藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

政治

使われぬ道具。

少し前から後見制度の研究をしているのだけれど、どうも「ここ」というところの使いどころが分からない。 思い余って介護の専門家に聞いてみたら「実務的には機能していない」との回答だった。認知症という、言わば人の尊厳性にも関わる重要な問題について、…

背番号制度の憂鬱。

キラッと光る東洋経済、浪川記者の記事より。 人の書いた文章は"作者の子供"のようなものだけれどなるほど出自は分かるものである。それにしても法人版の共通番号制度があるとは初耳だが、それがかつてのIT業界の蹉跌を踏襲しているという記事には喪失感を拭…

今の世代で責任を。

競争相手のいないインフラ事業は営利企業と言えるだろうか。 今のように「安全性第一」という機運であれば、もともと官営の方がよかったと思う。 日本中の電気インフラを事業会社が占めてしまったために、「いざ」となっても潰せず、しかし債務の返済も見込…

実務の難しさ。

一昨年、「子供手当」を民主党が配る際、行政に「配るシステムがない」という理由でとん挫していた。 一体行政というのはどれほど「前例」とか「既定値」にこだわるのか、と呆れたものだが、同様の事態はそこここで起こっている。 介護保険の制度が、もうす…

縮小の決意。

若者の公務員志向が高まっているのは感じていたが、無理もない。 サラリーマンの年収は下落が続き408万円になったという。 一方公務員の平均は断然高水準で、東京都、大阪府、神奈川の御三家はなんと揃って800万オーバーと聞けば人気の理由もうなずける。 最…

ホワイトカラーエグゼンプション(適用除外)。

そういえば、前安倍政権の時に聞いた「解雇特区」が再浮上しているという。 いわば労基法無視の「雇い手と働き手の自由契約」を認める内容だが、そもそもどうしてこの試みが「成長政略の柱」なのかが問題である。 労働者保護を念頭に、戦後六十年かけて編み…

経営者の目線。

昨日の藤巻氏に続き。 ワタミの渡辺さんも「ブラック企業」としてずいぶん揶揄されての当選。 よく当選されたし、また有権者もいくら噂が先行してもちゃんと選べる部分もあるじゃないか、とも思った。 渡辺氏の言動、どこを見てもブラックな気がしない。イン…

異業種参入。

財界の重鎮になってから政治に乗り出す人はこれまでにも多くいたが、最近はそうした傾向も随分変わってきた。 ワタミの渡辺さんとか、またこの藤巻さんとか、いわゆる守旧派代表としての政治屋ではなく、ビジネスマインド満々の経営改革ならぬ政治改革を志す…

皆保険という偉業。

普段は政治や政策について文句ばかり言っているが、こうした話を聞くと政策を作る側の苦労も偲ばれる。 皆保険のルーツは第一次大戦の1914年ころに始まり、しかも対象者はいわゆる「工場労働者」。 日本初の社会保険制度は22年の「健康保険法」だという。 さ…

自己責任と国。

震災で休職した人は205万人に上り、また離職した21万人のうち四割近い8.5万人が仕事につけていないという。地元では除染とか建築の需要が旺盛だと聞くけれど、現地の事情を聴くにつれ、「地元重視」ではなく「復興需要」を当てにしている傾向が強いと思う。 …

減税も増税も。

いよいよ消費税の増税が正念場。 「増税見送り」という評論家も多いが、特にビジネス界は増税ありき、といった雰囲気である。 そんな中、住宅ローン減税も改正され、より「低所得者も買い控えない」かつ購買意欲がでるような補助金制度も始まるとのこと。 42…

女性手帳の前に。

少子化危機、という言葉がもう一般化しているとは知らなかった。 少子化対策の「特命担当相」はもう2001年から任命されているそうである。 もう歴代14人に上るとか。それにしても「少子化対策」という言葉がこれほど一般的に、いや公用語化しているとは知ら…

納税のモチベート。

脱税の摘発現場の写真特集。教育、勤労、納税は国民の義務だが、どうも人は所得が上がるとそれを忘れてしまうらしい。 その凄まじさは「戦場カメラマン」さながらである。湯沸かしポットに隠された現金。 冷蔵庫で食料品とともに冷やされた株券。 応接室の床…

幼児教育無償化300億。

ビジネスの世界ではノーワーク・ノーペイなどと言うけれど、政治の世界では「財源の見えない話」がよく持ち上がる。 仕事の上で「まだ予算のめどはありませんが…」などと話をすると「夢物語を言うな」とたちどころにはね付けられるのがオチである。 売上があ…

先駆者とフォロワーの違い。

色々と賛否喧しいオバマ政権だけれど、ここ三年ほどを見て、EU各国や中東や南米、そして中国、アジア、さらに日本、と見渡して確実に変わり、実績も独自カラーも出してきているのはオバマ率いるアメリカだけではないだろうか。 中東からの撤退は、前後しつつ…

