っていたのでとても助かった」と喜ぶ。
全日本トラック協会が大手4社からの聞き取りを基に作成した引っ越しの予約状況によると、3月1日~4月7日は混雑している状況が続き、特に3月22~24日、29~31日は「非常に混雑している」という。長期的にみても綱渡りが続きそう。ボストンコンサルティンググループによると、日本の物流トラックの運転手は27年に需要の25%に相当する24万人分が不足する見通しだ。
一方で若年層を中心にシェアリングエコノミーが浸透し「余計なモノは持たず、スマートな暮らしをしたい」と考える人は増えている。スタートアップのサービス充実と、それを賢く使う利用者の増加が、引っ越し難民解消へ導く1つの道となりそうだ。
(企業報道部 鈴木健二朗、駿河翼)
日経産業新聞 2019年3月7日付]
 

 

軽薄上等。

*[次の世代に]時代の流れとはいえ。
ついにひげ剃りシェーバーにもAIが搭載されたという。
流行とはいえちょっとひどい。
出自がIT屋である立場から言わせてもらうと。
この(AIという)用語があまりにも広く使われているため、VCの投資家は本物のAI事業と「いわゆるAI」事業の見極めが困難になっている。
「お金を扱う側」が混乱していてはちょっとしたパニックだ。
ITの専門家は皆知っていると思うけれど、今使われている「AI」はどれもAIではない。
どれも「プログラムの塊」でしかない。
それがパフォーマンスを上げたり、ネットワークでデータを共有しているものがAIを騙っている。
 
では本物ののAIは何か、というと自分はこれも「巨大なプログラムの塊」ではないかと思っている。
ただし、自分自身のプログラムを書き換えたり、まったく新しいロジックを組み立てたりするところまで「自動化」されてしまうと、
そこから先は元の開発者の制御がきかない。
プログラムロジックが無数に実行され、互いの実行結果が「人の判断なしに相関し合い」まったく元の開発者の知らないロジックを作り出すのがAIの正体なのだろう。
そしてそうしたデータが無数に集まれば、今の人間には感知できない社会の傾向や新しい可能性も察知できる可能性がある。
業界の人は知っているだろう。今の「AI搭載」という製品の多くは、それを騙る単なるプログラム製品であることを。
 
けれど、多分いつか家電や自動車も完全に機械任せの時代が来る。
"AI搭載"というキャッチにはそんな将来への期待と、「今の競争に勝ちたい」というあざとさが入り混じっているのだ。
だからこそ、軽々しくは口にしないのが専門家の矜持ではないだろうか。
 
 
 
  
誇大広告? 「AI使ってない」AI企業が続々
2019年3月6日 6:10
欧州の人工知能(AI)スタートアップ企業のうち4割は、製品にAIプログラムを全く使っていないことが、調査で明らかになった。AIを巡る誇大な売り込みの実態を浮き彫りにしている。
AIビジネスは世界的な関心の的となっている(1月、米ラスベガスで開かれた家電・技術見本市CESで講演する主催団体CTAのゲイリー・シャピロ会長)=ロイター
ロンドンのベンチャーキャピタル(VC)、MMCベンチャーズが公開情報や企業経営者からの聞き取りを元に調査したところ、欧州のAIスタートアップ企業2830社中40%でAI技術を応用している証拠が見つからなかった。
にもかかわらず、こうした企業はAIが事業の中心だと称される場合が多い、と調査の責任者であるデイビッド・ケルナー氏はいう。ただスタートアップ企業の多くは将来的には機械学習のプログラム開発計画を持っているとも指摘する。機械学習とはコンピューターが自動的に経験から学習しプログラムの性能を向上させるAI技術だ。
例えばロンドンを拠点とするスカイスケープは、未使用の屋上スペースがドローンの着陸や都市農業などのプロジェクトに使えるか分析している。現時点では機械学習やAIを用いていないにもかかわらず、AIスタートアップ企業として扱われている。
「現在、AIの実用化を目指してデータと知識の収集に取り組んでいる」と同社の最高経営責任者(CEO)で創業者のブランドン・ベル氏は話す。「AIはスイッチを入れれば使えるような簡単なものではなく、多くの準備が必要だ」
同社のウェブサイトにはこう書かれている。「スカイスケープはAIを使って屋上スペースを分析し、最適な活用法や都市の課題解決に役立つ利用法を突き止めます」