政治の誤謬。

およそ国の統治、外交に限らず、業界内の企業同士や、はたまた企業の中のセクショナリズムでも。 「常に互いの関係を"対立"でしか考えぬ」人たちがいる。仮想外敵をこしらえて、それで内部の結束をはかる、とか内政への不満を逸らす、というのは古典的だが未…

自国を規定するもの。

核保有国の言い分を聞いていて、自国の統治にも大変苦労している様子がうかがえる。 その国独自の事情は歴史的なこと、民族的なこと、宗教的なこと、いろいろ事情があるだろう。 国の政治はまず国民を食べさせること。という至言があるが、まさにそういうこ…

保護するのは何か。

"貧困ビジネス"と聞くその名称だけで非常に萎える。 何か情けないような、セコい、暗い感じがするのである。 五右衛門のような大泥棒なら痛快、というわけではないが、いかにも小さい。 昔のやくざが聞いたら、情けなし、と嘆くか「それも時代よ」というのだ…

脱することのむずかしさ。

運転免許の天下り財団法人が大リストラに会うという。 既得権益がいかに張り巡らされすさまじいものか、は官僚の友人に聞いてみるとよくわかる。 さらに、大手メーカーの「公共事業担当」の部署にいる友人が加わり、言いたい放題。 つまりは予算ありきでしか…

すべては劇的に。

その事件に対する対処がたとえ悲しいことでも、辛いことでも。 アメリカの人々はそうしたことを「イベント」にする力に優れている。 それが9.11であれ、国内の犯罪であれ、ともかくそれを一つのお祭りにしてしまう。 そしてその「象徴的なこと」について、強…

税金のパラダイムシフト。

日本の税務当局が、海外資産に目を光らせているという。 ここにもグローバル化は起こっている。 そこで「租税論」ではないが、そもそもの税金とは何のためにあるのか、ということに疑念もわく。 公共資本の調達機能、というのは中学で習う租税の基礎的な役割…

初めて、への戸惑い。

円高たけなわ、の時には誰も何も言わなかったくせに、10円ほども為替が振れたら早速危ぶむ声が聞こえてくる。 結局先進国や新興国の政治家というのは、互いの国の政策を批判し合っているだけのような気もする。こういう局面を見ていると特に。 結局先進国の…

成熟社会への入り口。

年収431万。 生活実費540万。 税外収入のヘソクリは41万。 そして「資産を担保にして455万円の追加借り入れ。」である。借金だけで合計7500万円。 経営者が考えるべきは「今後の姿」である。 収入を増やすか、支出を減らすか。 そもそもこれからの家族構成や…

新システムの構築。

最近の新聞報道などでは「足るを知る」表現が目立つ。 なぜか人口が初めて自然減するこの国で、もういったんはGDPも「天井まで達した」ということなのかもしれない。 昨年から減少に向かった傾向はこのまま数十年緩やかに続くという。国としては、将来に向か…

ガラガラポンのはじまり。

民主党が先の衆院選の落選者に月50万円を支給するという。 政党だから「給料」でもない。 パーティ所属の「お手当て」だろうか。それにしても今年の参院選、さらに次の衆院選を近いうちに予想する人たちもいる中「数集め」の感が拭えない。夏ごろには安倍政…

史上初の試み。

「インフレ目標」という名称に違和感を感じるのは自分だけだろうか。 エネルギーとか、製造業とか、ネット販売とか、「何かそうした経済活動ありき」で"結果的に表れてくる現象"がインフレとかデフレとか景気停滞とか。 それを貨幣価値を落とす、ということ…

ネバー・ギブイン。

民主政権の回顧録。 歴史的な戦後の政権交代はひとまず収束。 これからは新たな「自民」という局面になっている。一旦、一瞬政権を手放した自民党が「過去を清算する」という姿勢は何か一度政権を手放しただけの免罪符のようだが、「素人内閣」の後、再び「…

脱官僚の方法。

公共事業の配布基準や、支給の方法は民間で合理的なプロセスを決めて、中立的に実施するのがよいと思う。 官製談合がどう、とかいう前に切り離してしまえばよい。民間ならば、利権争いの心配はあれど「基準のための基準作り」のような無駄な仕事を山のように…

専門PTによる独立チームを。(2)

公共事業が「本当に経済成長に向かうような項目」へ向けて実施されることがベストだが、それには労働とか規制などの法律や、補助金とか減税政策など様々な外部要因なしには難しい。 つまり「プラスに向かう政策」についてはまだ議論の余地があると思うので、…

専門PTによる独立チームを。

税と社会保障の一体改革、も腰砕け、結局公共事業とインフレ政策にすり替わった。 税収に頼ってはよほどの増加(消費税25%とか)がない限り支出とのバランスは困難で、そこまでは国民が同意しない、という理屈もわかるが、それにしても補正予算12兆のメニュー…