資金調達で有利に

これまでAI事業を標榜する企業は、他のソフトウエア企業に比べて大型の資金調達や高い企業評価額を獲得してきた。MMCの調査によると2018年、資金調達1回あたりの平均額はAIスタートアップ企業がソフトウエア・スタートアップ企業より15%高かった。
「(AIを持ち出して)資金を調達したいと考える企業にすぐに飛びつくVCが欧州には多い」とケルナー氏はいう。
人工知能」という用語が指す中身はさまざまだ。タスクを自動化する単純なプログラムから、データ処理を行う複雑なニューラルネットワーク機械学習アルゴリズムまで、レベルの異なる技術がひとくくりにAIと呼ばれてきた。この用語があまりにも広く使われているため、VCの投資家は本物のAI事業と「いわゆるAI」事業の見極めが困難になっている。
アルゴリズムの構築にしてもさまざまな複雑さのレベルがありうるが、実際よりも過大なレベルのものを構築しているように言い張る企業が多い」と英VC、ブロッサム・キャピタルのパートナーであるオフェリア・ブラウン氏は話す。「事前に精査を行うのは投資家の責任だが(中略)多くのVCにはその能力がない」
政治家は人工知能の成功例を宣伝したり、同分野に使途を限定した資金を提供したりすることで「AI」企業への投資熱に加担してきた。欧州各国はとりわけAI事業の助成が盛んなことで知られるようになり、医療、金融、メディアの各分野をターゲットにした企業が爆発的に誕生した。
MMCの調査によると、欧州で1年間に設立されたスタートアップのうちAI企業の占める割合は、15年の約3%から18年は8%近くにまで上昇し、国別では英国企業が最も多かった。英国からは、のちに海外企業に買収された世界有数のAI企業が生まれている。米グーグルのディープマインド、米マイクロソフトスイフトキー、米ツイッターのマジックポニーがその例だ。
しかし、VC業界はAI周辺で高まる狂乱に惑わされてはいけないと投資家は口をそろえる。「バズワード(流行語)にとらわれるのは決して得策ではない」と英VC、ドレイパー・エスプリのサイモン・クックCEOはいう。「AIはもはや軽々しく使われることの多い何でもありの言葉になってしまった」
By Aliya Ram
(2019年3月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/
(c) The Financial Times Limited 2019. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
 

 

習い事の妙味。

ほぼ日より。
*[次の世代に]より高みをめざす。
下手の横好き、とは誰が言ったか。
糸井さんが言う通り、身も蓋もない。

みんなが「上達」をどこか夢見て師匠に習い、練習に励む。

しかしながら、どこまで練習しても「横好き」でしかないことも結構あるだろう。
まあ当人が喜んでいるのだからいいじゃない、ということで「かなり向いていないこと」を自分たちは手掛けていることもありそうだ。
さぶ。
それはともかく。

ぼくの一番好きな落語の演目は『寝床』である。

ぼ、ぼくもです。
特に桂枝雀の一席が一番好き。
ミュージシャンのライブで時に「神が降りてきた」という表現があるがあれだ。
落語にも間違いなくあると思う。(他の芸事も多分そうだと思う)
同じ噺家の演目でも、出来が全く違う。
その最高の場に会いたくて、ライブの会場に足を運ぶのだ。
 
料理人もすごいが芸人もすごい。
先日行きつけの店の板前さんにそんな話をしたら「フジノさん、なんの仕事でも同じですよ」と往なされた。(汗)
だから習い事はやめられない。
 
 

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「下手の横好き」は、なかなか残酷なことばである。
 
なにかを一所懸命にやっている人は、
「好きこそものの上手なれ」ということばを信じて、
「いつか花開く」あるいは「おれもなかなかのものだ」
という気持ちでやっていることが多い。
よく「下手の横好きでして」などと謙遜してはいるが、
それはあくまでも謙遜であって、
「いまだって、まんざらでもない」とか、
「もうちょっとだけコツをつかんだら、すごいことに」
というような自信だか野心だかを持っていたりする。
いや、みんながそうだとは言わないけれど、
そういうことが多いんじゃないかな、とは言えそうだ。
だからこそ、「こうすれば、うまくいく」というような
テーマの本が、いつでも売れているわけで。
 
歌であろうが、ゴルフであろうが、金儲けであろうが、
モテであろうが、たくさんの人たちが、
じぶんの可能性を信じて、励んだり磨いたりしている。
じぶんも、そういう人間のうちのひとりだから、
その感じは、よくわかる。
ぼくの一番好きな落語の演目は『寝床』である。
 
で、で、「下手の横好き」である。
「好きこそものの上手なれ」と浮かれている人が、
常備薬のように持っているといいのが、
この苦い苦い「下手之横好丸」という胃腸薬である。
そんなクスリは飲みたくないよ、と言ったら、
どういうことになるかというとですね…ふふふ、
人に迷惑がかかる、のである。
思い出してみよう、任天堂のあの名物社長のことばを。
「山内さんは、経営がお好きなんですね?」と、
軽はずみに言ったら、即座にこう返ってきた。
「好きなんやない。得意なんや。
経営なんてものを好きでやったら、迷惑がかかる」
そうかぁ、と、あのときつくづく思ったなぁ。
 
人が趣味でやってるものを止めやしないけれど、
「好きでやるのは、趣味のうちまで」なのである。
ほんとに上手な人は、好きとか言ってないよね?
 
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
上手の人も、「おもしろかった」と過去形では語れるけど。